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謎の音響攻撃は中国でも。外交官の脳のMRI検査結果が公表される(続編)

カラパイア

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iLexx/iStock

 キューバで大使館に勤務するアメリカやカナダの外交官たちが、耳をつんざく高音ノイズにさらされて脳に構造的変化が生じたという怪事件について以前お伝えしたが、その続報が入ってきたので紹介しよう。
 
 この現象はキューバだけでなく中国でも起きていたようだ。

 今回報じられたのは、音響攻撃が原因で体調を崩したと訴える中国で勤務していた外交官の脳のMRI検査の結果だ。

キューバだけでなく中国でも。外交官を狙った謎の音響攻撃とは


 キューバ大使館で働くアメリカやカナダの外交官たちが原因不明の健康被害を訴え始めたのは2016年のこと。

 この事案では、特定の方向から大音量が聞こえてきたと証言されており、そのノイズは「唸るような音」「金属を擦るような音」「耳をつんざく悲鳴」と形容されている。

 さらに昨年、米国務省が中国でも同様の事案が発生したことを発表。ポンペオ国務長官が「非常に似ており、完全に一致する」と発言している。

 彼らは自宅やホテルで耳をつんざくような高音のノイズを聞いてから、頭痛、めまい、混乱といった症状が現れはじめたという。調べたところ、彼らの脳が構造的に変化していた事実が明らかとなった。

 この謎の症状は「ハバナ症候群」と呼ばれ、その原因は不明だが、謎の音響攻撃によるものとの見方が強まった。

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Sami Sert/iStock

脳の複数の領域で体積の異常な低下を確認


 検査を受けたマーク・レンツィ氏はアメリカの外交官で、2017年に中国広州市に滞在してから頭痛、読字困難、神経過敏、記憶障害、睡眠障害といった体調不良を訴えていた。

 検査結果によると、脳の20領域で体積の異常な低下が認められたという。異常が発見されたのは、記憶、感情制御、運動などに関連する領域で、レンツィ氏が訴える症状との関連性も見受けられる。

 また検査された107領域のうち、3領域ほど体積が普通よりも大きい部分もあった。

 検査を行った医師によると、体積の低下は脳の損傷と関係している可能性があり、反対に増加している領域は、機能しなくなった領域を補っているためかもしれないそうだ。

 しかし、異常の原因は相変わらず謎のままである。医師は「決定的な証拠はない」と述べており、「男性の脳に深刻なダメージがあったと結論を下すのは容易ではない」とも付け加える。

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NiPlot/iStock

脳に構造的な変化が生じていることを確認


 今年7月には、キューバで勤務するアメリカの職員40名の脳を調べた研究によって、症状を訴える人の脳が普通の成人のものと構造的に違うことが明らかにされた。



 ただし、その臨床的な意味合いははっきりせず、特定の疾患にぴったり当てはまるような症状ではないという。くわえて職員の脳が事件前に比べてどのように変化しているのかも不明だ。

 この研究に携わった神経外科の専門家は、海外メディアの取材に対して「脳震盪のような症状が訴えられているが、脳の外傷や脳震盪の画像とは明らかに似ていない」と答え、「何かが起きているようだが、もっと調べる必要がある。今はそれだけだ」とコメントしている。

References:MRI of Cuban Sonic Attack Victim Shows Definite Brain Damage/ written by hiroching / edited by parumo

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