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今度は中日・小川健太郎がオートレースの八百長で逮捕/週ベ回顧

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 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

新スターたちの台頭も始まる



表紙は阪神・田淵幸一


 今回は『1970年5月25日号』。定価は80円。
 
 判官びいきというのか……。落ちるところまで落ちた西鉄に対し、徐々に声援が増えていたらしい。
 これは選手というより、稲尾和久監督に対してだった。ファンにも稲尾がどれだけ悩み、どれだけ我慢し、ライオンズのために頑張っているかが伝わっているのだろう。

 5月4日のコミッショナー喚問を受け、6日にコミッショナーが与田順欣、益田昭雄に出場停止処分を出し、7日には西鉄が池永正明、村上公康、船田和英、基満男に5月いっぱいの出場停止を言い渡し、翌8日、再度、事情聴取をした。
 その際、一番シロに近いと言われていた2人のうち、池永は八百長行為こそ否定したが、田中勉から100万円預かったこと認め、基も八百長は否定しつつ「あのときがそう思われたかも」と話していた。

 親会社の西鉄は業績不振に苦しんでいたうえにこの不祥事もあり、球団関係者が“身売り”を前提に数社と下交渉をしていたことを認めた(匿名だが)。最有力はダイキン工業だったという。

 さらに黒い霧は西鉄だけではない。
 5月6日、中日のエース、小川健太郎が小型自動車競走法違反で逮捕された。いわゆるオートレースの八百長容疑である。
 仲がよかった田中勉が先に逮捕され、「次は小川だろう」という情報(推測)はマスコミ各社に知れ渡っていた。

 何しろ、小川は大のギャンブル狂、というかギャンブル中毒。「金を持っていれば、それは全部つぎ込む」と普段から公言していた。1カ月で100万円を使ったこともあったという。いくら年俸1000万でも、これでは大変だ。すでに球団への借金(前借)が500万円あったという。

 小川には子どもが4人いた。周囲は「子どもたちのことを考えたらどうだ」と過剰なギャンブルを止めたが、本人は、
「太く短くが僕の生き方。野球をやめてもなんとでもなる。子どもは元気育ってくれたらそれでいい。そこまではやるが、僕は子どもたちにお金を残すことない」
 と話していたという。
 小川はこの年の開幕投手。水原茂監督は本人に話を聞いたうえで「やっていないというからそれを信じる」と直前まで起用し続けていた。
 小川は例の藤縄とも交際があり、黒い霧がセにも広がるのでは、という声もあった。

 球団社長は「二度と小川にドラゴンズのユニフォームは着させない」と言っていた。

 野球の話も書いておく。
 プロ2年目、阪神の田淵幸一がようやく大学時代からのライバル、中日・星野仙一から甲子園で特大のホームランを打った。これは大学時代も通じ、星野からの初ホームランだったという。その日は大喜びだった田淵だが、星野がこの一発でファームに落ちたと聞くと、青ざめた顔で「本当ですか」と記者だけでなく、中日ナインをつかまえては尋ね歩く始末だったという。
 やっぱり人がいい。

 星野はこの試合までに5試合に投げ、0勝3敗。ファーム落ちは事実だったが、
「ファームでみっちり鍛え直しますよ。このまま二軍にずるずる落ちているくらいだったら死んだほうがまし。絶対やります」
 と、こちらは威勢がいいことを言っていた。

 阪急では、これも2年目の小兵・福本豊が5月6日のロッテ戦で、なんと満塁弾を含む1試合3本塁打。
「このところ調子が悪かったので、思い切って重めのバットを使ったのがよかったのでしょう」
 と笑顔で話していた。

 球界の世代交代は確実に、しかも急激に進み始めていた。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM

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