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猫が痛みを感じているときの表情を見分けるコツが判明(英研究)

カラパイア

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image credit:Pixabay

 目は心の窓と言うが、これは何も人間だけのことではない。ゆえに、かのチャールズ・ダーウィン以来、人間は動物の表情や種によるその役割の違いに関心を抱いてきた。

 その類の研究はずいぶん昔からあるが、猫の表情からその痛みを推し量ろうという研究はニャンコの飼い主さんなら大いに気になることだろう。

 最近の研究で、猫が痛がっている表情を見分けるコツが判明したようだ。あなたの愛猫はこんな表情をしていないだろうか?

 

 

 

人間とは違う動物の表情から気持ちを読み取るむずかしさ


 動物の表情からその痛みを推し量る研究で、よく使われるのがグリマス・スケールである。

 「グリマス」とはしかめっ面のことで、グリマス・スケールは動物の表情から彼らが感じている痛みを評価しようという試みだ。

 最初はマウスで研究が進められていたが、今ではウマやウサギ、フェレットからヒツジ、もちろん猫でもグリマス・スケールが作られているのだとか。

 面白いことに動物の種はさまざまなれど痛みを感じているときの表情は案外似ており、たとえば目が細められ、鼻のあたりが緊張し、口や頬、耳がまっすぐに引かれるのだという。

 こうした発見はその心の内側を知る手がかりとなるが、彼らと会話がかわせるようになるのはまだまだ先の話だ。

 表情から動物の気持ちを知ろうとする試みの限界のひとつは、人間の表情から動物の気持ちを推測しようとしていることだ。

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image credit:Pixabay

 動物の顔の筋肉の構造は人間とはずいぶん違う。そのために似たような表情に見えても、必ずしも同じ気持ちを表すものとは限らない。

 また同じ種であっても大きく顔の作りが異なるときがあるのも厄介だ。

 猫は猫でもペルシャネコは鼻が低く扁平な顔をしているが、シャムネコは耳が大きく鼻が長い。両者は同じ表情をしていても、ずいぶん異なって見えることだろう。

 また猫をはじめとする動物には、なかなか気持ちを見せようとしないものもいるだろう。

 猫の直近の祖先は独居性で縄張りを持ち、自分よりも大きな哺乳類を獲物にしていたとも考えられる。そうした動物なら苦痛や不調を大っぴらには見せたがらない可能性が濃厚だ。
 
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image credit:Pixabay

人間の目には微妙すぎる猫の表情、ならばAIの目ならどうか?


 実際、猫の苦痛は評価がむずかしいことで知られている。

 苦しんでいたとしても多くは少し静かになる程度で、姿を隠してしまうこともあるし場合によっては普段とまったく変わらないように見えることもある。

 彼らの表情は、人間の目にはごくかすかでなかなか見分けがつかないものだ。

 微妙な表情の研究はまさに苦しい作業で、リアルタイムで行うのは簡単ではなく、それなりの技能も必要になる。

 そのようなわけで、人間や動物の表情を機械学習で自動的に解析してしまおうという研究がかなり増えている。

 だが、人間に基づくのではなく、その種その種に特定のシステムなど大抵はないのが現状だ。

 英ノッティンガム・トレント大学のローレン・フィンカ氏らが猫専用のシステムを開発しようと考えたのも、こうした背景があったからだ。

 猫の表情を解析するシステムを開発し、将来的には他の動物の表情でも自動的に検出するシステムの基礎にしようというのだ。

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image credit:Pixabay

猫は痛がっているとき耳と耳を離して目を細める傾向あり


 フィンカ氏らが猫の痛がる表情を特定するために採用したのは、一般には骨の計測に使われる方法だ。

 手術を受ける猫を対象に、顔の筋肉の相対的な位置ならびにそれらが収縮・弛緩したときの形状の変化に基づき、数千枚の猫の顔写真に注釈をつける。

 そして、手術前後の表情の違いから猫が痛がる表情を特定するのだ。こうして判明した猫が痛がっている表情を見分けるコツはこんな感じだ。

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(i)耳の幅が狭まり、耳と耳同士は離れる
(ii-iv)口と頬は鼻に向かってすぼまり、また目に向かって上がる
(v)目が若干細められる
(vi)外耳の形状がわずかに変化。右耳が少しだけ細められ、顔側面に向かって下がる
(vii)鼻が口に向かって下がるため、目からは離れる。また顔の左側に傾く
image credit:Lauren Finka

 こうした表情の変化は、個体で見れば案外はっきりしたものかもしれない。しかし人間と同じく、猫だって顔には個性がありそれぞれ異なっている。

 そのために猫全体で見ればじつに微妙なものだ。ということは、普段の顔を知らないの獣医さんにとっては猫が痛がっている表情をパッと見分けるのは案外むずかしいかもしれない。

 むしろ、元気なときの顔を知っている飼い主さんの方が上手に表情を読み取れるだろう。

 将来的には今回の研究手法が応用されて、お家のニャンコが痛がっていないか判別するアプリなんかが登場するかもしれない。

 それまではひとまず、見分けるコツを頼りに日々愛猫を観察していくことにしようじゃないか。

References The conversationなど / written by hiroching / edited by usagi

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