初めての失恋
父親の会社が経営危機に陥り、その打開策としての縁談を打診された島谷純一郎(竹内涼真)は、ひとり苦悩していた。卒論を書き上げ、卒業も間近になったころ、みね子を呼び出した。縁談話を知っていた谷田部みね子(有村架純)はとうとう別れ話を告げられるのかと、覚悟した。
BAR月時計のカウンターで島谷は切り出した。縁談は断り、実家と縁を切る。みね子はびっくりして声も出ない。島谷は続ける。何も持たない人間になってしまう。大学もたぶん辞めることになる。貧乏になるけど、働けば問題ない。吹っ切れたのか、表情は思いのほか明るい。
17週のサブタイトルは「運命の人」。そうか、ふたりで突き進んでいくのか。と思っていたのに。みね子は島谷を、子どもだねと言って突き放した。確かに、問題の解決を単純な2択にしてしまうのは、若さゆえのこと。恵まれた環境を捨てるという選択肢は、みね子に心理的に過分な負担を与えることになるが、島谷はそのことに気づかない。
沈黙がその場を支配した。しびれを切らすように、島谷が席を立った。素敵な人を好きになれたと言って。
みね子、テレビ出演を依頼される
「運命の人」は誰を指すのだろう。島谷ではなかった。奥茨城に嫁に行った朝倉高子(佐藤仁美)と角谷太郎(尾上寛之)のことか。それとも、すずふり亭に来てみね子に声をかけた大スター川本世津子(菅野美穂)のことか。
島谷はあかね荘を後にした。縁談を受け入れたのか、彼が選んだ道は不明だ。彼の後釜にあかね荘に入ったのは、なんと永井愛子さん(和久井映見)!! 相変わらずのマイペースっぷりで、周囲を笑顔にしていく。
高子がいなくなったすずふり亭では、みね子がホール業務を笑顔でさばいていた。それを見て、テーブルにいた客が立ち上がり、思いつめた表情でテレビ出演を依頼してきた。彼はテレビ局のプロデューサーで、予定していた女優が急遽キャンセルになり困っているとのことだった。困惑するみね子だったが、すずふり亭の同僚たちはにやにやするばかり。とうとう押し切られてしまった。
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「お父さん、ありがとう」
みね子が出演するのは、味噌のコマーシャル。ドラマ同様、ひとつのスタジオで生収録される。彼女のセリフは「お父さん、ありがとう」という一言だけだったが、リハーサルでは緊張のあまりうまく言えない。偶然スタジオに居合わせた世津子がみね子に声をかけ、緊張をほぐそうとする。やはり、彼女が運命の人か。とすると、みね子はこの後女優の道に進むとか!? そうなると「あまちゃん」になっちゃうか。
みね子のテレビデビューはほろ苦いものになった。本番でも笑顔になれず、こわばった表情のままセリフを棒読みした。世津子はみね子をねぎらった。みね子は緊張が解けたのか、饒舌になった。世津子から父親のことを思い浮かべてセリフをいいなさいとアドバイスされたが、その父親が実は失踪中で胸がいっぱいになってしまったと説明した。今度は世津子の表情がこわばった。そういえば、彼女が初めてすずふり亭に来た時、みね子と時子の奥茨城弁に反応していた。
後日、思いつめた表情の世津子が、みね子のアパートを訪れた。運命の人は、やはり彼女だったのか。次週まさかの展開。
NHK総合で毎週月曜〜土曜の午前8時から放送
NHK連続テレビ小説「ひよっこ」は、NHK総合で毎週月曜〜土曜の午前8時から放送。
公式サイト(http://www.nhk.or.jp/hiyokko/)
⇒ドラマ「ひよっこ」作品ページへ
http://music-book.jp/video/nod/title/230K08
2017年8月3日