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人間の子供の頭蓋骨で作られたヘルメットをかぶった状態で埋葬されていた古代の幼児(エクアドル)

カラパイア

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Sara Juengst/University of North Carolina at Charlotte

 南アメリカのいくつもの文化では人の頭部が強力なシンボルとして用いられてきたが、ヘルメットならぬ頭蓋骨をかぶせられて埋葬された赤ちゃんの遺体にはさしもの考古学者も驚いたようだ。

 エクアドル、マナビー県サランゴには、「グアンガラ(Guangala)」という紀元前100年頃に存在した酋長文化の埋葬地がある。

 2014~16年にかけて行われた発掘調査では、遺体11体のほか、遺物、貝殻、小さな石像といった副葬品が発見されたが、中でも特に注目されているのは人間の子供の頭蓋骨をかぶせられた2体の幼児である。

 米ノースカロライナ大学とエクアドル、マナビー工科大学の発掘グループが『Latin American Antiquity』(11月12日付)に掲載した論文によると、遺体のひとつは生後18ヶ月の幼児だという。

幼児の遺体の頭にかぶせられた別の子供の頭蓋骨


 奇妙なことに、その幼児の頭部には、顔が見えるように加工されたヘルメットのようなものがかぶせられていた。調査の結果明らかになったのは、なんとそのヘルメットが4~12歳の別の子供の頭蓋骨だったということだ。

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Sara Juengst/University of North Carolina at Charlotte

 もう1体の幼児は生後6~9ヶ月とさらに幼かったが、やはり2~12歳の子供のものと思われる頭蓋骨ヘルメットがかぶせられていた。

 どちらの幼児の頭にも、ヘルメットがぴったりとほとんど隙間なくかぶせられていたことから、幼児と頭蓋ヘルメットは同時に埋葬されたものだと推測されている。

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Sara Juengst/University of North Carolina at Charlotte

いったいなぜ幼児の遺体に頭蓋骨のヘルメットを?


 南アメリカの死に関連する文脈では、しばしば頭部が登場するが、大抵は成人の戦死者か偶像化された祖先だ。

 子供の頭蓋骨はかなり珍しく、「社会に仲間入りする前の野生の魂」を守ることが目的だったのではないかと研究グループは考えている。

 祖先の石像が一緒に埋葬されていたのも、頭蓋骨にパワーを与え、幼くして亡くなった子供を守るという意図があったからではと推測されている。

 なお埋葬されていた幼児の骨にも、ヘルメットにされた子供の頭蓋骨にも、貧血の形跡が見られるとの指摘もある。

 この時代のこの地域では珍しいことであるようだが、それはこれまで貧血をテーマにした研究があまりなされてこなかったために、ただ未発見なだけかもしれないという。

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Sara Juengst/University of North Carolina at Charlotte

子供を失った悲しみを癒す儀式


 頭部のイメージがよく登場する古代アンデス文化でも、今回のような埋葬形式はかなり奇妙なものだ。

 「子供の死は常に感情的なものですが、今回のケースでは、余計に時間をかけ、特別な場所で、おそらくは特別な人々が敬意を払いながら取り扱うことで、珍しい形ではありますが慰めとしたのでしょう」と発掘グループのサラ・ジュエングスト氏は結論づけている。

 現在、DNA解析や同位体分析が行われており、埋葬されていた幼児の正体や頭蓋骨の本来の持ち主との関係を推測するヒントが得られるのではと期待されている。


References:cambridge / mysteriousuniverse/ written by hiroching / edited by parumo

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