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老後に不安を覚えたらコレ! 経済ジャーナリストが説く2000万円なくても老後資金を確保する方法

ダ・ヴィンチNEWS

『やっぱり借金減らして現金増やせ!』(荻原博子/セブン&アイ出版)

 先行きの暗い日本に住む以上、お金の不安から逃れるのは難しい。消費税をはじめとする税金の負担は今後も重くのしかかり、老後を支える社会保障は先細りする予感。自分の老後資金は自分で確保しなければならない。

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 しかし日本企業の賃金は伸び悩み、政府が奨励する投資は「元金保証」されていないものが大半。下手な手を打てば、自分で自分のクビをしめかねない。これから私たちはどう生きればいいのか。

 そんな迷いが頭に浮かんだときは、ぜひ『やっぱり借金減らして現金増やせ!』(荻原博子/セブン&アイ出版)を手に取ってほしい。経済ジャーナリストの荻原博子さんが「2000万円なくても老後資金は足りています!」と勇気づけてくれる。

■サラリーマン家庭は加給年金に該当するか確認せよ!

 年金支給額を増やすテクニックとして「繰り下げ受給」がある。年金支給開始年齢である65歳より1カ月遅らせるごとに、年金額が0.7%ずつ加算されていくのだ。たとえば70歳まで繰り下げ受給した場合、65歳で毎月10万円もらえる人ならば、14万2000円に増加する。驚異の42%増だ。

 荻原さんによると、70歳まで受給を待った人は、81歳11カ月を迎えることができれば、65歳から受給を開始した場合より年金を多くもらえるそうだ。

 このテクニックはさまざまなメディアで報じられているので耳にしたことがあるだろう。しかし荻原さんは本書でひとつ注意を促している。「加給年金」だ。

 サラリーマンや公務員は老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金が受給できる。この老齢厚生年金には、まだ65歳になっていない年下の妻がいたり18歳未満の子どもがいたりすると、家族手当にあたる「加給年金」がつくのだ。その額、年間22万4300円(2018年度)。場合によっては特別加算がついて、加給年金が最高約40万円にもなる。

 自営業者がうらやむ素晴らしい制度なのだが、繰り下げ受給を選択してしまうと、遅らせた年数分だけ加給年金がもらえなくなるかもしれない。これは大変だ。そこで年下の妻や18歳未満の子どもがいる場合は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に受給しよう。

 たとえば「老齢基礎年金は70歳まで繰り下げ受給して増額し、老齢厚生年金は通常通り65歳から受給する」という具合だ。この記事を読んで思い当たる人は、年金事務所に相談である。

■寿退社の経験がある人は企業年金を確認せよ!

 加給年金に並んで忘れてはいけないのが、企業年金だ。なかでも多いのが、勤め先の企業が公的年金に上乗せして、独自に厚生年金基金を積み立てているケース。平成28年度には、企業年金を未請求にしている人がなんと約120万人いたそうだ! 老後資金2000万円時代に大変な損失である。

 特に「結婚で寿退社した人」は要確認だ。結婚して姓や住所が変わり、請求する旨の通知が本人に届かず、本人も企業年金を忘れたまま過ごしている可能性がある。厚生年金基金はたった1カ月加入しただけでも一生涯もらえるので、気になった人はぜひ企業年金連合会「企業年金コールセンター」に電話してみよう。ネットでのアクセスも可能だ。

■「106万円の壁」と「130万円の壁」に要注意

「加給年金や企業年金なんて無縁だ」。そんな人はおそらく夫婦で共働きの選択になるはず。そこで気をつけたいのが、「106万円の壁」と「130万円の壁」だ。

 これまでは「103万円の壁」として認知されてきたが、法改正により配偶者控除が150万円まで拡大されたことで、新しく別の壁が誕生したのだ。知らない人はぜひ覚えておこう。

「106万円の壁」とは、従業員数501人以上など一定の条件をクリアして年収106万円を超えると、厚生年金や健康保険に加入しなくてはならない壁のこと。保証が手厚くなる反面、手取りが減る。

 一方「130万円の壁」とは、パート年収が130万円を超えた妻に襲いかかる壁だ。サラリーマンの妻は夫の扶養に入っているので、年収129万9999円までならば保険料を納めなくても年金や健康保険などに加入できている。しかし130万円を超えた途端、それまで払わなくてよかった年間30万円弱の各種保険料を支払う必要が出てくる。大損しないためにも、パート先での働き方は気をつけよう。

■傷病手当金と出産手当金をしっかり活用しよう

 サラリーマンならば活用したい公的保障が「傷病手当金」だ。もし病気や怪我で働けなくなっても、休んでいる間は給料の3分の2が支給される。ただし傷病手当金は最長でも1年半の支給。それ以降は、完治するまで「障害年金」が支給される(ただし額も変わる)。

 また働く女性は「出産手当金」も覚えておこう。出産のために会社を休むと給料の3分の2が支給される。支給される期間は、出産日前の42日間と出産後の56日間を合わせて、合計98日間。給料が30万円ならば、最大で約60万円がもらえるのだ。

 これとは別に、出産する女性の誰もが「出産育児一時金」42万円がもらえるので、合計すると約100万円になる。年金をはじめとするさまざまな社会保障が批判の的になっているが、しっかり活用すれば誰でもトクすることを覚えておこう。

■「1000円生活」で買い物達人になるべし

 生活費を抑えるうえで着目しやすいのが食費だ。月に4万円くらいでやりくりしたい人は、ぜひ「1000円生活」で買い物達人になってみよう。食費4万円のうち、1万円は米やパン、味噌や醤油といった主食と調味料関連の予算にする。そして残りの3万円はおかずに回す。つまり1日あたりのおかずの予算は1000円だ。

 毎日買い物に行く人は財布に1000円だけを、3日に1回買い物に行く人は3000円を財布に入れて出かけよう。たった1000円で朝食と夕食の材料をそろえようとすると、かなり真剣に考えないとお金が足りなくなる。自然と商品の底値やセール情報に対して敏感になるのだ。この生活を1カ月も続ければ「買い物の達人」になれるはずである。

■住宅ローンの繰り上げ返済という超優良金融商品

 ようやく日本でも投資に興味を持つ人が出てきた。しかし投資はしっかりした知識がないと損失を出しかねないので、安易に手を出すのも考え物である。そこで注目したいのが住宅ローンの繰り上げ返済だ。

 たとえば3000万円の物件を35年ローンの金利1.5%で購入したとすると、利息は総額858万円にもなる。とんでもない大金だ。

 物件を購入してから3年後、もし100万円を繰り上げ返済したとすると、約60万円の利息が減少する。投資に例えれば、100万円を投資して確実に60万円の儲けを出すようなものだ。こんな超優良金融商品はほぼ見つからない。投資を検討する人は、まずローンをはじめとする借金を減らして現金を増やそう。

 このように本書で解説されるお金の話は、単純明快で誰でも実践できるものばかり。このほか「公的年金で生命保険がカットできる」「物を減らすとお金が増える」「スマホはあなたのクローゼット」など、家計のスリム化を図る提案がなされているので、老後に不安を覚える人はぜひ参考にしてほしい。

 人は歳を重ねると働けなくなる。だから現役時代に必死で貯めたお金は本当に大事に使わなければならない。ぜひ本書を読んで、老後の正しい生き方を模索してほしい。

文=いのうえゆきひろ

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