解説
過去の記憶がない戦闘機乗りの函南優一は、新たに着任した基地で上官となる女性・草薙水素に出会う。2人はやがて惹かれていくが……。「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」「イノセンス」の押井守が、菊地凛子、加瀬亮ら実力派俳優を声優に起用し、森博嗣の同名小説を映画化した長編アニメ。思春期の姿のまま永遠に生きる“キルドレ”と呼ばれる青年たちが、大人たちによって作られた“ショーとしての戦争”を戦う姿を通し、生きることの意味を問う。
(提供元:映画.com)
アニメなら何でも見るさん ★★★★★
「攻殻機動隊」や「イノセンス」でお馴染みの巨匠・押井守による映画化作。森博嗣による原作よりも映像があるせいか爽やかで、しかしやはり儚い雰囲気が魅力的でした。国家同士ではなく、会社間での戦争が当たり前の世界で、キルドレという歳をとることのない永遠の子供がパイロットとして活躍する。最初は少しわかりづらいのですが、だんだんその世の中の残酷さがわかってくる。大人がキルドレの活躍により平和を喜び、賛美する様になんとも言えない気持ちになりました。そんな中で、主人公のユーイチが「明日死ぬかもしれないのだったら、大人になる必要があるのでしょうか」とサラッと吐いた言葉は印象的でした。子供だけど子供じゃない。タバコも酒も、人殺しもする。そんな彼らが戦闘機に乗っている以外の時間の描き方が、少し虚しさを感じさせます。娼婦を抱いたり、遊具に乗って遊んだり。「それは子供が乗るものだ」と言われると、「だって俺子供だもん」と答えたり。この世界では彼らは大人になれない存在ですが、自ら“大人にならない”と主張する点が、やはり現代の若者のメタファーなんだなと感じました。それでも戦闘機が空を飛ぶ様子は美しい。押井守の手腕を感じさせる、切ないアニメ映画です。
Amazon、Amazon.co.jp、およびそれらのロゴはAmazon.com, Inc. またはその関連会社の商標です。