大根仁監督、奥田民生の魅力について「力は抜くけど手は抜かない印象」
大根仁監督、奥田民生の魅力について「力は抜くけど手は抜かない印象」
『モテキ』『バクマン。』などで知られる大根仁監督が、渋谷直角の同名漫画を映画化した『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』(公開中)。
ミュージシャン・奥田民生の生き方に憧れる33歳の雑誌編集者・コーロキ(妻夫木聡)と、アパレルブランドの美人プレス・天海あかり(水原希子)の恋愛を描いている。
今回は、本作について大根監督に話を聞いた。
本作の見どころの一つは、コーロキが、あかり中心の生活・考え方になり、彼女に振り回されていく姿だ。少しでも彼女とLINEの連絡がつかないと、気が気でなくなり何度も返信を催促してしまったり、自分の好きなものや価値観を共有してもらおうと必死になったり、誰もが我が身を振り返り「こういうこと、あったかも」と頷いてしまう痛くて生々しいエピソードが次々と出てくる。

「(ファッション雑誌)POPYEの連載で、あかりと同じようなプレスの女性とデートをする企画(「シティおじさん大根仁が行く!東京タイアップデート」)をやっているのですが、そのときに彼女たちの恋愛事情などを聞き出したり、疑似恋愛をしている気持ちになったりして。だけど僕はもう、年齢も年齢なので今回の映画のような恋愛はもうしないですよ。今の僕が、コーロキと同化して映画を作っているとなると、それは相当やばいヤツですから(笑)。ただ、こういったタイプの恋愛映画を作ると、いつも『きっと、監督も同じような経験をされてきたんですよね』と尋ねられるんですが、それは違います。コーロキのようなことは多少あったかもしれないけど、必ずしも経験談ではない。この状況になったら、今の若い男女はどうなるか?例えばLINEでどういうやりとりをするかとか、そういったことは僕も想像して物語を作ることができるんですよ(笑)」

恋愛にどんどん流されていってしまう、コーロキ。あかりとの大切な約束があるのに、仕事がなかなか終わらず動揺する姿は、観ているこちらも「大丈夫かな、あかりに嫌われないかな!?」とソワソワさせられる。でも、コーロキが本当になりたいのは、「何があっても動じない」という、奥田民生のようなスタイル。劇中でコーロキが語る奥田民生論や、ふんだんに使用されている楽曲群、そして歌詞を聴いていると、自分のやり方を貫く奥田民生の魅力が伝わってくる。

「僕の中での奥田民生さんは、力は抜くけど手は抜かないという印象。当人はもちろんちゃんと力を入れているのでしょうが、端から見るとそうは映らない。自分の作品に対して、力を入れているところを過度にアピールもしないですし。それは、取材に至るまで一貫していますよね。僕も今回の映画に取り組むにあたっては、そういった奥田民生的なスタンスはあえて意識している部分はあります」

ちなみに大根監督には、「こういう人になりたい」という憧れの人物がいるのだろうか。

「以前はいろんな人に憧れていたけど、結局はなれないですし、また、『なれない』と気付いた瞬間に大人になれたというか。あえてあげるとしたら、今のウディ・アレン監督のようになりたいかなあ。現在のウディ・アレンは1年1本くらい、旬の女優を起用して映画を撮っていますよね。ずっとそれをやり続けているのは羨ましいと思いますけど、でも結局はなれないです」

映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』は全国東宝系にて公開中

(更新日:2017年10月3日)

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