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『ねこねこ日本史』映画公開! 19役を演じた声優・小林ゆうさんと山寺宏一さんに見どころを聞いた!

ダ・ヴィンチNEWS

 歴史上の人物を猫に見立てて日本史を語る、累計100万部突破の4コママンガシリーズ『ねこねこ日本史』の劇場版が、2月22日「猫の日」に公開! 2016年よりNHK Eテレで放送中のアニメでタッグを組む声優・小林ゆうさん&山寺宏一さんに、映画の見どころをうかがった。

ねこの日に映画公開! 小学生から大人まで熱狂する『ねこねこ日本史』の魅力とは? そにしけんじインタビュー

山寺宏一(左)
やまでら・こういち●1961年、宮城県生まれ。ジム・キャリーやブラッド・ピットの吹替、『新世紀エヴァンゲリオン』(加持リョウジ役)や『ルパン三世』(銭形警部役)など代表作多数。「10年以上暮らしている猫とのやりとりがそのまま描かれていることも多く、猫好きとしても楽しく作品の世界観にハマっています」小林ゆう(右)
こばやし・ゆう●東京都生まれ。代表作に『進撃の巨人』(サシャ・ブラウス役)、『銀魂』(猿飛あやめ役)など多数。「以前、電車で小学生の女の子が肩を並べて原作本を読んでいるのを見かけ、さすがに声はかけられなかったけど、嬉しかったです。この経験を糧にこれからも頑張りたいと思います」

 

『映画 ねこねこ日本史~龍馬のはちゃめちゃタイムトラベルぜよ!~』
原作:そにしけんじ(実業之日本社刊) 監督:河村友宏 配給:アニプレックス 声の出演:小林ゆう、山下大輝、山寺宏一、佐藤二朗ほか 2月22日(土)より公開。
ある日うっかり、祖父が作ったタイムマシンに乗ってしまった小学生ねこのフク。現代に戻るにはさまざまな時代をめぐり「歴史かるた」をつくらなければいけない。タイムトラベル先で出会った坂本龍馬とともに旅することになるが……。

 

山寺 今回の見どころはなんといっても、小林ゆう祭りでしょう。演じたその数、なんと19役。よく引き受けたね⁉

小林 滅相もないです。役を演じ分けるといえば誰もが山寺さんを想像しますのに私など……。

山寺 そもそもアニメ『ねこねこ日本史』は、毎回とりあげられる歴史上の人物がちがうのに、主役・小林ゆう、ナレーションが僕、と固定しているシリーズだからね。今回のように全員が一堂に会する物語では、仕方ないことだとは思うんだけど。

――小学生ねこのフクが、カラス型のタイムマシン・ヤッちゃんに乗って旅する劇場版。坂本龍馬を相棒に、卑弥呼や源平合戦、徳川の時代など「ねこねこ日本」の歴史をさまよいます。

小林 坂本龍馬はもちろん、アニメ第1話の主役だった卑弥呼や、人間味ならぬ猫味あふれた徳川家康など、思い入れの深いキャラクターの皆さんに再会できてとても嬉しかったです。映画のお話を聞いたときは、なにか一つの時代と人物に焦点をあてて掘り下げるのかと思っていたので、まさかのタイムトラベル、恐れ多くもそのほとんど全員を私ひとりでと聞いてびっくりしました。

山寺 そりゃ、するよ! 確かに僕もひとりで何役もってことは多いけど、セリフの少ない脇役だもの。ゆうちゃんは、出ずっぱりの坂本龍馬にくわえて、旅する時代で出会うメインキャラクターも演じている。卑弥呼や紫式部というかわいいキャラから、戦国武将のおっさんまで……。僕ね、今回の映画には出てこなかったけど、伊能忠敬の回がすごく印象に残ってるの。

小林 嬉しいです!『ねこねこ』のキャラは幼少期から演じることも多いですが、たとえば伊能さんは登場時からご高齢、そこからさらにお年を召して大往生するところまで描かれていたので私も印象に残っているんです。本当にはじめての経験でした。でも地図づくりという大事業に老いてから挑戦し、まわりに何を言われてもひたむきに自分を貫く姿が素敵で感銘を受け、自分なりに精いっぱい演じさせていただきました。

山寺 あれはお見事でした。今回も、エンドロールを見るまで全部をゆうちゃんが演じているなんて気づかなかったし、当然のように別の人をあてていると思っていた。織田信長は、誰かが小山力也の真似してふざけてるなあと思ったら本人だったけど(笑)。平賀源内の佐藤二朗さんと二人そろって、ゆうちゃんが演じてきたキャラから離れて好き勝手暴れているのも、見どころと言えば見どころですね。

 

『ねこねこ』よ、どこへ行く!? と驚くほどの感動作

小林 TVアニメでは山寺さんのナレーションがたった一言入るだけで一瞬で画面が引き締まり、作品を完結させる役どころを担ってくださっていたのですが、今回ついにキャラクターを演じていただけて、しかも龍馬として掛け合いができて、とても嬉しかったです。

山寺 僕もですよ。ただ、ナレーションなしで大丈夫か?と最初は不安でした。冒頭、いきなり龍馬と新選組の騒動から始まったかと思うと、現代に移ってフクくんというオリジナルキャラクターが友達の輪にまざれずぽつんとしている姿が描かれる。台本を読んでいくうちに、ああ、この二人が一緒に旅して成長していくんだってわかるけど、アニメシリーズに比べて設定がやや複雑だから子どもたちにちゃんと伝わるんだろうかと。でも、杞憂でしたねえ。劇場版には視聴者代表の子たちがアフレコ参加しているんだけど、ちゃんと物語を理解したうえで抜群の演技をしてくれた。子どもをナメちゃいかんなと反省しました。

小林 どんなときも道を切り開こうとする龍馬さんと、タイムマシンというメカでありながら、フクくんにハッパをかけるヤッちゃんさん。内向きなフクくんはお二人との出会いを通じて、たくさんの大切なものを心に刻んでいきますが、お子様だけでなく大人の皆様にご覧いただいても感じ入るものは多いのではないでしょうか。年齢や性別を問わず幅広く楽しんでいただける作品になっていると思います。

山寺 ヤッちゃんに「さん」づけしなくていいよ(笑)。そうなんだよね。とくに龍馬は自由奔放だから、フクくんも最初はイライラするんだけど、その社交性や器の大きさに触れるうち少しずつ変化していく。ラストでフクくんが自分にとって何がいちばん大切かに気づいて自分で一歩を踏み出すシーンは『ねこねこ』どこへ行く⁉と思うほど感動的だった。ちなみに個人的にお気に入りなのは、平清盛にとらえられたときのヤッちゃん。

小林 ヤッちゃんが巨大化するところですね(笑)。

山寺 そう(笑)。あのときの顔がおもしろすぎて、どんな声が合うんだろうと何回も録り直した。あとは応仁の乱という11年も続く戦いのなか、ねこたちが「俺たち、なんで戦ってるんだっけー ⁉」とつぶやくのに対し、ヤッちゃんが「知るかー!」って返すところ。負の連鎖によって長引いた戦争が、最初の大義名分を見失うことはよくあるじゃないですか。とくに前線に立つ人たちに、そんなことはどうでもいい。それを「知るか」の一言で返すのが最高だし、『ねこねこ』ってそういうところが深いんだよなあと改めて思いました。

小林 ただ偉人の方というだけではない、生きている姿が描かれているのも魅力ですよね。毎回、演じる前は私なりに史実を調べて、お人柄がにじみ出るような一言をアドリブで入れることができたらと心がけているのですが、今回も、お一人お一人の魅力的な個性が詰まっているので楽しんでいただけたらと思います。19役のなかには隠れキャラのように登場する方もいらっしゃいますので、隅々まで探していただけたら嬉しいです。

山寺 楽しくてかわいくて、しかも史実に基づいているという唯一無二の作品ですよね。しかもねことして描くことで、より本当のことが浮かび上がってくる気がするというか。殺伐とした戦国時代でも、ねこだから大きな音は怖いから逃げるし、おもしろそうなものがあれば横道にそれて遊んじゃう。でも人間だって同じで、常に深刻ではいられないよなという人間くささが感じられるんですよ。

小林 戦でも、投げたわっかにねこちゃんが入ってつかまっちゃうとか、猫じゃらしでお腹をくすぐりあうとか、緊迫してるはずのシーンほど柔らかくて、気づけばずっと「にゃー」と言っています(笑)。ほっこり和んで癒されて、観終わったあとはなぜか歴史のことが頭に入っている。自由で柔らかい表現が、受け皿を深くしてくれるのかな、なんてことも思います。

山寺 子どもの頃にこの作品があったら日本史嫌いにはならなかっただろうなあ。『ねこねこ日本史』を入口に「本当はどうだったんだろう」と興味をもつ子どもはたくさんいると思う。切り口はちがうけど、これまでの集大成である今回の映画を通じて、ますます多くの人に親しまれる作品になるといいですね。

小林 『ねこねこ日本史』を初めてご覧になる皆様にも楽しんでいただけるかと思います。一人でも多くの方が劇場に足をお運びいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

取材・文=立花もも 写真=冨永智子

 

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