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日本シリーズなど、他リーグのチームとの試合では守り方も異なる?/元ソフトバンク・柴原洋に聞く

週刊ベースボールONLINE

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者は現役時代にゴールデン・グラブ賞を3回獲得した、元ソフトバンクの柴原洋氏だ。

Q.日本シリーズや近年は約1カ月に及ぶ交流戦もありますが、データを当たり前に利用する現代の野球で、普段対戦することのないリーグのチームとの試合では、外野手の守り方はレギュラーシーズンと多少なりとも変わるのでしょうか。(新潟県・28歳)



A.日本シリーズと言っても基本的な守り方は変わりません。近年は得られる情報量が多く、選手としてはやりやすい環境に



今年の日本シリーズ、ヤフオクドームでセンターの守備に就いた巨人・丸

 私が現役時代、しかもクライマックスシリーズのようなポストシーズンゲームがない時代は、「先乗りスコアラー」と呼ばれるスコアラーさんがいて、優勝が決まりそうな時期から日本シリーズで当たるであろうチームに密着し、さまざまなデータを収集してくれていました。これを日本シリーズ直前のミーティングで整理して説明してくれます。例えば「このバッターは引っ張りが多いですよ」や、「得点圏にランナーがいる場合は、流すことのほうが多い」というような情報を共有していました。

 このような情報を基に、自分のベースとなるポジションからこのバッターでは少しこっち、このバッターはこっち、としていたのを覚えています。もちろん、シリーズを戦う中で生の情報も得られますし、その日の状態というのも見えてきますから、そのから先のアレンジは各選手に任されていました。差し込まれていると感じれば、もう少しこちらに寄ろうとか、引っ張り気味ならばデータとは違うけど定位置にいよう、と。レギュラーシーズンと守り方が変わるかと言えば、そうでもありません。情報が少ない分、戦いながらの収集も必要ですが、それはレギュラーシーズン中も常にやっている(アップデートしている)ことですからね。

 現代のデータ事情を詳しく知っているわけではないですが、選手一人ひとりにタブレット端末が配られて、ミーティングで話し合われた情報はもちろん、それ以外のデータにもすぐにアクセスできるそうです(もちろん、チームによっても異なりますが、ミーティングに割く時間も短縮され、「これ見ておけ」で十分なようです)。データ自体もわれわれのころよりもさらに細かく、それこそ打球速度なども分かるようですね。

 いまは交流戦もありますし、スコアラーさんはいますが、データを専門に扱う企業と提携している場合も多く、例えば他のリーグのチームの情報も常にアップデートが可能な環境にあるので、日本シリーズを前にした材料としては豊富です。スコアラーさんとは別に、データを解析・分析する専門の部門を持つ球団もありますね。

 選手としてはかなりやりやすい環境にあるのは確かで、今の選手たちはそのデータと試合で得た感覚をうまく融合させているのではないでしょうか。

●柴原洋(しばはら・ひろし)
1974年5月23日生まれ。福岡県出身。北九州高から九州共立大を経て97年ドラフト3位でダイエー(現ソフトバンク)入団。11年現役引退。現役生活15年の通算成績は1452試合出場、打率.282、54本塁打、463打点、85盗塁。

写真=BBM

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