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ケイコ・リーが2年ぶりにニュー・アルバム『The Golden Rule』を発売 アルバムにかけた想いとライブへの抱負とは

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ケイコ・リーが2年ぶりにニュー・アルバム『The Golden Rule』を発売 アルバムにかけた想いとライブへの抱負とは


人気・実力ともNo.1ジャズ・ヴォーカリストとして国内外で人気を確立しているケイコ・リーが2年ぶりのニュー・アルバム『The Golden Rule』を12月4日(水)にリリース。それに伴い、『“The Golden Rule” Launch Event』と題するイベントを12月4日(水)・5日(木)に渋谷のeplus LIVING ROOM CAFE & DININGで開催する。ニュー・アルバムにかけた想いとライブへの抱負を語ってもらった。

ーーニュー・アルバム『The Golden Rule』を12月4日(水)にリリースされますね。2年ぶりということですが、どんな想いが込められているのでしょうか。

これまで毎年のようにアルバムをリリースしてきたんですが、2年前にアルバムを出してライブも行い、バンドとも良い感じで馴染んできて身体に入ったという感触があります。それを経ての新アルバムなので、これくらいの期間がちょうどいいのかなと思っています。1年周期だと、曲や演奏が熟成する前に、もう次のアルバム製作に入らなきゃならないから慌ただしいので。

ーーサイケデリックなジャケットが素晴らしいですね。これは大串亮平さんにオファーされたとのこと。このいきさつを教えてください。

佐賀でライブをやった後の打ち上げで行ったレストランで、たまたま大串さんが個展をやっていらしたんです。その作品を見たときに“これは素晴らしすぎる”と思ったんです。ちょうどその頃、次のアルバムのコンセプトやアートワークを考えていたときだったので、作品のサイケな雰囲気やタッチが70年代~90年代の選曲とピッタリなんじゃないかと直感したんです。

ーーニュー・アルバム『The Golden Rule』は80年代AOR、ディスコ、ソウルなどが中心になっています。このコンセプトについて教えてください。

ウチのメンバーと次のアルバムのことを話していたときに「やっぱり僕らは70年代、80年代だよねー」という話になったんです。野力奏一(Pf)さんや岡沢章(Bs)さんはドンピシャの年代だし、私も背伸びしてその頃の音楽を聴いていたので。あまりマニアックなものじゃなく、タイトルを見たりワンフレーズ聴いただけで盛り上がれるような有名な曲をセレクトしようということになりました。それでもここまでに絞るのは大変でしたけど(笑)。音楽の黄金期ですから、良い曲がありすぎちゃって。

ーーそれにしても、AOR、ディスコ、ソウル、ハウス、ロック、ポップス、日本の曲カバー「Timeless」があって、もちろんジャズと、守備範囲の広さには驚きます。こういう素養をどうやって身に付けられたのですか。

邦楽はテレビが多かったんですが、洋楽はラジオがその頃は充実していたのでよく聴いていました。FM雑誌で何時何分に放送されるかを調べてそれをエアーチェックしていました。カセットテープに録音して。そういうときに聴いて身に付いたものを今回はセレクトしている感じです。

ーーでは、曲について聞いていきます。「We Will Rock You」ですが、この曲のメロディって独特で、ほぼ2ノートなんですよね。単調といえば単調ですが、これを歌いこなす秘訣とは。さらに音が混沌とするアレンジが効いています。

この曲はメロディというよりは、歌詞の言葉の強さで抑揚を付けるという感じかな。平坦に歌うと、どうにも格好良くならないんです。これは20年前くらいの録音なんですが、アレンジも含めてそんな前だったとは思えないですね。

ーー同じくクイーンの「Another One Bites The Dust」について。アルバムと同時発売される7インチ・アナログ盤にも収録されています。リミックスはT-GROOVEさん。この競演についても教えてください

これはアナログ盤でリミックスも出そうじゃないかという提案があって、そこに「We Will Rock You」とともに収録しようという話になったんです。そこでT-GROOVE​さんにお願いしようということになりました。彼は若いですが、私の大好きなディスコチューンのフレーバーをフィーチャーしていて、すごく格好良いんです。私は最初に買ったのがコモドアーズの「ザ・バンプ」だったんですが、そういうフィールをよくわかってくれる方。「ケイコさんに歌ってもらって、それを僕がディスコにしますから」って。私は、フレディ・マーキュリーなどのロック歌手のような強い歌い方ではないので、落としどころは難しかった。だから歌詞をよく読んで咀嚼して、私に合うテンポやアレンジを探したんです。

ーー原曲よりゆっくりめのテンポなんですよね。そのトラックにケイコさんの低音のヴォーカルが響いてシビレました。演奏は野力奏一さん、岡沢章さん、渡嘉敷祐一(Ds)さんなどのいつものメンバーですね。

アナログ盤の方はリミックス・バージョン、CDの方はバンドメンバーの一発録りです。今回はギターに若手の吉田サトシさんを起用しました。渡辺貞夫さんを筆頭に、歴戦の先輩方に囲まれて緊張したと思いますけど、すごい才能で上手いんです。​でも、ベテランと若手を引き合わせることも、私たちの仕事だなと思ったので今回の起用になりました。吉田さんはこれからのライブにも参加するので、ウチのメンバーに徹底的に鍛えられるでしょうね(笑)。

ーー「The Golden Rule featuring 渡辺貞夫」での渡辺さんとの共演もケイコさんの声とのマッチングが素晴らしいです。

渡辺さんには『Keiko Lee sings THE BEATLES』のときも2曲共演​させていただいて、そのときも「日本のヴォーカリストとの共演を貞夫さんがやるのは珍しい」と言われていたんです。でも、今回の「The Golden Rule」を作曲しているときに、貞夫さんのサックスのイメージがすごく湧いたんです! それでダメモトでご相談したらオーケーを頂いて、​本当に光栄でした。録音を終えた後に「なんか70年代に戻ったみたいで懐かしいなぁ」とおっしゃってくれて。私の音楽人生の中でも宝物の一つです。「The Golden Rule」と「We Will Rock You」はMVも撮って初回生産限定盤のDVDに収録されるので、そちらも見てください。

ーーさらに、「The Flame(Dimitri From Paris Remix)」。こういう4つ打ちでシンセベースがバリバリのディスコナンバーも、今の時代としては新鮮に響きます。

これは2003年に私が作った曲のリミックスです。これも今回のコンセプトに合うんじゃないかと思って入れました。DJ/プロデューサーのDimitri From Parisがリミックスをしています。どんな風にしたいですか、と聞かれたので、チャカ・カーンの70年~80年代の曲を何曲か送って、「こういう感じ」とお願いしたら、当時と今のよさを兼ね備えた素敵なリミックスにしてくれました。オリジナルではギターを松木恒秀さんが弾いてくれていたんですが、そのギターも前面に出してくれて。最初に聴いたときは、松木さんの顔が浮かんで泣けてきました。

ーー「You’ve Got A Friend」「You Are Everything」は男性コーラスが入っています。ケイコさんも伸びやかに歌われていますね。

これ、ベースの岡沢さんが歌っているんです。今回はコーラスというよりも歌手として前面に出るように歌ってもらいました。ブラック・フィールに溢れている声でしょ? 私も気持ちよく歌えました。

ーー「You Are Everything」は直前に曲として「Overture」が入っています。このアイデアは?

映画の中でよくありますよね? 序章の演奏の後に、歌が始まるっていう。この曲を映画のワンシーンのようにしたかったんです。なかなか素敵な雰囲気になっていると思います。

ーーこのアルバムのローンチイベントが12月4日(水)・5日(木)にeplus LIVING ROOM CAFE & DINING(渋谷)で開催されます。どんなライブになりそうですか。

このときは、このアルバムを大きくフィーチャーするというよりは、ステージと客席が一体になって楽しんでもらうものにしようと思っていて、ゲストに入ってもらうんです。桑野信義さんと岡本真夜さんが来てくれます。お2人ともライブに来て下さった事がきっかけで仲良くさせてもらってます。お互いのレパートリーを一緒に歌ったり伴奏し合ったりする予定です。私の新譜も事前にお渡しして、その楽曲の思い出もお2人から聞きたいですね。お2人のヒット曲も共演予定です。​

ーーリリースライブは12月29日の名古屋ブルーノートから始まって、2020年2月6日のBillboard-LIVE 東京、2020年3月23日・24日のBillboard-LIVE 大阪と続きますね。

このときは、野力奏一(p,key)、岡沢章(b)、渡嘉敷祐一(ds)、吉田サトシ(g)というメンバーで、アルバム曲を中心にお聞かせしたいと思っています。でも、私たちはヘヴィメタを演った後にバラードを演るとかが大好きなので、そういうのも楽しんでもらえると思います。

取材・文=森本智

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