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PGAが米主要スポーツ最初の再開。トップ5が勢揃い、松山英樹も渡米。

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松山英樹もツアー再開に備えてすでに渡米している。状況を見極めて、万全を期して復帰してくるはずだ。 (photograph by AFLO)

 3月半ばから休止状態に陥っていた米ツアーが今週のチャールズ・シュワッブ・チャレンジ(6月11日~14日)から、ほぼ3カ月ぶりに再開されようとしている。

 永遠の王者タイガー・ウッズの姿こそ無いが、米ゴルフ界のもう1人のスーパースターであるフィル・ミケルソンは試合会場となるコロニアルCC(米テキサス州フォートワース)へ意気揚々とやって来る。

 世界ナンバー1のローリー・マキロイをはじめとするトップ5全員が顔を揃える。すでに注目のペアリングも発表されており、ゴルフファンは初日のTV中継を待ちわびている。

 凍結されていた世界ランキングも今週の再開初戦後から動き始める。世界の他ツアーが再開されない中、「米ツアーのみの結果によって世界ランキングが動き出すのは、いかがなものか?」という声もある。

 だが、ゴルフ界には「米ツアーが動けば、世界が動く」という図式が出来上がっているようで、たとえ賛否両論があっても、米ツアーの動きは世界の動きになっていくのだろう。

主要スポーツで「最初」である重要性。

「コロナ禍の米国の主要なスポーツで、まず最初に再開するのは、我がツアーである」

 米ツアーを率いるジェイ・モナハン会長は「最初」「first(ファースト)」に強いこだわりを見せる。それは、自分たちが世界のゴルフ界を牽引するリーダーであるという自覚とプライドの表れである。

 とはいえ、暴走してはならないという意識は当然ながら持ち合わせ、細心の注意を払いながら再開に挑もうとしている。

「これは、ルールを守りながら行う新たなチャレンジだ」

 その通り、アフター・コロナの新しいチャレンジが、間もなく始まろうとしている。

チャーター機はあるが乗れるのは先着順。

 言うまでもなく、最大の「チャレンジ」は、新型コロナウイルス感染拡大を防止するための対策である。

 米ツアーは選手やキャディの試合から試合への移動用に170人乗りのチャーター機を用意し、現地ホテルも借り上げて準備を整えている。しかし、ソーシャル・ディスタンスを維持するために座席間を空けるとなると、搭乗可能な席数は、わずか114席になる。

 選手は600ドルを支払えば、先着順で乗れる。

 だが、乗れなかった選手らは自身でプライベートジェットや一般航空会社の便を利用するしかなく、専用ホテル以外に宿泊するケースも含めると、感染リスクをどこまで抑えられるのか、まだまだ問題は山積している。

メディアの人数も通常の4分の1。

 選手やキャディは現地への出発前に検温などを行なって健康状態をセルフチェックすることが求められ、現地到着後は専用ホテルでPCR検査を受ける。

 陽性となれば、当然ながら試合出場はできず、隔離される。検査結果が出るまでの間、練習場使用や練習ラウンドは許可されるが、クラブハウス内の施設は使用不可。そして、コース入りの際は毎日、検温と問診が行なわれる。

 握手やハグ、ハイファイブはすべてNGとなり、なんどきもソーシャル・ディスタンスを保つことが求められる。選手とキャディの間のクラブの手渡しも禁止となるため、これからは二人三脚の「呼吸」も新たな課題になりそうだ。

 ついでにお伝えすると、試合会場へ入場できるメディアの人数は通常の4分の1ほどに抑えられ、その代わり、米ツアーは「バーチャル・メディアセンター」を用意して、画像やコメントを即座に提供するという新しい施策を打ち出している。

松山英樹は渡米しているが初戦は不出場。

 選手たちの反応はというと、マキロイをはじめとする大半の選手は「再開を心待ちにしていた」「決まりに従いながら、いいプレーを見せていきたい」と、ツアー再開を喜び、意気込んでいる。

 だが、選手中にも賛否両論がある。とりわけ米国以外に身を置いている選手は、外国人ゆえのハードルを「高い」と感じ、より慎重に、よりシリアスにモノゴトを眺めている。

 英国人の若手新鋭トミー・フリートウッドは「今は渡米して米ツアーで戦うことなど考えられない」。同じく英国人で大ベテランのリー・ウエストウッドは「米国入国時に14日間隔離され、試合後、英国帰国時にまた14日間隔離されるのなら、米ツアーに出る価値はない」と言い切り、どちらも米ツアーには当面は出場しない意向を示している。

 オーストラリア人でマスターズ覇者のアダム・スコットは「感染防止策が本当に万全なのかどうか、きちんと行われるのかどうかの保証はない」と首を傾げ、やはり当面は米ツアーを欠場するという。

 日本の松山英樹は、すでに渡米しているが、再開初戦は出場せず、様子を見るつもりだそうだ。

中止になった大会の代わりを即座に創設。

 大会を支える関係者の間でも「OK」と「NG」の双方が渦巻き、混沌としている。

 今週のチャールズ・シュワッブ・チャレンジを含めた4試合は無観客で開催され、7月9日からの5試合目になるはずだったジョンディア・クラシックは、観客を入れるかどうかが検討されていたのだが、同大会は「感染防止上、観客を入れての開催は困難」と判断。

 しかし「観客を入れないのなら、収益が出ず、地元への還元ができないので、試合を開催する意味はない」として、今年が創設50周年だったにもかかわらず、中止を決めた。

 すると、米ツアーは即座にジョンディア・クラシックの代わりとなる新大会創設に動き出し、翌週のメモリアル・トーナメントの会場であるミュアフィールド・ビレッジで新大会を無観客で開催することを決めた。

 その早業には驚かされたが、米ツアーには、単に空いた週を埋めるという以上に、さまざまな思惑がある。メモリアル・トーナメントを観客を入れる形で開催しようとしている米ツアーは、前週に同じ場所で開催する新大会を「絶好のテストラン(予行演習)になる」と考えている。

「そもそもギャラリーは来るのか?」

 メモリアル・トーナメントではギャラリー・バッジにRFID(無線ID)なるものを付け、人々の動線を常にモニターで監視。密集ができていたら、係員が飛んで行って「離れてください」と指導する作戦だ。

 さらには、コース内の人数が常に8000人以内になるようコントロールするそうだが、「そんなことが本当にできるのか?」と疑問視する声もある。

 そして、「そもそもギャラリーは来るのか?」という疑問も、もちろんある。40度近い猛暑の中、検温や問診を受け、コース内では終始マスクを着用。仲間とじゃれていたら「離れなさい」と警告を受け、選手とは握手もハイファイブもできず、サインももらえない。

 18番グリーン際の丘に座るときも、離れ離れに座って静かに応援するというのでは、盛り上がりに欠けるのではないか。

誰かが先頭を走らなければいけない。

 それでも観客は来るのだろうかと首を傾げたくなるのも無理はない。だが、それでも見たいと思うファンは、きっといるだろうし、それでも見たいと思わせるようなプレーを選手たちには是非とも見せてほしい。米ツアーには、より安全で魅力的な試合作りに、さらに挑んでもらいたい。

 それが「それぞれができること」である。コロナ禍でできてしまった休止の壁というものを、誰かがどこかで打破しなければ、誰も前へ進めない。

「まず最初に再開するのは、我がツアーだ」

 米ツアーのモナハン会長は、その壁を打破することに、何より胸を張っている。

text by 舩越園子
「ゴルフPRESS」

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