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体内に入った精子により記憶力が向上するミバエのメス(フランス研究)

カラパイア

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Image by adventtr/iStock

 オスのミバエの精子にはある分子が含まれている。その「性ペプチド」と呼ばれる分子は、オスの精子に結合する。交尾によって精子とともにメスの体内に入った分子は、生殖管から脳へ向かって移動する。
 
 するとなんと言うことでしょう!
 メスは長期記憶がアップしてしまうのだ。

交尾後、別のオスの誘いを拒むミバエのメス


 ミバエがこの独特の分子を持っており、それがメスの行動を変えてしまうことは以前から知られていた。

 例えば、交尾を済ませたメスは、食べ物の好みが変わり、別のオスがやってきても交尾を拒むようになる。これは性ペプチドが、主に子宮につながっている神経細胞に作用することで起こる。

 しかし、それが脳内の神経細胞に作用して長期記憶までがアップしてしまことは新発見だそうだ。


交尾をしたメスは危険なニオイを忘れない


 フランス、PLS研究大学の研究グループは、特定のニオイから電気ショックを連想するようにミバエのメスを訓練し、それからのメスの行動を観察してみた。

 すると訓練から4日後、オスと交尾をしたメスはそのニオイを避けねばならないことを覚えていたが、そうではないメスは忘れてしまっていたのである。

 この記憶力の差異と性ペプチドとの関係を確かめるため、性ペプチドがないオスを作って実験してみた。この場合、そのオスと交尾しても、メスの記憶力がアップするようなことはなかった。

 一方、オスと交尾をしていないメスに直接性ペプチドを注入すると、やはり記憶力がブーストされたのである。性ペプチドが記憶力アップに関係しているという証拠だ。

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Image by Ocs_12/iStock

精子によって記憶力が左右される理由


 なぜ、性ペプチドにはこのような働きがあるのだろうか?

 おそらく交尾前のメスはあまり慎重にならず、積極的にオスを探す必要がある。そのために記憶力があまり強くなく、怖いもの知らずのままの方が都合がいいのだ。

 だが、交尾後は安全に産卵できる場所を見つけなければならない。それには優れた記憶力がモノをいうだろう。性ペプチドは、こうした交尾前後のニーズの違いにメスを対応させていたということだ。

 この研究は『Science Advances』(11月20日付)に掲載された。

References:Sex Promotes Lasting Memories in Female Flies

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