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思った以上にとけている。NASAがニューヨークに氷塊を置き、南極とグリーンランドで解けた氷の量を可視化

カラパイア

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image credit:nasaclimatechange/Instagram

 地球は確実に気候変動の状態にある。2020年の1月は過去141年間で最も暑い1月だった。2月に入ると、南極で観測史上最高気温を記録した。

 地球温暖化は、特に深刻な影響を南極大陸とグリーンランドに与えているようだ。今回、NASAは衛星を使ってこれまで観測した氷の損失を、ニューヨークに氷塊を置いて可視化し映像を公開した。

Mind-boggling NASA visuals put ice sheet loss into perspective

加速する地球上最大の氷塊の溶け込みを可視化


 2002年~2017年の間、NASAは人工衛星“GRACE”を使ってどのぐらいの氷が海に溶け込んでいるのかを調査したところ、5641ギガトンにのぼる氷の損失を観測したという。

 ちなみに、1ギガトンは10億トンに相当。1トンは1000kgであることから、相当な量の氷であることが想像できるだろう。

 NASAは、1ギガトンの氷の量がニューヨークをどのぐらい覆ってしまうのかという可視化した映像をSNSでシェア。

 高さ、7.9メートルの氷のシートはテキサス州を覆いつくすのに十分であることもNASAは述べている。

 Instagramの映像では、東京ドーム約73個分にあたる843エーカーの広さを持つニューヨークのセントラルパークが、一面氷で覆われていることがわかる。

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 しかも、その高さは341メートルにも達しており、かつて世界で最も高いビルと言われたマンハッタンの象徴的なクライスラービル(320メートル)よりも高い。


1901年以降49000ギガトンの氷が損失


 NASAは、南極大陸とグリーンランドが合わせて毎年283ギガトンの氷を損失しており、1901年以降は49000ギガトンもの氷が海に溶けたと推定している。

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 NASAの調査によると、南極大陸は1980年代の6倍の氷を失っており、グリーンランドにおいては1990年代以降氷の融解速度は7倍に加速しているという。

 歴史的に前例のないこれらの事態は、大気中の二酸化炭素濃度が急激に上昇し続けることによって、容赦なく加熱する地球の温暖化が原因だ。

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氷の融解が進み海面も上昇


 テキサス州の2.5倍の大きさの氷床があるグリーンランドでは、温暖化によってその大部分が融解している。

 一方、南極では氷棚として知られている海に浮かぶ氷河の端が、温かくなっている海水に食い尽くされている。

 南極大陸に位置する地球上で最大の氷河の1つとされる強力な「スウェイツ氷河」は、温かい海水による驚異的な速度で氷棚が融解されており、今後数十年でこの氷河は取り返しのつかないレベルまで溶けてしまうことが予想されている。

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 ペンシルベニア州立大学の氷河学教授は、次のように述べている。

スウェイツ氷河は、今後数十年で大量の水を潰瘍に放出すると予測されています。

今世紀において、スウェイツ氷河だけで60センチ以上の海面上昇が引き起こされることになる可能性があります。

 問題は、既に多くのギガトンの氷が海に溶けているという事実だ。

 世界の海面は1901年から約20センチ上昇している。これは、温度の上昇により氷と水の膨張が組み合わさったためとされている。

 NASAによると正確な測定値はないが、これは氷の融解が現在までに海面上昇の3分の2を引き起こしたことを示しているということだ。

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 これまでに損失した氷は高さにするとおよそ7メートルにもなり、それら氷床はアメリカ全体を覆ってしまうのに十分のようだ。

 専門家らは、「社会が今後10年およびそれ以降にどれだけ二酸化炭素排出を抑制し、潜在的に温暖化気候を安定させるかが大いに注目されるところだ」と述べている。

References:climate.nasa.govなど / written by Scarlet / edited by parumo

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