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続報:あのロボット科学者が世界初の完全サイボーグ化手術に成功、ピーター2.0がオンラインに

カラパイア

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@DrScottMorgan/twitter

 さて前回、運動ニューロン疾患という全身の筋肉が動かなくなる不治の病に冒され、余命2年と宣告された、高明なロボット科学者であるピーター・スコット=モーガン博士(61歳)が世界初の完全サイボーグ化手術を受けるというニュースをお伝えした。

 彼は人間をやめることを決意した。ピーター1.0(人間)からピーター2.0(サイボーグ)に生まれ変わるというまさに命がけの決断である。

 そんな彼から、予定どおり世界初の完全サイボーグ化手術を終え、無事自宅に帰宅したと報告があった。手術は成功したようだ。
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ピーター2.0がオンライン!


 モーガン博士は、ツイッターで「ピーター2.0がオンライン!」と無事を報告するメッセージを投稿している。

 手術を受けてから24日間集中治療を受けていたが、先週退院しイギリス、デヴォンにある自宅に帰宅したとのこと。予定されていた手術はすべてつつがなく行われ、サイボーグとしての新しい人生が幕を開けたそうだ。

24日の集中治療から帰宅。手術はすべて大成功。呼吸を維持してくれる小型人工呼吸器は、ダース・ベイダーよりもずっと静か。声は合成音声ですが、ようやくまた自分らしく声を出せます。この先、長い研究の旅が続いていますが、気分は上々です。


最終的に体は脳を支えるだけのものに


 モーガン博士の体はやがて完全に麻痺し、その機能は脳を支えるだけのものになるという。そのとき人間を辞めてロボットとして生まれ変わった博士は、今後4本のチューブによって生き続けることになる。

 手術では、食事を摂るために胃にカテーテルを挿入。車椅子に備え付けられた栄養ポンプによって、食事が体内に注入される。

 食べれば当然出すものを出さなければならない。これを担うのが膀胱と腸に挿入されたカテーテルで、尿と便は車椅子や衣服の下に隠された汚物処理袋に排出される。

 博士の症状は徐々に全身の筋肉が動かなくなってしまうものなので、いずれ唾液を飲み込むことや呼吸すらもままならなくなる。

 そこで生身の声と引き換えに、喉頭を切除し呼吸用のチューブを挿入。車椅子に取り付けられた小型の人工呼吸器によって酸素が供給される。その呼吸音はダース・ベーダーの呼吸音よりも静かだとのことだ。

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サイボーグとして再配管された今、4本のチューブが(目以外の)体が完全に麻痺した後も私を生かし続けるでしょう。体の唯一の機能は脳を支えることだけになります。今回の最初の移行は、医学よりむしろエンジニアリングによるものです。
@DrScottMorgan/twitter

合成音声、アバター、レーザーアイ、車椅子


 「今後数十年を生きる可能性」を手に入れるために生身の声を失ったスコット=モーガン博士だが、事前に自分の声から合成音声を作成していたので、マシンボイスを使って会話をすることが可能だ。

 また自分の身代わりとなる博士そっくりのアバターも準備されている。このアバターは人工知能を利用しており、ボディランゲージで反応できるよう設計されている。

 さらにアイトラッキング技術を応用し、目の動きだけで複数のコンピューターを操作することもできる。そのためにレーザーアイ手術を受け、コンピューターのモニターの距離である70センチなら完璧な視力を得られる。

 操作できるのはコンピューターだけではない。彼自身が座る車椅子の操作も可能である。その車椅子はただの車椅子ではなく、ベッドのようにフラットになるし、博士の体を立ち上がらせることもできるハイテク仕様だ。

 博士は自身のサイトで、こうして誕生したピーター2.0は「ただの昔ながらのサイボーグではなく、138億年の間に創造されたものとしては圧倒的に高度なヒト・サイバネティック有機体」だと綴っている。


Dr. Peter Scott Morgan’s avatar animated from text and emotion markup and TTS voice.

同じ病気の人たちにチャンスを


 モーガン博士は、運動ニューロン疾患は死の宣告などではなく、「アップグレード」するためのチャンスととらえるべきだと主張している。そして、それは彼ただ1人だけのものではないのだと。

これから先、運動ニューロン疾患患者、重度の障害者、高齢者、あるいは肉体という拘束衣から自由になりたいという情熱を持つ人たちは、ますます私と一緒に立ち上がることを選ぶようになるでしょう。

私たちはみな背筋を伸ばして立ち上がる。誇り高く立ち上がる……なぜなら私たちはただ”生きているだけ”であることを拒むからです。

 博士は「繁栄する権利(Right to Thrive)」を議会に対して訴えかけるために、パートナーのフランシスさんと一緒に基金を設立した。


 今、博士のように運動ニューロン疾患を患う患者で、気管切開や肺のタンを取り除く機械といった「生命を救うコンビネーション」を受けられる人は1パーセントにも満たないのだという。
 
私たちはブレグジットなどいつもの喧騒を上回るように騒ぎ立てねばなりません。これまでずっと運動ニューロン疾患の声はほとんど聞こえないままでした。

 モーガン博士の機械としての存在の進化はまだまだ始まったばかり。今後、マイクロソフトよりもたくさんのアップデートが予定されているそうだ。

References:Terminally-ill scientist completes transformation into ‘world’s first full cyborg’ – Mirror Online/ written by hiroching / edited by parumo

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