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妻が語る瀬戸大也「ストレートすぎて新しい人種みたい(笑)」

SmartFLASH

 

「いま思うと、もっと早く彼と出会っていたら、私自身がもっとポジティブな発想で、競技生活を送ることができたのかもしれないですね」

 

 瀬戸優佳さん(24)が、いまや “日本のエース” になった夫との出会いをこう振り返る。

 

 

 2010年のワールドジュニアで、「3m飛板飛込」に出場して銅メダルを獲得し、2011年の世界水泳にも出場した優佳さん。その後、2017年5月に結婚した。夫は、東京五輪競泳男子200m、400m個人メドレー日本代表の瀬戸大也(25)だ。

 

 瀬戸は、脂の乗ったいま、自国開催の五輪に挑む運に恵まれ、日本中の期待という “重圧” を背負う存在だ。

 

「彼は、もちろん金メダルを目指していますが、最高のパフォーマンスを見せてくれると思います。常に発想がポジティブで、『できない』が彼のNGワード。私と正反対の半生を過ごしてきた人ですから」

 

 元選手としても夫を支える優佳さんが、自身の競技人生や彼との馴れ初め、そして素顔を明かしてくれた。

 

「小学校入学前から泳いでいた私は、小1で飛込を始めることになりました。コーチである父は厳しく、礼儀・挨拶がなってないと、ゲンコツが飛んでくるほどでした」

 

 優佳さんの父・崇英さんは、中国・上海市出身の元飛込選手で、26歳で妻・優陽さんと来日。1964年の東京五輪をはじめ、五輪3大会に出場した馬淵かの子さんが主宰する「JSS宝塚スイミングスクール」でコーチとなり、日本国籍を取得して、馬淵姓となった。

 

 きたる東京五輪で6度めの出場となる寺内健(39)や、超新星の玉井陸斗(13)など、飛込のトップ選手を育成しつづけてきた父は、「我が子には甘い」というわけにはいかなかったのだ。

 

「1から10まで、すべてできなければ怒られるので、完璧を目指していくと、『怒られたらどうしよう』というネガティブな発想になってしまっていた。そんな “減点思考” では、『挑戦しよう』という気持ちが生まれませんでした」

 

 それでも、高校選手権を連覇し、世界水泳に出場するなど順風満帆な競技人生を送っていたが、立命館大進学後は、腰の怪我に悩まされることに。

 

 2014年、大学2年のとき、そんな優佳さんに人生を変える出会いが。

 

「試合で宝塚(兵庫県)に来ていた彼を友人に紹介されて、食事をしたんです。彼は、前年の世界水泳で優勝して注目され、『次のリオ五輪は』と、期待されている存在でした」

 

 取材中に見せる人懐っこい笑顔が印象的な瀬戸は、当時の優佳さんにどう映ったのか?

 

「いい意味で、“無邪気で子供っぽい少年” でした。私に『好意がある』のを隠し切れない、メールの文面とか……」

 

 思い出すように笑みを浮かべて、優佳さんが続ける。

 

「だって、次に会う約束をするメールも、『2人で行きましょう!』とストレートに書いてあるんです(笑)。もう、新しい人種に会った気がして、私も『いいよ!』と返して……」

 

 優佳さんに、その “新鮮さ” は、どう作用したのか?

 

「彼と話していて、育った環境の違いが、人間性に影響することがわかりました。大也は、『親に怒られたことがない』って言うんです。『怒られず褒められて』あれだけの選手になるんだから、すごい。うちとは真逆の教育方針でした」

 

 瀬戸自身も、こう語っている。

 

《家でネガティブな発言をすると、「なぜそんなことを言うのか」と父に注意されました。悔しい結果に終われば、母が「(萩野)公介君がいるから強くなれる」と前向きな言葉をかけてくれた。我が家では「できない」はNGワードでしたね》(「日経ビジネスアソシエ」2018年8月号)

 

 このポジティブ思考が、瀬戸のバックボーンなのだ。

 

2018年2月、妊娠6カ月の優佳さんと夫・大也選手

 

 一方、父の教育で礼節や忍耐力が備わっていた優佳さんにとって、自分になかった「積極性」を発揮している瀬戸は、「生きていくうえで大切な人」に変わってきていた。

 

 しかし2016年。瀬戸は金メダルを有力視されて臨んだリオ五輪で銅メダルに終わった。

 

「直後の落ち込みようから、私も重い気持ちだったんですが、帰国時に『俺、4年後にヒーローになるから近くで見ていて!』と笑うんです。私が『この人すごい!』と思った瞬間でした」

 

 優佳さんの中で、「この人と離れたらいけない」という感覚は “確信” となり……。

 

「自分が選手として五輪に出たいというより、『大也をサポートしたい』という気持ちになりました。『落ち込むことがあっても、彼と一緒にいたら幸せにしてくれる』と」

 

 2017年5月24日、瀬戸の23歳の誕生日に婚姻届を提出。同月に優佳さんは現役を引退し、翌年6月に長女・優羽ちゃん(1)を出産した。

 

 3年近い結婚生活のなかで、優佳さんは瀬戸の “スーパースターぶり” に、何度も遭遇したと苦笑する。

 

「まずは結婚前の2017年、彼がいきなり『断食ダイエットする』と言いだして。麻布のキックボクシングジムに通いはじめたんですが、彼は2日でギブアップしちゃって、すぐにハンバーガーと牛丼を食べていました(笑)。結局、3日間完遂したのは私だけ」

 

 次に、愛犬・ラフちゃんが家族に加わることになった、2018年4月のエピソード。

 

「ホームセンターに家具を見に行ったとき、ペットコーナーで急に、『運命感じた!』って大也が言いだして。妊娠中だった私は当然反対で、彼も一度は車に戻ったんですが、『もう1回、見に行こう!』って始まって……」

 

 夫妻は、1時間以上の激論を交わし、最終的には「じゃんけん」で妻が敗退。

 

「私もアスリートの血が流れているので、『勝負に負けたら仕方ない』って認めちゃったんですね(笑)」

 

 そして、公式記録にも残る、2018年のトライアスロン出場。

 

「シーズンオフに、『佐渡国際トライアスロンに出る』って言いだして……。通常の2倍の距離のレースですよ。さすがに、ご両親まで反対したんですが、『俺は出るから』って聞かない。

 

 それで、もう少しおとなしいレベルの『九十九里トライアスロン』への出場で、“手打ち” になりました(笑)」

 

 結果は、約700人中93位という普通の成績だった(スイムは言うまでもなくトップ)。

 

 こんな “突っ走っちゃう” スーパースターを、優佳さんは「100%は阻止することなく、許しながら、大目に見ながら」コントロールしている。ときにはストップをかけながら。

 

 そして1月18日、東京五輪イヤーの初戦、北京でのチャンピオンシリーズでは、200mバタフライで、12年ぶりに日本記録を更新する1分52秒53のタイムで優勝。

 

「五輪では、いままで見たことない主人の笑顔を見たいですね。以前と全然違うのは覚悟です。家族が出来たことで、責任感が出て、バシッと目標が揺るがないんです」

 

 パパとなった日本競泳界のエースが、4年前の雪辱に燃えている。

取材&文・鈴木利宗

 

(週刊FLASH 2020年2月11日号)

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