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野生に戻された世界で唯一の白いアルビノ・オランウータン。その後、元気に暮らしている姿がとらえられる

カラパイア

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image credit:Associated Press Photo/Palm Oil Investigations Facebook

 遺伝子の疾患により、先天的にメラニンが欠乏するアルビノは、人間を含む様々な種に存在する。

 動物の場合、色が白くなるのが特徴で、目立つことから捕獲されやすかったり、紫外線に弱い為、野生で生き残るのは難しいとされている。

 2017年、インドネシアのカリマンタン島で、世界で唯一とされる白いアルビノのオランウータンが村人にペットとして飼われていたことがオランウータン保護財団のスタッフによって発見された。

 発見当初、オランウータンはケージの中に閉じ込められ、飢えた状態であまりよい扱いをうけていなかったそうだ。

 その後リハビリ期間を経てオランウータンは野生へと返された。そして最近、森の中で元気そうに暮らしている姿が捉えられたようだ。

Will World’s 1st Albino Orangutan Be Accepted By the Others? | Orangutan Jungle School

2017年に救助・保護されたアルビノオランウータンのアルバ


 白い体毛に青い目を持つアルビノのメスのオランウータンが、インドネシアのカリマンタン島タンギラン村でボルネオのオランウータン保護財団『Borneo Orangutan Survival Foundation』スタッフによって発見された。

 このオランウータンは村人にペットとして飼われていたという。

 しかし、その状況は劣悪だったようだ。ラテン語で“白”を意味するオランウータンのアルバは、捕獲時に母親から無理やり引き離されたことが推測された。

 また、ケージに飢えた状態で入れられており、アルバは脱水症状に陥っていた。更に体は多くの寄生虫で覆われ、かなり痩せ細っていたという。

 保護財団スタッフらは、そんなアルバを救助・保護したが、アルビノに関連した健康上の問題もあり、すぐに野生へと戻すことは不可能だった。

 そこで、2018年6月にアルバをカリマンタンの人工リハビリセンター「森の島」へ移動させ、健康の回復を待ちながら他の3匹のオランウータンと一緒に生活させた。



リハビリを受けた後、野生に帰ったアルバ


 その後アルバは、スタッフによる24時間の監視を受けながら徐々に元気を取り戻した。



 アルバの健康が回復し、生存のために不可欠な行動を学んだと判断した天然資源保護庁のスタッフは、アルバを野生に戻すことを決心。アルバは、2018年12月にボルネオの国立公園『Bukit Baka Bukit Raya National Park』へ解放された。

 アルバには引き続き、保護スタッフによる電子タグが装着され、定期的に医療チームによりモニタリングが行われていた。



1年以上経ち、アルバの元気な姿が森で発見される


 アルバが森へと帰って1年以上経った数週間前、保護スタッフが他の3匹のオランウータンのモニタリングを行っていた時、木の上で食べ物を探しているアルバを発見した。



 アルビノ種は視力、聴力の問題が発生しやすく、後年には皮膚がんになるリスクも高い。

 それだけではなく、アルビノのアルバは「珍しいペット」として売りさばけるため標的にする密猟者が後を絶たず、本当の脅威は依然として存在している。

 また、過去数十年にわたり、伐採やパーム油の大量採取、採掘のための森林破壊が原因で、生息地が大幅に縮小している他、プランテーション労働者や一部の村人たちはオランウータンを害獣とみなしており、攻撃されるという事態も頻繁に起こっている。 

 そのような状況の中でも、アルバ(推定年齢6歳)が森の中で自ら巣を作って餌を取り、人間の援助に依存することなく元気に森で暮らしている姿を見ることができたスタッフは、ホッと胸をなでおろしたようだ。

References:Daily Mailなど / written by Scarlet / edited by parumo

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