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東京五輪金メダルへ侍ジャパン最大の収穫とは?【プレミア12】

週刊ベースボールONLINE

いきなり3点のビハインドも……



決勝で韓国を破り、プレミア12初制覇を遂げた侍ジャパン

■プレミア12「決勝戦」
日本5対3韓国=11月17日(東京ドーム)

 ようやく世界の頂点に返り咲いた。第2回となるプレミア12の決勝(11月17日、東京ドーム)で、日本は連覇を狙った韓国を逆転で下し、大会初制覇。プロが参加するトップカテゴリーの国際大会では、2009年の第2回WBC以来、実に10年ぶりの世界一となった。

 17年から同チームを指揮する稲葉篤紀監督は男泣き。選手たちの手によって8度、宙に舞い、「みんなが世界一のためにあきらめない気持ちで戦ってくれました。(自分自身も)何とか勝たせてあげたい一心。本当に選手が頑張ってくれました」と世界一をかみしめた。

 試合は先発の山口俊が初回に2本のアーチを許し、3失点KO。いきなりビハインドを追う展開となったが、流れを引き寄せたのは第2先発として2回から「想定した中で一番早い」タイミングでスクランブル登板した高橋礼だった。

 先発したスーパーラウンドのアメリカ戦(12日)から中4日での出番、しかも今大会初の中継ぎと難しい役回りも、テンポよく投げ込み2回1安打無失点。この好投で潮目が変わったといえる。

 2点を追う2回、日本は韓国の柱の1人である左腕・梁玹種を攻め二死一、二塁の好機を作る。ここで打席に立った山田哲人は集中していた。追い込まれてからチェンジアップをファウルにして粘ること8球目。「真っすぐがあるな、と。直感を信じました」。

 根負けした梁が投じた内角低めのストレートを逃さず、左翼席中段に突き刺す3ランに「追い込まれていましたが、大事な場面だったので、集中して自分のスイングをしようと心掛けました。世界一を獲ると決めていたので、めちゃくちゃうれしいです」と笑顔を見せた。

圧巻だった勝利の方程式



8回の1イニングを2奪三振と完ぺきな投球を見せた山本

 早いタイミングでの逆転で、ベンチも攻めの継投を見せる。4回からは田口麗斗が2回を無失点、6回は中川皓太が菊池涼介のエラーで走者を出すも、きっちりカバー。次々とフレッシュな投手を繰り出すことで、韓国打線にアジャストする余裕を与えなかった。圧巻だったのは7回からの勝利の方程式だ。

「ブルペンから吐きそうなぐらい緊張しました」という新人の甲斐野央は、自己最速の158キロをマークするなど堂々たる投球で8回の山本由伸にバトンを託すと、チーム最年少のセットアッパーは一番からの上位打線を2三振と完璧。最後は大会前に松井裕樹の離脱で1人、クローザーの大役を担ってきた山崎康晃だ。

 打者3人に対し、投じた7球はすべてウィニングショットのツーシーム。最後の打者から空振り三振を奪うと、力強く右拳を突き上げた。「気持ち良かったです。胴上げ投手になったことがなかったので、ダルビッシュさんの映像(最後に世界一となった09年WBCの優勝の瞬間)を見て勉強してからマウンドに向かいました」とにっこり。7回からは1人の走者も許さないパーフェクトリレーだったが、今大会での最大の収穫は勝利の方程式の確立だったと言える。

 約半年後には日本が最大のターゲットとする東京2020オリンピックが待ち受ける。稲葉監督は「来年、オリンピックでまた世界一を獲れるように、しっかりと準備をしていきます」と金メダル獲りを宣言。今大会のメンバーが中心になりそうだが、24人に絞られる選手選考にも注目だ。

文=坂本匠 写真=榎本郁也

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