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インテルはルカクの持ち腐れ。不調ナポリに痛恨の敗戦、攻撃の形を最後まで作れず

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インテルはルカクの持ち腐れ。不調ナポリに痛恨の敗戦、攻撃の形を最後まで作れず

静かな立ち上がり

コッパ・イタリア(イタリア杯)準決勝1stレグ、インテル対ナポリが現地時間12日に行われ、0-1でナポリが先勝した。インテルは、191cm94kgの巨体を持つロメル・ルカクを活かせず、無得点のままホームで行われた1stレグを落とした。(文:加藤健一)
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 鮮やかな逆転勝利で幕を閉じた9日のミラノ・ダービーから中2日、インテルはジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)にナポリを迎え入れた。アレクシス・サンチェス、アシュリー・ヤングらはベンチスタートとなり、ロメル・ルカクと出場停止によりリーグ戦2試合を欠場していたラウタロ・マルティネスが2トップを組んだ。

 対するナポリは、23節が終了したセリエAでミランに次ぐ11位に沈んでいる。昨年12月に就任したジェンナーロ・ガットゥーゾ監督の下でも調子は上がらず、年明けのリーグ戦は2勝4敗と黒星が先行している。2-3で敗れた直近のレッチェ戦から5人を入れ替え、準々決勝で決勝ゴールをあげたロレンツォ・インシーニェらはベンチスタートとなった。

 4-1-4-1でこの試合に臨んだナポリは、自陣から積極的につないでいった。これをインテルは3-5-2の布陣で、2トップの2枚のインサイドハーフが制御する。ボールをつなぐことに精一杯のナポリは前に進めない。苦し紛れの縦へのパスは、容易に相手に渡った。

 インテルも3バックがボールを持つが、ナポリの両サイドハーフがウイングバックへのパスコースを消しながら、両側のセンターバックをけん制する。中央のステファン・デフライにはセンターフォワードのドリース・メルテンスがブロゾビッチへのパスコースを消しながらアプローチして蓋をする。相手の6人を前線の3人で守る形で、中盤にはナポリの数的優位が生まれる。こちらも効果的な崩しを見せることは少なかった。

 試合は静かな立ち上がりとなった。お互いに守備のプライオリティが高く、ハイプレスとリトリートしてのブロック形成という2つの局面で、相手とのかみ合わせがはまった形となった。

ハーフタイムに動いたインテル

 ナポリはロングカウンターを何度か発動したが、相手の帰陣も速い。サイドからクロスを上げても、ボックス内には相手が6枚いる。ドリース・メルテンスの1トップでは、空中戦ではさすがに分が悪かった。

 それでもナポリは前半終了間際に決定機を作っている。17本のパスをつないで相手の守備を崩すと、敵陣で3対2の状況が生まれた。中央でボールを受けたメルテンスは右サイドへスルーパスを送る。これを受けたピオトル・ジエリンスキはダイレクトで右足を振り抜くが、シュートはGKダニエレ・パデッリに阻まれた。

 ボールを保持する時間が長かったインテルも、前半のシュートは4本だけだった。前線はなかなかボールが入らず、ミラノ・ダービーでもゴールを決めたルカクは最初の45分でシュートを放つことができなかった。

 このあたりのチグハグさは、アントニオ・コンテ監督も承知していたようだった。インテルは後半開始と同時に、右センターバックのミラン・シュクリニアルを下げ、ウイングバックもこなせるダニーロ・ダンブロージオを入れた。

 3バックの両サイドは、相手の両サイドハーフがプレスをかけずにウイングバックとの中間ポジションをとっていたため、前半からボールを持てていた。後半はアンカーのブロゾビッチがDFラインに落ち、ダンブロージオとアレッサンドロ・バストーニがワイドに開いて疑似的に4バックと化す。アタッキングサードに侵入する回数は、前半に比べれば増えた。

ルカクを活かせなかったインテル

 しかし、先制したのはナポリだった。ロングカウンターで敵陣へと侵入。相手の帰陣も速く、フィニッシュには持ち込めかったが、ボールをつないでファビアン・ルイスが右のハーフスペースで受けた。上がっていた右サイドバックのジョバンニ・ディ・ロレンツォとのパス交換から中央へとボールを運んだルイスは、ペナルティーアークから左足を振り抜く。ボールはGKパデッリの伸ばした腕をかすめてゴールネットを揺らした。

 1点を追うインテルは74分にサンチェスを入れ、右にルカク、中央にラウタロ、左にサンチェスという攻撃的布陣をとった。対峙する170cmのマリオ・ルイとのマッチアップでルカクのフィジカル的優位は3割増し。ルイはたまらず77分にイエローカードをもらっている。

 おそらく意図的に、後半のインテルはルカクへのボールを増やしている。しかし、カリドゥ・クリバリがこの日はベンチに座っていただけに、もっと積極的にルカクにボールを集めても良かったのではないだろうか。

 データサイト『Who Scored』によれば、ルカクのボールタッチはわずか28回で、ラウタロも27回。3バックを務めた4人の合計が347回で、チーム全体の45%を占めている。攻撃の形を最後まで見いだせなかったインテルの苦しさが数字として表れた。この日のインテルは終始、ルカクを活かすことのできない、宝の持ち腐れ状態に陥っていた。

 セリエAでは久々の優勝争いに加わっているものの、コッパ・イタリアではホームで行われた1stレグを無得点のまま落とした。地の利と個の力を活かすことができなかったインテルは、崖っぷちに追い込まれている。

(文:加藤健一)

【了】

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