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トイレに流される金魚を救え!フランスの水族館が金魚の保護施設を作る

カラパイア

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kaori/pixabay

 金魚といえばお祭りの金魚すくいで持ち帰るものといったイメージがあるが、フランスでも、イベントなどの景品で金魚が提供されているという。

 問題はその後だ。フランスでは、金魚を持ち帰ったのはいいものの、適切な飼育をせず、途中で飽きてトイレに流したり、川に放流する人が多いという。

 そこでパリの水族館が立ち上がった。金魚たちを救うべく、飼い主から引き取り、水族館で飼育するという救済・保護活動を2年前から行っている。

 現在、同水族館では救済された金魚600匹が、もともと飼育されている金魚に混じって飼育されており、展示は人気を呼んでいるそうだ。

Paris Aquarium offers sanctuary to 600 goldfish

トイレに流される金魚を救って!


 パリ最大の設備を持つパリ水族館で、金魚を救済・保護する取り組みのアイデアが浮かんだのは、今から4年前のことだ。

 水族館の見学者らが、当時の館長や職員に、「不要になった金魚をトイレに流す飼い主がいるが、救って保護すべきだ」という意見を伝えたことがきっかけだったという。

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endlesswatts/pixabay

 特に、子供がいるパリの家庭では、子供たちがお祭り時に賞品として金魚を持ち帰ってくるのが典型的だそうだが、結局はそれらの金魚は“迷惑なペット”にしかならないという。金魚の正しい飼育法がわからないという飼い主が多いからだ。

 パリ水族館の現館長エデュアルド・ダ・フォルノさんは、金魚が捨てられる事実について、次のように話している。

金魚は、子供たちを喜ばせるためだけにイベントで提供されます。飼育法や金魚の生存条件などは与える方も受け取る側も、よく知らないということが多いのです。

十分な情報を持っていないことと、パリの多くの家族が金魚に適したサイズのフィルター付き水槽を収容できるほどのスペースがある住居に住んでいないため、最終的には飼育できずに金魚は捨てられてしまうのです。

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Hans/pixabay

 小さな水槽では通常5cmほどにしか成長しない金魚は、輪になって泳ぐ小さな魚というイメージが強いが、野生の金魚は5年で成熟すると最大40cmほどにまで成長し、寿命は30年とも言われている。過去に、45年生きた金魚もおり、それは最も長生きしたものとして認識されているという。


金魚を引き取って飼育し、展示する保護・救済活動


 そこで水族館は、2年前から本格的に金魚の救済プログラムを開始した。館内に金魚の保護施設を作ったのだ。

 不要になったと飼い主から引き渡された金魚の多くは、健康状態が悪いものが多いため、1匹ずつ抗生物質や抗寄生虫治療を含む医療措置が施さる。

 残りの魚と一緒に水槽に移されるまで約1か月間隔離されるが、一部の金魚は生き延びることができず、死んでしまうこともある。

 それでも、保護された多くは元気になって繁殖している。

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Pexels/pixabay

 パリ水族館では、サイズの異なる金魚を3つの大きな水槽に分け、ライオンヘッドと呼ばれる金魚や、日本で一般的に見られる複数の種類の金魚と一緒にして、4万リットルの水槽で飼育中だ。

 このように整った環境の飼育下では、金魚は体長30cmぐらいまで成長し、20年ほど生きることができるのだそうだ。

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Jaffe/pixabay

救済プログラムの目標は飼育法と環境への影響を伝えること


 金魚を引き取って水族館で保護するという取り組みは現在、パリ市民のみを対象に行われているが、便利で金魚に優しい対処法として、水族館へ足を運ぶ飼い主は、月に平均50人にものぼるという。

 パリ水族館側は、この救済プログラムを通して、家庭での金魚飼育に何が必要かということを人々に知ってもらいたいと話している。

金魚を生きたままトイレに流すよりも、ここに持ち込んでくれる方が、金魚にとって適切な場所で生活ができます。下水システムで処分されると、ほぼ死ぬことは確実ですから。

また、金魚を池や川などの野生に放流すると、同じ水が最終的に私たち地元の小川や河川に流れ込むため、環境にいいとは言えません。金魚に何らかの寄生虫やウイルスがある場合は、病気が他の種に広がる危険性があります。

生き延びた金魚は、巨大に成長し過ぎて迅速に繁殖し、在来種と競合して地元の生態系に大損害を与える可能性があり、結局のところ金魚の野放しは環境に悪影響なのです。(フォルノ館長)

 金魚は、金魚鉢のような小さな環境で飼育されると、うつ病になり苦しむこともあると言われている。そのため世界の一部では金魚を金魚鉢に入れての飼育を禁じている地域もあるそうだ。

 スイスでは、金魚が寂しい思いをすることから1匹で飼育を禁じている

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suncy95/pixabay

 飼い主から捨てられた金魚にとって、パリ水族館での保護は狭い金魚鉢でスペースを奪われたり、飼い主によって命を奪われたりすることなく、新しく適切な生活を与えられる最高の場所といえよう。

 現在、同水族館では、これまでに救助された金魚600匹と併せて1000匹以上の豊富な品種の金魚が展示されており、元飼い主が様子を確認したい場合も含めて一般の見学者以外にも開放しているという。この救済プログラムは引き続き行われる予定とのことだ。

References:Mental Flossなど / written by Scarlet / edited by parumo

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