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高校1年秋の時点で通算21本塁打。大型外野手・吉野創士(昌平)の完成形は鈴木誠也だ

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 2019年、3季連続で県ベスト8入りを決めた昌平に、高校野球を騒がさせそうな逸材が現れた。その名は吉野 創士。185センチ74キロと恵まれた体格に、遠投105メートルの強肩、50メートル6秒1の俊足に、1年秋の県大会を迎える時点で高校通算21本塁打。

 さらに投げても135キロの速球を投げ込むアスリート型のプレイヤーだ。今、プレミア12のMVPになった鈴木 誠也(広島東洋カープ 二松学舎大附出身)が話題になっているが、その系譜を受け継ぐ可能性を持った逸材といっていいだろう。そんな吉野の歩みを振り返る。

小学校は千葉ロッテジュニア。中学では通算35本塁打。才能は当時から際立っていた

高校1年秋の時点で通算21本塁打の吉野創士(昌平)

 近年、選手のレベルが高くなった昌平の環境でも吉野の存在感は引き立つ。ライトのポジションから放たれる強肩はダイレクトでキャッチャーミットに収まる。走攻守の中で最も自信があるのが守備で、「特に自信があるのは肩です。外野返球は誰にも負けないつもりですし、カットマンを使わない送球を投げたいと思っています」と胸を張る。

 そして打席に立てば、タイミングに合った時はものすごい打球を飛ばす。多大なる可能性を秘めた吉野の野球人生は幼稚園年少からだった。

 小学校時代は舞浜フェニックスでプレーし、当時はいろいろなポジションをこなしていた。当時からセンスは長けており、小学校6年時には千葉ロッテジュニアに選ばれ、ジュニアトーナメントに出場する。

 そして城南ボーイズに進むと、ショートとしてプレー。守備力の高さには自信を持っていたが、中学2年生の時に守備でミスを犯してしまい、監督から肩の強さを評価され、外野手へ転向する。

 この転向は成功し、強肩強打の外野手として活躍するようになり、中学通算35本塁打の長打力を評価され、報知オールスター東東京選抜に選ばれるなど、ボーイズ屈指の強打者として活躍。県外の強豪校から誘いを受け、そこには甲子園常連の学校の名前もあった。

 しかし城南ボーイズの大枝茂明監督から、吉野の性格上、昌平が一番伸びると勧められ、実際に練習を見てみると、「活気があって、先輩たちは気合が入っていますし、黒坂監督と話をして、昌平でプレーしたいと思いました」と振り返る。

類まれな素質を最大限に生かす技術習得を

大型外野手・吉野創士(昌平)

 そして入学すると1年春の地区予選からレギュラーとして起用される。
 「レベルが高い先輩が多かったですし、なんとかベンチ入りできればと思っていたのですが、いきなり起用されて驚きました」と振り返るが、いきなり走攻守で高い潜在能力を発揮し、存在感を示す。

 夏まで黒坂監督からタイミングの取り方の指導を受ける。
 「自分はタイミングを取るのが遅かったので、なるべくタイミングを取るように指導を受けたことと、また無駄な動きが多かったので、シンプルな形で打てるよう心掛けました」

 また食トレにも励み、入学当初は183センチ69キロだったが、185センチ74キロまでサイズアップする。そして夏の大会では3回戦の草加東戦で2本塁打を放つ。この2本塁打について吉野は興奮気味に振り返る。
 「まず1本目はストレートを狙っていてその狙い通りのストレートがきました。それが外角低めにきたのですが、うまく救い上げることができたんで、スライダーにあてに行った感じなので、うまく合わせられた 監督の教えが生きた感じよです」

 ベスト8に終わったが、17打数7安打8打点と1年生として上々のデビューとなった。

 大会が終わっても、夏休みの練習試合では1試合2本塁打を放ったり、地区大会前の新人戦の越ヶ谷戦では3打席連続本塁打を放つ。
 「レフト、レフト、ライトといろいろな方向に打つことができました」と笑顔で振り返る吉野。秋季県大会前で、高校通算21本塁打と驚異的なペースで積み重ねている。

 現状の課題はタイミング。打撃練習を見てもタイミングが合わず苦しんでいる姿が見られ、先輩たちからもタイミングの合わせ方についてのアドバイスを受けてもらっている。
 「自分の最大の課題だと思っています。タイミングがあえば、監督さんから『お前は何本でもホームランは打てるようになるから』とアドバイスをいただいて、日々、工夫しています」

 そのために動画サイトで、目標とする井上 広大(履正社 阪神2位)の打撃の動画を見ながら、タイミングの取り方を研究している。

 そんな吉野の現状についてこう語る。
 「タイミングが合っていないと思っていても当てただけで本塁打にしたり、感覚だけでほかの選手にはないような成果(本塁打)をしてしまうことが多いんですが、それは高いステージでプレーすることを考えればよくないことです。今のままだと高い投手のレベルには対応できないので、しっかりと技術を習得させることを進めています。それができれば、凄い選手になると思いますよ」

 将来的には井上のように技術で好投手から本塁打を打てるスラッガーを目指している吉野。そのレベルに到達すれば、一級品の足、肩があるだけに、鈴木 誠也の再来として騒がれる可能性は十二分に持っているだろう。

 残りの約2年で、どんなプレーヤーに育っているのか、その歩みが見逃せない。

(取材=河嶋 宗一)

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