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バルセロナ対アトレティコ、圧巻だったメッシ。主役を奪われた古巣対決グリーズマンの活躍は…

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バルセロナ対アトレティコ、圧巻だったメッシ。主役を奪われた古巣対決グリーズマンの活躍は…

 <h2>マドリーに帰ってきた旧「7」番

 ラ・リーガ第15節アトレティコ・マドリー対バルセロナの一戦が、現地時間1日に行われて、アウェイチームが0-1で勝利をした。世界屈指の実力を持つ両者の一戦は言うまでもなくレベルが高く、見応えのある試合だった。そして均衡をした試合展開の中で、一瞬のスキを見逃さなかったのはやはりあの男だった。(文:松井悠眞)

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 今夏、アトレティコ・マドリーからバルセロナに移籍をしたFWアントワーヌ・グリーズマンが移籍後初の古巣との試合を迎え、このワンダ・メトロポリターノに帰ってきた。凱旋試合となったが、もちろんボールを受ける度にアトレティコサポーターからは大ブーイングを浴びせられ、試合前のウォーミングアップではかなり汚い言葉で罵られた。それはアトレティコ時代に愛されていたという証拠でもあるが、今のアトレティが憎しみを持っている証でもある。

 そして新旧「7」番対決も見どころの一つだった。お互いに100億円越えで移籍をして重圧がかかり、FWジュアン・フェリックスはグリーズマンかた背番号「7」を継承した。残念ながらフェリックスは90分ピッチの上に立つことは出来ず、負傷明けだったこともあり後半65分にビトーロと交代をした。一方のグリーズマンも特に目立った活躍をすることはなかった。

 またシメオネ監督はこの試合前の前日会見と試合終了後の会見でグリーズマンに対するコメントを求められたが一貫して「話すことはない」と意見を述べている。今に集中をするシメオネ監督らしい回答である。

 やはり、試合前の主役はグリーズマンだったと言える。
 
 さて、この日のスターティングメンバーだが、アトレティコの左SBはレナン・ロディではなくサウールを起用して、お馴染みの4-4-2の布陣で挑んだ。
GK:ヤン・オブラク
DF:サウール・ニゲス、マリオ・エルモソ、フェリペ、キーラン・トリッピアー
MF:コケ、トーマス・パーテイ、エクトル・エレーラ、アンヘル・コレア
FW:アルバロ・モラタ、フェリックス

 一方のバルセロナは古巣対戦となったグリーズマンを左WGで起用をして、こちらもお馴染みの4-3-3のシステムでアウェイの地に乗り込んだ。
GK:マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン
DF:セルジ・ロベルト、ジェラール・ピケ、クレマン・ラングレ、ジュニオル・フィリポ
MF:イバン・ラキティッチ、フレンキー・デヨング、アルトゥール
FW:リオネル・メッシ、ルイス・スアレス、グリーズマン

 試合は非常にハイレベルな展開になった。特に前半はアトレティコが前に出てきたこともあり、バルセロナが押される場面も多かった。そのためデータサイト『Who Scored』によると、前半だけでシュートはアトレティコが11本、バルセロナが6本とホームチームが倍近くシュートを打った。しかしポゼッションは従来のチームの特徴通り、アトレティコ34.8%:65.2%とバルセロナが圧倒する。

ハイレベルな前半

 アトレティコはホームということもあり、インテンシティを高く持ちプレッシャーをかけていく。縦パスやスアレスに入るパスをカットして、ロングカウンターやショートカウンターに繋げる場面が多かった。攻守の切り替えが非常に早く、この試合にかける意気込みというのを感じた。

 一方のバルセロナはポゼッションこそ圧倒するものの、アトレティコの堅硬な壁を前になかなかチャンスを作ることが出来なかった。メッシがボールを持った際に、パスの出しどころがなく怒りを露わにするシーンも見られた。

 まず決定期を迎えたのはホームのアトレティコ。前半19分に右サイドからフェリックスがクロスをあげると、直前のフリーキックから残っていたエルモソが右足で合わせるも、テア・シュテーゲンのビッグセーブに阻まれる。

 前半20分を過ぎた段階でシュート数はアトレティコが7本を放ったのに対して、バルセロナは0本とまったく良い場面を作れなかった。しかし25分に相手陣内深くでメッシがボールを奪うとフリーになっていたラキティッチにパスを出して、この試合最初のシュートを放つ。これはオブラクの正面となってしまった。

 その後、39分にモラタがコーナーキックから頭で合わせるも、再びテア・シュテーゲンのビッグセーグに阻まれてしまう。その2分後の41分には今度はピケがCKからヘディングでシュートを打つもクロスバーに阻まれるなど、両者セットプレーからも決定期を作り出した。

試合を決めた10番

 アトレティコは後半に入ると、前半とは打って変わって目立ったチャンスを作れなくなる。そして一瞬のチャンスを見逃さなかったのは、やはりあの男だった。

 後半85分にメッシが中央でスアレスとパス交換。そのままダイレクトでゴール左隅に決めた。これまでボールは受けるが、目立った活躍をすることがなかったメッシが終了間際にスコアを動かした。

 まさに圧巻の一言だ。メッシは11月27日に行われたUEFAチャンピオンズリーグ(CL)第5節のドルトムント戦でも1G2Aの大活躍を見せたが、この試合でも違いを見せた。この男がいるか、いないか。それが勝負を決めたと言っても過言ではないだろう。

 一方のアトレティコは惜しくも敗戦はしてしまったが、決して悪い内容ではなかった。前半はサイドを中心に攻めて、バルセロナよりも多く決定期を作りゴールを脅かした。しかし一つ言えるのは、そこでゴールを奪えなかったのが痛かったということだ。

 今季のアトレティコはこれまで見せた最小得点で逃げ切るということが出来なくなっている。先にゴールを奪っても追いつかれる試合、この試合のように先制点を奪われて追う展開になる試合と今まで見せた「粘り勝つ」ということが出来なくなっている。

数字以上に意味がある勝ち点3

 この試合の結果でバルセロナは再び首位に立つことになる。この一戦の前日会見に出席したエルネスト・バルベルデ監督は「私たちはこの一戦を重要な一戦と捉えている」とコメントを残している。現地時間18日にレアル・マドリーとの一戦を控えており、決して順調に進んでいるわけではないバルセロナにとって、この試合で得た勝ち点3は精神的に余裕が出る。数字以上に価値のある3ポイントとなったと言えるだろう。

 一方のアトレティコはこの敗戦で上位陣から離されてしまった。勝ち点25で6位に転落。成績は6勝7分2敗、この試合を含めて直近5試合で勝利をした試合は1試合と波に乗れていない。クリーンシートもCLを合わせると、8試合前のリーグ戦第10節のビルバオ戦まで遡らないといけない。

 もしこの試合に勝つことができれば4位に位置することが出来た。そういった意味でも、アトレティコにとってもこの試合はホームということもあり、是が非でも勝ちたかった試合だった。今まさにチームは正念場を迎えていると言っていい。

 リーグ戦も3分の1が終了をしている。まだ優勝争いを論じるには早いかもしれないが、前述した通りバルセロナは精神的に余裕が生まれて、これからのリーグ戦を落ち着いて戦うことが出来る。一方のアトレティコは再び上位に食い込むために、これ以上勝ち点を落とすことは出来ない。これから更に激しさを増していくリーグ戦から目が離せない。

(文:松井悠眞)

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