NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」で、ザ・ビートルズをこよなく愛する、おかっぱ頭の“変なおじさん”小祝宗男役を演じている峯田和伸。ロックバンド「銀杏BOYZ」のメンバーとして活動を続けるかたわら、役者としても数々のドラマや映画に出演している峯田が、撮影エピソードをはじめ、宗男同様のビートルズ愛、役者への向き合い方などを語った。

-朝ドラ初出演ですが、率直な感想は?
親にすぐ電話をしたけど、「うそばっかり言っているんじゃない!」と言われました(笑)。去年の今ごろは脚本の岡田(惠和)さんとドラマ「奇跡の人」の撮影をしていましたが、その時にこの話は出なかったので、オファーをもらった時は本当にびっくりしたけどうれしかったです。
-有村架純演じるヒロイン・谷田部みね子の叔父で、ナレーションでも“変なおじさん”と呼ばれるユニークなキャラクターですが、岡田さんから演じ方のリクエストなどは受けましたか。「ビートルズ好きのちょっと変わった役なんだけど、面白い感じでやってもらえませんか?」と言われました。でも、ただ面白いわけではなく、若いころの戦争体験を通して、「俺はこうやって生きるんだ!」と決めた男の覚悟があるんですよね。そこにやりがいを感じました。
-どのような役づくりをされましたか。僕は、プロの役者ではないと十分自覚しているし、自分の限界は知っているので、できる役をやるだけです。だから、これといった役づくりはしていません。自然に役に入れればいいと思うし、岡田さんもそういうことを求めているのかなと思っています。ただ、宗男と僕のじいちゃんは同世代だし、じいちゃんもバイクに乗って、ギターが好きで、すごく明るかったから、「じいちゃんをモデルにやろう!」というのはありました。それで、じいちゃんの若いころの写真を見て、「こんな感じだったかな?」「こんなこと言っていたな…」と思い出したり、自分がまだ生まれていない時代の空気を想像したりしながらやっています。