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林海象+乱歩+茨城! 年末ドラマ『黒蜥蜴-BLACK LIZARD-』ロケ地を行く

goo映画

執筆=中山治美

林海象監督にとって映画の撮影を行うロケ地は、創作イメージを膨らませる装置だ。

デビュー作『夢みるように眠りたい』(1986)は、「町全体がロケセットのように思えた」という東京・浅草で撮影を行った。佇まいに惚れた今は無き映画館・横浜日劇からは、同劇場2階部分や屋上を探偵事務所として使用した「私立探偵 濱マイクシリーズ」を生み出した。

念願の江戸川乱歩・原作小説に挑んだ、NHK BSプレミアム特集ドラマ『黒蜥蜴(くろとかげ)-BLACK LIZARD-』(2019年12月29日午後9時から放送)では、主な撮影を茨城県で行った。そこには、やはり林監督を惹きつけた魅力的な建造物と風景があった。

麗人! 黒蜥蜴を演じるりょう(写真提供:NHK)

江戸川乱歩生誕125年の「黒蜥蜴」

2019年は江戸川乱歩生誕125年の記念の年。

となると、幼少時代から「少年探偵団」の明智小五郎のような探偵に憧れ、探偵をテーマにした作品を作り続けるだけでなく、実際に探偵学校にも通った林監督が黙ってはいない。挑むのは過去に何度も映像化され、美輪明宏主演&三島由紀夫脚本の舞台版でお馴染みの「黒蜥蜴」。

「黒蜥蜴」は明智小五郎モノ唯一のラブストーリー。まさかの展開が!?(写真提供:NHK) 魅惑の宝石「エジプトの星」を巡って怪盗・黒蜥蜴こと緑川夫人(りょう)と、私立探偵・明智小五郎(永山絢斗)のスリリングでトリッキーなゲームが展開される。

ただし今回は、原作をアレンジ。ハッキングやサイバーセキュリティーをかいくぐるハイテク犯罪が当たり前の数年先の近未来が舞台。助手の小林少年(佐久間由衣)は、AIで天才プログラマーという設定だ。

左/明智小五郎役の永山絢斗 右/小林少年役の佐久間由衣(写真提供:NHK)

林監督「原作にもクローンクローンを思わせる設定はある、今回も原作に書かれているセリフをそのまま使用しているシーンもある。1934年発表の小説だけど、近未来に置き換えても全く違和感がない。だから乱歩が今、生きていたらきっとAIぐらい出すだろうなんて考えながら脚本を書きました(※長津晴子と共同脚本)。だから、このドラマを一番見て欲しいのは江戸川乱歩なんですよ。同じく近未来が設定の『ブレードランナー』(1982)とか『LOGAN/ローガン』(2017)の世界観を入れてます」

林海象監督と茨城県をつないだ偶然

近未来の乱歩というだけでも想像が付かない上に、牧歌的なイメージのある茨城で撮影? 脳内がますます混乱する。

しかしこの企画が実現するに至った背景には、出会いがあった。林監督が2018年1月に東京・恵比寿の「LIBRAIRIE6/シス書店」(東京都渋谷区恵比寿南1-12-2南ビル3F)で開催した個展「夢みるように眠りたい」展で、絵画を購入したのが茨城県庁勤務の方。

以来交流がはじまり、2019年1月に茨城県水戸市で『夢みるように眠りたい』の16mmフィルム上映会が行われることとなった。

特集ドラマ『黒蜥蜴(くろとかげ)-BLACK LIZARD-』

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