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【MLB】菊池涼介はMLB球団からチャンスをもらえるか!?

週刊ベースボールONLINE


データ重視全盛のメジャーではいろいろなポジションを守れる選手が尊重される。広島の菊池は、それをこなし、さらに彼の特長を生かすことができるか!? そのチャンスを与えるチームはあるのだろうか

 このオフ二塁手獲得が最優先事項なのはインディアンス、レッドソックス、ナショナルズなど。アリゾナ州スコッツデールのGM会議で、インディアンスのマイク・チャーノフGMに聞いてみた。以前は井口資仁、松井稼頭央、岩村明憲ら日本人二塁手が毎日試合に出ていたが、近年はまったく見なくなった。

 MLBでは守備ではシフトを多用し、攻撃でパワーのある選手が二塁に回るようになった。野球が変わってしまったからなのか、と。

「私は当時と比べて二塁手に求められるものが大きく変わったとは思わない。ただ最近では二塁手で、三塁、あるいは遊撃もできる選手が増えている。12年前と違い、今は野手をきっちり休ませながら使う。ダイヤモンドを移動して、いろんなポジションがこなせる野手が必要。監督にとって選択肢はなるべくたくさんあった方が良い。対戦相手によってフレキシブルに起用できる」

 監督は相手投手の攻略にベストのラインアップを組みたい。例えば19年のドジャースはマックス・マンシーが一塁、二塁、三塁、コーディ・ベリンジャーが一塁、右翼、中翼、クリス・テイラーが二塁、三塁、遊撃、右翼、中翼、左翼を守った。デーブ・ロバーツ監督は数多くの選択肢から一番相手投手が嫌がるラインナップを組めた。

 今後、日本人野手がメジャーを目指すなら、複数のポジションをこなせるようになっておくべきだろう。その点筒香嘉智が左翼だけでなく、三塁もやっておいたのは良かった。広島カープからメジャーを目指す菊池涼介は二塁手として守備の名人だが、今のMLBでは二塁しかできないのはマイナス要素になってしまう。

 菊池の代理人を務めるマイク・シール氏は「あれだけ二塁の守備がうまいのだから、グラブさばきや身のこなしなど、ほかのポジションでも生かせるはず。遊撃もできないわけではない。そういう話をMLB球団としていきたい」と説明していた。

 攻撃についても前述のマンシーやマイク・ムスタカスのようなパワーのある二塁手が増えてきた。しかしながらチャーノフGMは「近年、パワーヒッターが多いのは確かだが、わがチームに関して言うと、どれだけ結果を残せるかだ。コンタクトが得意だがパワーがない、空振りが多いけどパワーがある、いろんな選手がいる。いかにチームにフィットし、勝利に貢献できるかだ」と言う。

 シール代理人は「野球とはバットにボールを当てることで何かが始まるスポーツ。私はMLBの試合がまたコンタクトヒッターを重視する方向に向かうと思っている」と予測する。現在のメジャーでは攻守に菊池のような二塁手は少ない。だからこそ価値が生まれるのではないか。

 2005年から08年、井口、松井、岩村の3 人はMLB球団で打線の上位を打ち、チームをワールド・シリーズに導いた。アメリカや中米の選手とは違った、技術、知識、野球観が、チームの中で役立っていた。果たして菊池はどうなのか? アナリティック全盛のMLBで、彼にチャンスを与える球団は出てくるのか? ポスティングの行方が気になるのである。

文=奥田秀樹 写真=小山真司

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