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史上初の二度目の春夏連覇を導いた西谷監督が語る大阪桐蔭に必要な2つのマインドから見える一流選手になる条件

高校野球ドットコム

 全国制覇8度を誇る大阪桐蔭。大阪桐蔭といえば、全国各地の逸材が集まるチームとして有名になった。それは関係者の熱心なリクルーティング、これまでの実績、練習環境、活躍するプロ野球選手の多さ…などいろいろな要因があるだろう。今回、西谷浩一監督に中学生を見るポイントを聞いてみると、一流選手になれる選手の条件が見えてきた。

大阪桐蔭でプレーするのに、必要な2つのマインド
西谷浩一監督

 まず西谷浩一監督に高校野球でも活躍できる中学生を見極められるポイントを聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「中学生を見極めるポイントなんてあったら教えて欲しいですね。正直わからないですよ」
 意外にも聞こえる西谷監督の言葉だが、次の説明で納得できる。

 「中学生は難しいですよ。(指導者を)25年くらいやっていても、中学でいいなと思ってウチに来てくれてた選手でも上手くいかないことがありますし、逆に思っていた以上に良くなる選手もいます。来て欲しかった選手が他の学校にいくことももちろんありますが、その子たちがどうなっていくかもすごく気になりますよ」
 栄光の裏には予想以上の成功もあれば、失敗もある。真理を極めれば極めるほど、その答えは見つからないものだ。ただ、そんな中、西谷監督が選手をリクルーティングする際、マインド面で大事にしているポイントが2つある。
「大阪桐蔭で野球がやりたい」こと、そして「三度の飯より野球が好き」な選手だ。

「色んな良い学校がある中で、どうしても大阪桐蔭でやりたいと言う選手と一緒にやりたいと思っています。基本は関西が中心ですが、最近では関東からも来たいと言ってくれる選手がいるので本当に有難く思っています」
これまで多くの大阪桐蔭OB、選手のインタビューをしてきて、大阪桐蔭に進みたいと思った理由が「全国制覇」や「自分を高めたい」というのが多かった。たとえば、2018年の甲子園優勝投手の柿木 蓮(北海道日本ハム)は、「自分が高校進学を決める上での基準は『自分を高められる』学校だったんです。最初から投げられる学校ではなく、一からスタートして、競争できるようなレベルが高い学校でプレーしたいと思っていました。
 その点で大阪桐蔭はまさに「自分を高められる学校」と思い入学を決意しました」
 また北海道から入学を決めた1年生の大型左腕・松浦 慶斗も「北海道が物足りないわけではないですが、うまい人と一緒にプレーして自分を高めたかったからです」 と志望理由に挙げている。強い上昇意欲を持った選手にとって大阪桐蔭は理想的な環境なのだ。

「野球が楽しい」の定義を考える
西谷浩一監督

 ただ大阪桐蔭が好き、野球が上手いだけでは大阪桐蔭のレギュラーは約束されない。そこには野球が好きということが問われる。西谷監督が考える野球好きとはうまくなるために、自分を追求できることだ。

「上手い子はいても、本当に野球が好きな子はそんなに多くいるとは思わないです。練習を見にいったらはっきりわかります。試合だけでは案外わかりませんが、練習を見てると取り組む姿勢とか、指導者の方の話から見えてきます。
 やっぱり本当に野球が好きな子と一緒にやりたいと思いますね」
 野球を楽しむというのはかなり議論されているテーマだが、高校生以上になると、ただ楽しむというよりも、速いボールを投げたい、どんな打者でも抑えたい、打球を遠くへ飛ばしたい、足が速くなりたいなどその競技を極めるレベルになる。ただその過程は苦しいもの。打たれるとき、打てないとき、守れないときなどスランプがあるだろう。それでもその壁を乗り越える強さが自ら持っているのか。それは高校野球に限らず、どんなスポーツ、仕事でも一流を極めたいときに求められるものだ。

 西谷監督はそういうことに妥協しない選手こそがプロ向きの選手と答える。その一例として西岡剛(BC栃木)の名前を挙げた。
「西岡は私が見てきた選手の中では最もプロにいきたい気持ちが強かった選手です。そこはどこから見えるのかというと、練習において妥協をしないんですよね。ダッシュ、トレーニング、打撃練習など多くの数をこなしていく中でも、彼は絶対に音を上げなかった。見ていてわかるんですよ。『きついんだな』と、彼は諦めなかった」

 大阪桐蔭の選手を取材すると、とことん野球に追求する選手が多かった。その中で印象的なのは東京六大学通算17勝の田中 誠也(立教大)だ。西谷監督も「いつも投手コーチの石田コーチと相談しながら練習する姿が見えました」と認めるほどうまくなるためにどん欲な選手で、実際に取材してみると、コントロール、決め球のチェンジアップなどあらゆることに対して深く極めている姿勢が見て取れた。

 また大阪桐蔭はそういう欲求が強い選手に適した練習環境だ。休みも少なく、全寮制で携帯が禁止。こうして聞くと、かなり束縛した環境に見えるが、選手それぞれが自分のスキルを高めるためにいろいろ工夫している様子が見える。

 特に投手は石田コーチが投球動作を念入りに確認しながら、いろいろなドリルを用意しながら、練習に励んでいた。また選手と指導者との距離感も近い。野球がうまくなるために自然と没頭できる仕組みができているのだ。

 あとは選手がどう感じるのか。きつい中でもやりがいを感じられるか。ただきついと思って、楽なほうに流れるのか。

 それこそが一流選手になれるか、なれないかの分かれ目だといえるだろう。

文=河嶋 宗一

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