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フレディが愛した美術館は日本映画界を支えるロケ地! 栃木県足利市の旅

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執筆:中山治美

映画『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)の大ヒット効果で、世界中で、ロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリーゆかりの地(=聖地)を巡礼するファンが後を絶たないという。親日家のフレディが、最後の来日となった1986年にお忍びで訪問した栃木県足利市の「栗田美術館」もその一つ。個人の蒐集からはじまった世界最大規模の陶磁器専門美術館は、その懐の深さで、日本映画界にも多大なる協力を注いでくれています。

1986年の来館時、創立者の栗田英男さん(左端)らと記念撮影に収まるフレディ・マーキュリー(写真提供:栗田美術館)

世界のセレブに知られた美術館

栗田美術館を訪れると、3万坪と言われる広大な敷地に圧倒されるでしょう。自然に囲まれ、手入れの行き届いた園内を散策しながら展示館を巡ると、出迎えてくれるのは創立者・栗田英男氏が魅せられた伊萬里と鍋島の陶磁器たち。

手入れの行き届いた園内(撮影:中山治美)

特に輸出用に製造された、豪華絢爛なデザインの陶磁器は必見で、日本の古美術好きのフレディが思わず「これ、買いたい」とおねだりしたというエピソードも頷けます。

左/歴史館に展示されている伊萬里の大壺。鮮やかなデザインに圧倒される 右/栗田美術館への入場は、こちらの大手門からどうぞ(撮影:中山治美)

さらに館内には、映画『クレオパトラ』(1963)などで知られる大女優エリザベス・テイラーが1988年に来館した際の写真も展示されています。当時、エイズ研究財団会長でもあったリズは、日本でのエイズ撲滅キャンペーンのために来日し、足利まで足を伸ばしたようです。こんなに世界のセレブに知られた美術館だったとは正直存じ上げなかった。猛省。

エリザベス・テイラーは1988年に来館。左が創立者の栗田英男氏(撮影:中山治美)

ニノの映画も!? 日本映画界を支えるロケ地として

もっとも地元の方に栗田美術館について尋ねると、「『バンクーバーの朝日』(2014)のオープンセットが足利市寺岡町に建てられた時はエキストラの集合場所だったんだよ」とか、「ニノ(二宮和也)の『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』(2017)の時には、駐車場にセットが組まれてね」と日本映画の撮影秘話がどんどん出てきます。調べると、スクリーンでは見えないところで栗田美術館が協力していることが分かりました。

駐車場に建てられた『ラストレシピ~麒麟の舌の記憶~』のオープンセット(写真提供:足利市映像のまち推進課)

その最たる作品が、阪本順治監督『団地』(2016)です。同作は大阪近郊の団地が舞台でしたが、実際に外観の撮影が行われたのは足利市の市営錦町団地。そして室内シーンの撮影は、栗田美術館の多目的ホール「世界陶磁館」内にセットを組んで行われました。スタジオ代わりに使用したのですね。大空間を持つ世界陶磁館は、『バンクーバーの朝日』の時には俳優陣の待機場所にも使用されたそうです。

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