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凸凹コンビのスパイアクションに刮目! 7月の「誰かに教えたくなるシネマ」

キネマ旬報WEB

 

毎月リリースされる未公開、単館系作品の中から、「観たら必ず誰かに教えたくなる」作品を厳選してご紹介。劇場で見逃した作品や隠れた名作が多く並ぶレンタル店だからこそ出会える良作、小規模公開でありながら傑作といった、様々な掘り出し映画との出会いを映画専門家レビューと共に提供します!

 

凸凹最強バディが大暴れ!

映画『マイ・スパイ

アット エンタテインメントより6月19日リリース

(C) 2019 STX FINANCING, LLC ALL RIGHTS RESERVED

映画『マイ・スパイあらすじ

CIAエージェントのJJはある作戦の無謀な行動が問題になり、経験の浅い同僚と地味な監視任務につくことに。しかし監視対象の9歳の娘に見破られ、内緒にする代わりに彼女から様々な無理難題を頼まれることになる。

 

映画『マイ・スパイ』映画専門家レビュー

隠密行動が苦手で、何かと腕にものを言わせる武闘派エージェントのJJと、監視対象の9歳の娘で、友達付き合いに悩むソフィの、見た目も性格も凸凹なふたりのバディ感が一番の見どころ。対照的な少女を配したことで、いかついデイヴ・バウティスタが可愛く見えるキャスティングの妙。お互いを補完し合う関係がそれぞれの問題を解きほぐしながら、アクションもしっかりキメる。だいぶズレてる同僚や、普通にしてるのに何故か笑える上司など、周りを固めるキャラも立った、鉄板のバディアクションです。

 

無敵のドニーが悪ガキを導く!

映画『スーパーティーチャー 熱血格闘

バップより6月24日リリース

(C)2018 MEGA-VISION PROJECT WORKSHOP LIMITED. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『スーパーティーチャー 熱血格闘』あらすじ

学園の問題児が集まるクラスの担任になった、アメリカ帰りの新任教師のチャン。中でも特に問題を起こす5人に対し、チャンは自らの経験と腕っぷし、そして真剣な想いで向き合い、次第に彼らの問題を解決していくが……。

 

映画『スーパーティーチャー 熱血格闘』映画専門家レビュー

雲ひとつない空のような明るさと包容力で、問題児たちに向き合うドニー・イェンの教師像に感激、感涙。嫌みのないスマートかつ実利のある生徒たちへの指導に、真剣にこんな教師がいてくれたらと思う。しかも中盤までアクション控えめ。なのに面白く、泣かせるという憎い演出。満を持してのアクションは激しく、スカッと爽快。悪い奴らをことごとく成敗する。頼りがいもあり、頭も切れ、しかも無敵の強さ。56歳ってマジ!? と思う奇跡の存在、ドニー兄貴の新たな当たり役と言っても過言ではありません!

 

命懸けの帰省、運命の再会

映画『プライス 戦慄の報酬

ハーク/ミッドシップより6月24日リリース

(C)Firefly Films

 映画『プライス 戦慄の報酬』あらすじ

都会でアーティストとして活躍していたノーヴァルのもとに、5歳の時から疎遠になっていた父親からの手紙が届く。期待を膨らませ、父の暮らす海辺の家へと向かったが、再会した父は横暴で言動も不可解な男だった……。

 

映画『プライス 戦慄の報酬』映画専門家レビュー

父さん、あなたは誰ですか? のコピーがよく似合う、理解しようとしてもことごとく妨げられる、なんか変な道に迷っちゃった! なカテゴライズ不可能な珍品。 宇宙人アコム君そっくりなヘアカットのイライジャ・ウッド(首元のタトゥーにもご注目)が、支離滅裂な父に振り回され、窮地にハマっていく様がお気の毒すぎて病みつきに。中盤、おぞましい展開を迎えると、またまた異次元で始まる暴力の第2章には目を覆いたくなるが、「60年代のUFOみたい」と息子が褒める親父の家は抜群にセンスが良い。

 

 

笑って泣けるメタル・ムービー

映画ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!

キングレコードより7月1日リリース

(C)Making Movies, Filmcamp, Umed ia, Mutant Koala Pictures 2018

映画『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』あらすじ

幼馴染みとメタル・バンドを組む青年トゥロ。ひょんなことから名曲が完成、さらにノルウェーのメタル・フェス主催者と遭遇して舞い上がるトゥロとメンバーだったが、思わぬ出来事が続いてメタルへの情熱を失くしてしまう。

 

映画『ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!』映画専門家レビュー

フィンランドの田舎に暮らすヘビメタ・バンドが、フェス参加を目指して隣国ノルウェーへ。田舎でメタルを極めても浮くだけという主人公たちの切なさ漂うおかしみにクスッとさせられていたのも束の間、同じ夢を追っていたメンバーの死、彼の想いを叶える目的もはらんだフェス参加、波乱万丈の国境越えと、意外にも熱いノリへ突入。それでいて、しっかり笑いどころを外さないあたりには唸ってしまいます。北欧=ホンワカみたいなイメージを覆す、メタル好きもそうでない者も泣き笑い必至の快作です!

 

観始めたら止まらない怒涛作!

映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー

ギャガより7月3日リリース

(C)(2019) TRÉSOR FILMS ‒ FRANCE 2 CINÉMA – MARS FILMS- WILD BUNCH ‒ LES PRODUCTIONS DU TRÉSOR – ARTÉMIS PRODUCTIONS

映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』あらすじ

ベストセラー3部作の完結編を全世界一斉発売すべく、各国版翻訳者9人が密室で翻訳することに。原稿の持ち出しが不可能な徹底した警備システムの中で翻訳が進むが、出版社の社長に原稿流出の脅迫メールが届く。

 

映画『9人の翻訳家 囚われたベストセラー』映画専門家レビュー

ヒット小説シリーズの最新刊原稿が翻訳中に流出! 犯人は? その目的は? 各国版翻訳者が幽閉状態で作業する密室が主な舞台ゆえに密室劇かと思いきや、時制も空間も目まぐるしく動き回るまさかの展開。翻訳者たちはクセありワケあり、彼らが乗り回すスケボーやハメている腕ギブスといった“小道具”もいわくありげで、目は皿状態の心臓はバクバク。そして明かされる原稿流出テクニックと犯人の正体は、絶対予測不可能で呆然とするのみ。文学が商業主義に迎合していいのかという秘めたテーマも響く!

 

幼き日の忘れかけた小宇宙

映画『幸福路のチー

竹書房、フロンティアワークス/竹書房より7月3日リリース

(C) Happiness Road Productions Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

映画『幸福路のチー』あらすじ

アメリカで暮らすチーのもとに台湾の祖母が亡くなったと連絡が届く。久しぶりに帰ってきたチーは、すっかり姿を変えた自身の故郷・台北郊外の幸福路に迎え入れられ、旧友との再会を通して幼き日の記憶を辿り始める。

 

映画『幸福路のチー』映画専門家レビュー

30歳。貴方がこの年齢を過ぎる頃にぜひ観て欲しい1作。そしてこれは後世に残るアニメ作品だ。幼き日、祖母のやや常人離れしたポジティブさに助けられた少女の心情や、何故か見てはいけないと感じて目を背けた人々の脆さや心の傷までもが、台湾の現代史を背景に滲ませながら普遍的な物語として描かれている。『ガッチャマン』を子供たちが口ずさんだ時代を空想的な情景で魅せる、宝物のような幼き日の小宇宙。「何を信じるかで、自分の人生は決まる。」祖母の言葉が、私たちの背中を押してくれる。

 

■前回の誰シネはこちらから

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