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ポップの進化にゲスの極み乙女。が必須であることを実感した、再始動後初のプレミアムライブ

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「達磨林檎」発売記念ライブ
2017.5.10(WED)ZeppTokyo

例えばオリンピックの陸上100メートル走のファイナルに優勝候補が欠場しているような物足りなさを、ゲスの極み乙女。が不在のポップシーンに感じていた人はファンのみらずいたはずだ。音楽は勝ち負けではないけれど、新作が常に新しい音楽性や価値観で過去を更新してくダイナミズム、それは一握りの前線を走るアーティストにしかなし得ない。果たして、昨年の12月リリースから延期された3rdアルバム『達磨林檎』は見事にオリコン・デイリーチャートで1位を獲得。シーン復帰を暖かく歓待するというより、ようやくファイナリストが揃った決勝戦を見ることができる、そんな高揚が再び始まった。


ゲスの極み乙女。



活動休止前の最後のライブ会場と同じZepp Tokyoにて、当日リリースされる『達磨林檎』を現場で購入し、くじ引きに当たったファン2500人が入場できるという、彼ららしい驚きのある再始動となったこの日。「新曲のみで構成した攻めたセットリストで展開するのでは?」と、勝手に想像したりしながら会場に向かう。そういう妄想をさせるのもゲスの極み乙女。ならではだと思うのだ。


ゲスの極み乙女。



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開場したフロアはくじ引きに当選したファンで構成されているが故に、必然的に一人参加となり、ステージに投影される「シアワセ林檎」「勝手な青春劇」「心地艶やかに」「影ソング」のミュージックビデオを見つめるファンは、静かにメンバーの登場を待ち、立ち尽くしている。その緊張から一転、場内が暗転し4人の姿が紗幕越しに見えると悲鳴や叫び混じりの歓声が湧き上がった。抑え込んでいた喜びが爆発した瞬間だ。さらにオープナーはあのちゃんMARIのピアノが響く、そう「パラレルスペック」という王道な選曲。イントロのみならず間奏でも演奏に対して歓声と拍手が起こる。それはファンの最大限の“おかえり”の表現であり、他に替えの効かないこのバンドの演奏に対する変わらない賛辞だった。川谷絵音も歌い始める前に「行くぞー!」と、野に放たれ自由を得た生き物のように躍動する。躍動的なのはこれまでもそうだったけれど、明らかに自然とテンションが高い。「私以外私じゃないの」「星降る夜に花束を」「サイデンティティ」と、彼らの知名度を磐石なものにした近作「魅力がすごいよ」「両成敗」からのセレクトが続く。圧倒的なスキルはそのままに、ゲスの極み乙女。のこんなにライブハウスのライブらしいライブは久々なんじゃないだろうか。メンバー自身が演奏しながら感じているであろうカタルシスがフロアにも“そこがまさにツボ!”といった具合に刺さって、血液や気が循環するようなフィジカルなリアクションが起こっていた。

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