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Driving Home For Christmas / Chris Rea

エンタメステーション

Driving Home For Christmas / Chris Rea

12月は特別な月だ。
葉を落として冬空に凛と屹立する木々も、足早に歩く人々も、まちのイルミネーションも、一つの終わりと始まりの予感を祝福しているかのように美しい。
バンド結成から40年。その歳月をあえて“Blink(瞬き)”と言いきるニュー・アルバムを携えて全国ツアー真っ只中のHEATWAVE 山口洋から、クリスマスにまつわる初めてのメッセージ。

編集部からのリクエストはクリスマス! 敢えてわたくしに。笑

いい思い出なんてひとつもありません。どうしてって、運悪く、僕がクリスマスの翌日に生まれたからです。

イヴが終わるころ、街ではクリスマス・ケーキの投げ売りが始まります。幼い頃、僕の誕生ケーキはなぜか硬かったのです。ときには表面を改ざんした跡がありました。ケチらないでよ母ちゃん。この一点に於いて、僕は未だに母親を恨んでいます。笑

そんな気持ちが変化したのはクリスマスのほんとうの意味を知ったから。ずいぶん前にアイルランドを訪れていたときのこと。カトリックの国でクリスマスを体験したのです。

クリスマスだから、いっそう街は華やかになるに違いないと思っていました。ところが、実際は真逆。公共機関、すべてのお店、なにもかもが休みになるのです。ホテルさえ開いていない。寒空に行くところもなく、食料さえ買えない。

クリスマスは家族のためにあったのです。人々は家族と過ごす。僕はどうにか安宿を見つけて、お腹をすかしてビールさえ飲めないまま、妙に幸せな気分だったのを覚えています。

そんな日に、かの国でいちばん流れるのはポーグスの大名曲「Fairytale Of New York (ニューヨークの夢)」。

アイルランドからニューヨークに移民したカップルが志なかばで夢破れ、罵り合っていく名曲。僕が知る限り、この曲を歌えないアイルランド人はいません。

ポーグスのシェーンはどうしてこんな名曲が書けるのか? 故カースティ・マッコールとデュエットで歌われるこの曲には映画一本分の物語が内包されています。

続いて、ジョンが歌う「Happy Xmas (War Is Over)」。もはや僕が記す必要はありませんね。

そして、僕がいちばん紹介したいのはクリス・レアのこの曲です。どうしてって、家族にとってのクリスマスの曲だからです。

Driving Home For Christmas (1986) / Chris Rea 意訳 : 山口洋

I’m driving home for Christmas
クリスマス 車を飛ばして家に帰る
Oh, I can’t wait to see those faces
みんなに会えることが待ちきれない
I’m driving home for Christmas, yeah
クリスマス 車を飛ばして家に帰る
Well, I’m moving down that line
あの道を下っているところ

And it’s been so long
ずっと帰れなかったけれど
But I will be there
もうすぐ帰るから
I sing this song
この歌を歌って
To pass the time away
時間をやり過ごしてる

Driving in my car
車を飛ばして
Driving home for Christmas
クリスマスのために家に帰る

なんてことはない歌詞。でも、彼の声で歌われると、ほんとうにこころの深いところに響いてきます。

ぜひ、聴いてみてください。

12月22日。40年目のHEATWAVE。クリスマス直前。三井ホールに是非、会いにきてください。

感謝を込めて、今を生きる。

ザ・ポーグス/THE POGUES『堕ちた天使/If I Should Fall From Grace With God』

ワーナーミュージックより発売中 WPCR-17880 ¥2,500+税

アイリッシュ・パンクの代表的バンド、ザ・ポーグスの第3弾アルバム。カースティ・マッコールとのデュエットで全英シングル・チャート2位を記録したクリスマス・ソング「ニューヨークの夢/Fairytale Of New York」を含む13曲入り。プロデュースにスティーヴ・リリーホワイトを迎えた1988年オリジナル・リリースの名盤。バンド結成35周年の2017年、初の紙ジャケット&SHM-CDでリリースされた。

ジョン・レノン/JOHN LENNON & PLASTIC ONO BAND『ジョン・レノンの軌跡[シェイヴド・フィッシュ]/SHAVED FISH』

ユニバーサルミュージックより発売中 TOCP-65525 ¥2,670(税込)

シングルとして発表された「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)/Happy Xmas (War Is Over)」を含む、ジョン自身の編集による唯一のコンピレーション・アルバム。同曲のレコーディングは1971年10月28日と31日にニューヨークのレコード・プラント・スタジオで行われた。ハーレム・コミュニティ・クワイアがバッキング・ボーカルで参加。アルバム『イマジン』に続いてフィル・スペクターが共同プロデューサーを務め、反戦歌として制作された。ほかに「マザー」「イマジン」「マインド・ゲームス」等全11曲を収録。

クリス・レア CHRIS REA『オン・ザ・ビーチ(デラックス・エディション)/ON THE BEACH (DELUXE EDITION) 』

ワーナーミュージックより発売中 WPCR-18281/2 ¥2,700+税

「ドライヴィング・ホーム・フォー・クリスマス/Driving Home For Christmas」は、元々は1986年のシングル「ハロー・フレンド」のBサイド曲としてリリースされた。クリス本人はこの曲が出来た経緯を次のように語っている。
「俺は車で飲みに出かけるのを禁じられていたから、妻がモーリス1000を運転して俺をロンドンまで送って、迎えに来て、ミドルズブラまで連れて帰ってくれていた。ある日、かなりの雪道が続いて、ノッティンガムの近くで完全に動けなくなって、除雪車が来るのを待つしかなくなったことがあった。その間に俺は気分を上げる歌詞を書き留めていって、その歌詞はしばらくしまわれたままだった」
「キーボードメーカーのローランドの人が、新しいデジタル・ピアノを2台持ってきてくれていて、マックス・ミドルトンと俺は、その良さを判断するにはカウント・ベイシーみたいなのを弾いてみるのが一番いいと思った。それで俺がマックスに、『(ホルスト・ヤンコフスキーの)“森を歩こう”を覚えてるか?』って言って、リフをちょっと口ずさんでみて、その流れで二人で弾き始めた。そこに俺があの雪の日のドライブで書いた歌詞を加えていって、それで出来上がったのが“ドライヴィング・ホーム・フォー・クリスマス”だったんだ。俺達は曲を作ろうとしていたわけじゃなくて、ただローランドを試し弾きしていただけだったから、そのテープはお蔵入りになった。でも実は、ヴァン・モリソンに送ろうかと思うところもあって、だから彼のために正しいキーでレコーディングしていたんだ。それを後にレコード会社の誰かが引っ張り出して、シングルのB面にくっつけたというわけだ。俺はまったく関わってないんだよ。それからDJに取り上げられるようになって――プロモーションに1円もかけたわけじゃなかったし、当時の俺達がやっていた音楽とは違うものだったから、理由はわからないけどね――そうやってヒット曲になったんだよ。あの曲にはどこか伝わりやすいところがあったんだと思う――心が和ませるような何かがね」
大ヒット・アルバム『オン・ザ・ビーチ』(1986年作品)に、貴重な楽曲を含むアディショナル・レコーディングスのCDを収録した2枚組デラックス・エディション。「オン・ザ・ビーチ」から「ドライヴィング・フォー・クリスマス」(初期ヴァージョン)まで全26曲(2019年リマスタリング)を収録。

photo by Mariko Miura

著者プロフィール:山口洋(HEATWAVE)

1963年福岡県生まれ。1979年にHEATWAVEを結成。90年、アルバム『柱』でメジャー・デビュー。1995年発表のアルバム『1995』に収録された「満月の夕」は阪神・淡路大震災後に作られた楽曲で、多くのミュージシャン、幅広い世代に現在も歌い継がれている。“ミュージシャンズ・ミュージシャン”としてその名を挙げるアーティストも多く、近年は野外フェスやR&Rイベントへの出演も多い。バンド結成40周年を記念し、11月10日高松オリーブホールからスタートした全国ツアーも盛況のうちに12月13日大阪バナナホール、22日東京 日本橋三井ホールを残すのみとなった。スタジオ・アルバムとしては2年ぶりとなる新作『Blink』を12月6日にリリースしたばかり(会場にて販売中)。複数会場を廻ったリスナーに抽選で最新アルバム全曲のオリジナルカラオケが当たる40周年企画「ツアー開催地ラリー」を12月21日まで開催中(詳しくはhttp://no-regrets.jp/news/2019/1027_rally/)。古市コータロー(コレクターズ)とのユニット“50/50”によるfirst tour 2020『俺たちの場所』が2020年1月28日浜松 窓枠を皮切りにスタートする。

オフィシャルサイト
http://no-regrets.jp/index.html

ライブ情報

HEATWAVE 40th Anniversary Tour 2019
12月13日(金)大阪 バナナホール
12月22日(日)東京 日本橋三井ホール
詳細はこちら

SMILEY’S CONNECTION~ノイズホテル TOKYO~
出演:フルノイズ(from 福岡)、山口洋(HEATWAVE)、百々和宏 with有江嘉典
12月8日(日)渋谷 LOFT HEAVEN
詳細はこちら

50/50 (山口洋&古市コータロー) first tour 2020『俺たちの場所』
1月28日(火) 浜松 窓枠
2月4日(火) 神戸 VARIT.
2月14日(金) 仙台 CLUB JUNK BOX
2月19日(水) いわき club SONIC iwaki
詳細はこちら

リリース情報

HEATWAVE
『Blink』

NO REGRETS / HWNR-021 ¥3,500+税

1. Freedom
2. Blink
3. Brotherhood
4, Heavenly
5.君を超えて
6.私がこの世から消える日
7.ぜんぶイチからやり直せ
8.コンプライアンス
9. Nothing or Empty
10. Open
11.夢に取り組んでみよう

HEATWAVE
「HEAVENLY」

NO REGRETSよりライヴ会場および通販で発売中
HWNR-020 ¥1,100+税

1. HEAVENLY

HEATWAVE OFFICIAL SHOP

Driving Home For Christmas / Chris Reaは、【es】エンタメステーションへ。

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