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「こっくりさん」をした人たちの恐ろしい結末とは? 京都で本当に起こった怪談と住職による説法集

ダ・ヴィンチNEWS

『続・怪談和尚の京都怪奇譚』(三木大雲/文藝春秋)

「怖いもの見たさ」とはよく言うが、好奇心で怖い遊びをしたり、曰く付きの場所を訪れたりした経験のある人は多いのではないだろうか。特に若い頃には、仲間との軽いノリからありがちなことだ。しかし、場合によっては恐ろしい結果を迎えることもある。『続・怪談和尚の京都怪奇譚』(三木大雲/文藝春秋)は、そのような人間の、ある意味業ともいえる行動を戒めてくれる書籍だ。

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 筆者が本書で特に興味をひかれたのは「こっくりさん」。地域や世代によって違いはあるだろうが、小〜中学生の頃にやったことのある人、または近くで見ていた経験がある人もいるだろう。

 本書の説明によれば「こっくりさん」とはそもそも、明治時代に日本に漂着したアメリカ人が行った降霊術がもとになっているらしい。日本では「狐狗狸」の字を当てることもある。

「狐狗狸」と書くことから、狐などを呼び出す遊びと考えられている地域もある。しかし、実際には何らかの霊を呼び出してしまったと考えられる事象も多く、体調が悪くなったり不可解なことが起こったりすることもあったそうだ。そのため、子どもが遊ぶこと自体を禁じた地域もあったとか。

 本書に書かれているのは、大人が遊びで行った「こっくりさん」にまつわる実話。ある社員寮で数名の社員が「こっくりさん」に興じたところ、知らない女性が降霊してしまう。「誰が(コインを)動かしてるんだ?」の問いに女性の名が示され、これに驚いた社員の一人がコインから指を離してしまうのだが、そこから社員寮で恐ろしいことが起こりはじめる。「こっくりさん」は帰ってもらうまで指を離してはいけないのがルールだ。そのルールを破ったことで社員寮がどうなっていったか、結末はぜひ本書で読んでほしい。

 もう1つ、今度は曰く付きの場所に遊び半分で行ってはいけないという話を紹介しよう。「船岡山公園」にまつわる話だ。ここはその昔刑場として使われていた、古くから曰くのある場所。そこで起こった殺人事件の現場に行こうと、男子中学生が数名で訪れたときの怪異事件だ。

 夜に肝試し感覚で現場を訪れた彼らは、ひとまず何の異変もなくその場を通り過ぎる。ところが、来た道を戻ろうとした時点で妙な光景を目にする。自分たちがさっきまでいた場所に見知らぬ男たちが整然と座っているのだ。しかも、何やら怪しげな会話まで聞こえてくるではないか。

 しかし、帰る道はそこ以外にない。恐怖にかられながら意を決して男たちの横を通り過ぎて安堵するも、次の瞬間一気に恐怖が押し寄せる。男たちが異様な速さで追いかけてきたのだ。必死に逃げる彼らは無事逃げ切れたのだろうか? 最後まで息もつかせぬ内容だ。

 本書に書かれているのは、怖い話ばかりではない。心が温まる不思議な話も掲載されていて、例えば「あげた薬指」。タイトルからして興味をそそられるが、これは薬指を失ったある女性の話である。彼女が特定の場所を通るたびに、「指ちょうだい」という不可解な声を聞くようになる。その声が次第に強まりつつある中、彼女は遂に事故で指を失ってしまう。ところが数年後、ある人物にその指がプレゼントされていたことが発覚するのだ。一体その人物とは誰なのだろうか? 怖い話だが、感動してしまう結末に感じた。

 著者である三木大雲氏は、現在、光照山蓮久寺の住職に就任されていて、本書には三木住職が光照山蓮久寺に導かれたきっかけも掲載されているが、こちらも不思議な内容だ。

「無念」「供養」「呪い」「巡る」「禁戒」の5章から成る本書には、実話の紹介とともに三木住職の説法も書かれているのが面白い。怪奇集ではあるが、全編怖いだけではなく、いろんな味わいがあるところがよいと思う。どれも読みごたえがあるが、「呪い」の章はかなり興味深い。他人への干渉や嫉妬などが多く見受けられる昨今では、この章に書かれているようなことは現実味がある。しかし、身勝手な思いや遊び半分な気持ちで霊的にせよ物理的せよ、事を起こすとどうなるか。本書を読むと考えさせられてしまうこと必至だ。

文=いしい

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