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近本光司、西勇輝で日本人補強は95点。ベテラン頼りの陰で若手育成は55点。阪神の編成採点

野球太郎

近本光司、西勇輝で日本人補強は95点。ベテラン頼りの陰で若手育成は55点。阪神の編成採点

 そんな阪神の今シーズンを中心とした、ここ数年の編成を本誌『野球太郎』の持木編集長とカバティ西山に話を聞きながら、「日本人選手獲得」「外国人選手獲得」「育成状況」のカテゴリーごとに採点してみた。

(※「日本人選手獲得」「外国人選手獲得」は2018年オフから2019年シーズンが対象)

◎日本人選手獲得:95点

 2019年シーズン前に行った阪神の日本人補強は“大当たり”だった。ドラフトでは藤原恭大(大阪桐蔭高→ロッテ)、辰己涼介(立命館大→楽天)と2度に渡って抽選を外したが、最後は近本光司(大阪ガス)を獲得。俊足巧打を発揮した近本は開幕スタメンから1年間を走りきった。

 ここ数年、なかなか決まらなかった中堅のポジションをしっかりと埋め、センターラインを強化できたのは大きい。また3位の木浪聖也(Honda)も規定打席には届かなかったものの、113試合に出場し結果を残した。2020年シーズンは完全なる遊撃のレギュラーを目指す。

 FAでは西勇輝を獲得した。先発ローテーションに入り、チーム唯一の2ケタ勝利をマーク。メッセンジャーがほぼ不在のなか、柱としてシーズンをまっとうした。

 この結果に対して持木編集長は「ドラフト上位で獲った選手がしっかり活躍して、ドラ1の近本は新人王候補に。FAで獲得した西(勇輝)はローテを回しましたし、投打の新戦力で満遍なく点数を稼ぎました」と高評価。

 同じくカバティ西山も「ドラフト、FAともに当初の想定通りに活躍した感じですよね」と持木編集長と同じように、新加入の日本人選手が期待通りの働きを見せたこと部分を評価した。


■阪神の日本人選手獲得/2018年ドラフト
1位:近本光司(外野手/大阪ガス)
142試合/打率.271(586打数159安打)/9本塁打/42打点/36盗塁

2位:小幡竜平(内野手/延岡学園高)
1軍出場なし

3位:木浪聖也(内野手/Honda)
113試合/打率.262(363打数95安打)/4本塁打/32打点/2盗塁

4位:齋藤友貴哉(投手/Honda)
1試合/0勝0敗/2回/奪三振2/与四球3/防御率0.00

5位:川原陸(投手/創成館高)
1軍出場なし

6位:湯浅京己(投手/富山GRNサンダーバーズ)
1軍出場なし

育成1位:片山雄哉(捕手/福井ミラクルエレファンツ)
1軍出場なし

■阪神の日本人選手獲得/その他
西勇輝(投手)※オリックスからFAで入団
26試合/10勝8敗/172.1回/奪三振112/与四球36/防御率2.92

◎外国人選手獲得:75点

 2018年シーズンオフに阪神は3人の外国人選手を補強した。中日との交渉が決裂した先発候補のガルシア、大砲候補のマルテ、そして、中継ぎ候補のジョンソンである。

 このなかで確固たる実績を残したのがジョンソンだ。離脱期間はあったものの58試合(58回2/3)の登板で91奪三振、防御率1.38と圧倒的な成績を残した。パワーカーブを武器にセットアッパーとして君臨。ジョンソンなくして阪神の3位はなかったと言っても過言ではない働きを見せた。

 ガルシアは開幕から3試合連続で大量失点と苦しみ2軍へと降格。復帰初戦で完封勝利をマークし2連勝するもその後が続かない。このまま、シーズンを通して活躍できないまま終わるのかと思われたが、最終盤で中継ぎとして貢献。新たな一面を見せシーズンを終えている。

 マルテは打率こそ.284とまずまずの打率を残したものの12本塁打に終わり、大砲候補としての期待に答えることはできなかった。マルテが思ったような結果を残せなかったことで、シーズン途中にソラーテを獲得する事態になった。

 そのソラーテじゃ「セクシー・タイム」の愛称で人気を集めたものの、結果を残すには至っていない。また「モチベーションの低下」を理由に1軍昇格を拒否。シーズン途中の加入にも関わらず、シーズン終了前に帰国してしまった。

 持木編集長は「ジョンソンの活躍はすごいんですけど、阪神はドリスなど外国人投手が機能しているベースがありますよね。ですので、どちらかというと救世主は野手に求めていたんじゃないでしょうか。阪神にロペス(DeNA)がいれば…。ほかの外国人選手を見ると全体ではマイナスになってしまいますね」と厳しめの言葉。

 一方のカバティ西山も「ジョンソンの期待以上の活躍と野手陣の期待外れをどう考えるかですよね」とジョンソン以外の外国人選手が働けなかったことをマイナスとしている。

■阪神の外国人選手獲得
マルテ(内野手)
105試合/打率.284(349打数99安打)/12本塁打/49打点/0盗塁

ジョンソン(投手)
58試合/2勝3敗40H/58.2回/奪三振91/与四球13/防御率1.38

ガルシア(投手)
21試合/6勝8敗/103.2回/奪三振79/与四球40/防御率4.69

ソラーテ(内野手)※シーズン開幕後に加入
20試合/打率.188(69打数13安打)/4本塁打/9打点/0盗塁

◎育成状況:55点

 近本、木浪といった若手は結果を残したが、彼らは即戦力の働きが求められる社会人出身のルーキーである。一から育成する必要があったわけではない。その野手陣では中谷将大や陽川尚将と期待されてきた選手が1軍定着したうえで、結果を残すには至っていない。2016年ドラフト1位の大山悠輔も頑張ってはいるが、まだ育成途中の段階だ。

 投手陣では岩崎優や島本浩也、守屋功輝といった中継ぎ陣は頭角を現してきたものの、先発投手が育っていない。岩貞祐太、秋山拓巳と結果を残していた投手はいるが、複数年連続で定着することができず、FAで西を獲得し穴を埋めた。また、ルーキーイヤーから順調に育っていたかに見えた藤浪晋太郎が伸び悩んでいる。この秋、山本昌臨時コーチ(元中日)の下で復活となるか注目したい。

 持木編集長は「島本は育てたというより“勝手に育った”という感じですね。ただ、来シーズンはどうなるか読めません。才木(浩人)も今年出てくるかと思いきや今ひとつでした。藤浪は…なんとかしてほしいところですね。
 打者だと高山俊、陽川、中谷、江越をもう少し育てていかないと。福留(孝介)、糸井(嘉男)、藤川(球児)、能見(篤史)らベテランにいつまでも頼っていてはだめですよね。もちろんベテランが頑張ってくれているのはありがたいことなのですが」と結局のところベテラン頼みになっている部分でマイナス評価をつけている。

 ベテランが結果を残している部分は心強いが、裏を返すと若手の育成が進んでいないということでもある。今年は近本や木浪といった即戦力が結果を残し救われた。しかし、先日のドラフト会議では6人中5人が高校生となっており、即戦力となり得る存在はほぼいない。育成を進めなければそろそろ厳しい。はたして秋、春のキャンプで若虎が育ってくるのだろうか。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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