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【本音レビュー】映画『キャッツ』は吹き替えの方がオススメ! 高橋あず美、山崎育三郎、ロバート秋山など魅力的な歌声が聞けるよ

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【本音レビュー】映画『キャッツ』は吹き替えの方がオススメ! 高橋あず美、山崎育三郎、ロバート秋山など魅力的な歌声が聞けるよ

【最新公開シネマ批評】
映画ライター斎藤香が現在公開中の映画のなかから、作品をひとつ厳選して、ネタバレありの本音レビューをします。

今回ピックアップするのはいろんな意味で話題の映画『キャッツ』(2020年1月24日公開)です。映画『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督が手がけた大ヒットミュージカルの映画化で、日本では劇団四季の「キャッツ」が有名ですね。

全世界累計観客動員数8100万人、日本公演は通算10000回を誇る超人気ミュージカルの映画化とあって、制作時から期待されていました……が、全米では大コケ! 批評家からもそっぽを向かれてしまったそうで、悲しい……。何がダメなの? というわけで、映画『キャッツ』を観てきました!

【物語】

若くて臆病な白猫ヴィクトリア(フランチェスカ・ヘイワード)がロンドンの街のごみ置き場に迷い込みます。

ごみ置き場には、ジェリクルキャッツが大勢いました。ジェリクルキャッツとは、人間に飼われることを拒否し、自立の道を歩んでいる猫たちのこと。リッチなグルメ猫、兄貴肌の猫、のんびり屋の猫などがいる中、臆病猫だったヴィクトリアは、ジェリクルキャッツたちの影響を受けて、自分の生き方を見つけようとするのですが……。

【映像技術の進化が逆効果になっちゃった?】

私は舞台版「キャッツ」は見たことがありません。でも舞台のヴィジュアルは知っていますし、舞台で俳優が猫を演じる以上、猫人間のようなヴィジュアルになるのは仕方がないと思いました。舞台はライブであり、映像で変化をつけられませんからね。また猫のしなやかな動きはコンテンポラリーダンスのようで、それは素敵だっただろうな~と想像できます。
が、しかし、映画化となったら話は違います。これだけ映像技術が進化した映画の世界ですから、さまざまな表現方法があったはず。でも映画版『キャッツ』のスタッフが選んだのは、舞台と同じスタイル。人間が猫を演じ、なおかつCGでリアル感を増しています。熱狂的なファンを持つ舞台ですから、ファンの皆さんを裏切らない形にとの配慮があったのかもしれませんが、逆に映像技術の進化が悪目立ちした映画になってしまったような……。

【生々しい猫人間の世界は賛否両論?】

個人的にはやはり猫のヴィジュアルに違和感がありました。猫人間たちの毛並みとか細かい部分が妙にリアルに仕上がっていて、逆にそれが不気味で……。キラキラとしたミュージカルファンタジーとして観られたら良かったのですが、猫人間の精巧な生々しさが邪魔をして、なかなか世界に入っていけなかったです。
いっそのこと実写版『ライオンキング』みたいに、完全CGで各キャラクターの猫を作ることはできなかったのか、それこそ猫ミュージカルとして斬新で新しい世界を構築できたのではないか。猫が歌うシーン、ちょっと見てみたい! など、映画を観ながらいろいろ考えてしまいました。

【素晴らしいのは音楽と吹き替え版キャスト!】

……と、辛口なことを書いていますが、音楽は良かったです。今回、映画のためにアンドリュー・ロイド・ウェバーとテイラー・スウィフトが書き下ろした新曲「Beatiful Ghost」は、映画版のヒロインであるヴィクトリアのための曲。グリザベラ(ジェニファー・ハドソン)が歌う「Memory」ほどパンチのある曲ではないのですが、とても美しいメロディで繊細なヴィクトリアのキャラにぴったりです。また吹き替え版でヴィクトリアを演じる葵わかなさんは、歌唱も含めてとても良かった。彼女の澄んだ綺麗な声がヴィクトリア役にドンピシャはまっていて、「Beatiful Ghost」のシーンはしみじみしちゃいました。
また字幕版のキャストが英国の名優ジュディ・デンチや『ドリームガールズ』のジェニファー・ハドソンなどのアカデミー賞女優が登場する豪華さなのですが、吹き替え版のキャストもいいんですよ~。葵わかなさん以外だと、ヴィクトリアを新たな世界へ導く兄貴分の猫に山崎育三郎さん、ボス猫に大竹しのぶさん。異色なのは、グルメ猫にロバートの秋山竜次さん、甘い歌声の自由奔放猫にOfficial髭男dismの藤原聡さんが抜擢されたこと。二人とも声優は専門外ですが、意外にもミュージカルにハマっていて、うれしい驚きでした!
映画『キャッツ』の前半は人物紹介として、それぞれの猫たちに見せ場がつくられているので、歌唱をたっぷり楽しめます。だから音楽好き、ミュージカル好きのかたは楽しいのではないでしょうか。ヴィジュアルの猫人間に目が慣れるか慣れないかが、この映画を好きになれるか否かの境目。残念ながら私は最後まで違和感があったのですが、「良かった~」と言っている方もいます! 全米での悪評に左右されず、その目で確かめてみるのもありだと思いますよ。

執筆:斎藤香

キャッツ
(2020年1月24日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督:トム・フーパー
原作・原案:T.S.エリオット、アンドリュー・ロイド=ウェバー
出演:ジェームズ・コーデン、ジュディ・デンチ、ジェイソン・デルーロ、イドリス・エルバ、ジェニファー・ハドソン、イアン・マッケラン、テイラー・スウィフト、レベル・ウィルソン、フランチェスカ・ヘイワードほか
日本語吹き替え版:葵わかな、山崎育三郎、高橋あず美、大竹しのぶ、秋山竜次(ロバート)、藤原聡(Official髭男dism)、大貫勇輔、森崎ウィンほか
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