
海岸堤防(防波堤)は外洋から打ち寄せる波を防ぐために設置する構造物だ。津波や高潮が陸域に流れ込んでしまうとたいへんなことになる。
通常、海岸堤防の高さは計画高潮位(異常潮位の際に想定される潮位)に波の影響を考慮した高さを加えたもの以上に設定されているが、東日本大震災では予想を上回る津波の影響で大きな被害を出した。
海岸堤防に必要なのは高さだけでなくその形状にもあるようだ。流体シミュレーションツール「FLIP Fluids」を使い、海岸堤防の形状の違いで波から受ける影響を物理的にシミュレーションした動画がYoutubeに公開されていた。
How Coastlines are Protected 101: A FLIP Fluid Simulation
海岸堤防がない場合、
家は直接波の被害を受けることになる。

垂直の海岸堤防の場合、
堤防に当たった波が水しぶきを上げたとき、家側の方へと流れ込んでしまう。

湾曲した海岸堤防の場合
カーブになっている部分が波を押し戻し、家は波を浴びるのを免れた。

日本でも「効果的に津波の力を軽減させる防波堤の形は何か?」という研究を行い山崎賞を受賞した、静岡県立焼津中央高等学校科学部の資料によると、真ん中がへこんだ凹レンズ型の防波堤が、一番波による影響を抑えることができたという。
堤防や防波堤は様々な形状のものがあるが、予想を超える波に備えて、今も新たな堤体の開発に向けた研究が進展しているという。