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石井一久GMの積極編成で浅村栄斗ら日本人獲得は95。外国人獲得は満点。あとは育成。楽天の編成採点

野球太郎

石井一久GMの積極編成で浅村栄斗ら日本人獲得は95。外国人獲得は満点。あとは育成。楽天の編成採点

 そんな楽天の今シーズンを中心とした、ここ数年の編成を本誌『野球太郎』の持木編集長とカバティ西山に話を聞きながら、「日本人選手獲得」「外国人選手獲得」「育成状況」のカテゴリーごとに採点してみた。

(※「日本人選手獲得」「外国人選手獲得」は2018年オフから2019年シーズンが対象)

◎日本人選手獲得:95点

 2018年シーズンオフの楽天は積極的に動いた。日本人選手の補強で見ると、やはり浅村栄斗の獲得が大きい。二塁のポジションがガッチリと埋まり、センターラインの一つが固まった。その浅村は打率.263と2018年シーズンの打率.310から大きく落としたものの、33本塁打は前年の32本塁打を上回っており、まずまず期待通りの活躍だったと言っていいだろう。

 ドラフト組では1位の辰己涼介が規定打席に到達はしなかったものの、124試合に出場し存在感を見せた。また太田光、渡邊佳明、小郷裕哉とその他の大卒組も1軍で出場機会をつかんでいる。

 投手では193センチの長身左腕・弓削隼人が3勝をマーク。後半戦はローテーションの一角に加わった。社会人出身とはいえ、ドラフト4位のルーキーがここまでの活躍したのは大きい。またトレードで加入した選手では福井優也が序盤に結果を残し、和田恋や下水流昂も存在感を見せた。浅村の加入に目がいきがちだが、全体としてもうまくいった印象だ。

 持木編集長は「巨人の丸(佳浩)と一緒で、浅村が小さなマイナス点を消して、すべてオーケーという形になりましたよね。ほかのトレードは果たして必要だったのかと言われると…。一方で、ドラフト組はよかったですね。弓削や渡邊は予想外の活躍を見せました。ただ、ドラ1の辰己は来年がちょっと心配です。完全なるレギュラーというほどではなかったですし。田中(和基)が復帰してきたときにどうなるか」と浅村の獲得を好ポイントに挙げつつ、ドラフト中位・下位の弓削や渡邊を評価。辰己にはやや物足りなさを感じているようだ。

■楽天の日本人選手獲得/2018年ドラフト
1位:辰己涼介(外野手・立命館大)
124試合/打率.229(314打数72安打)/4本塁打/25打点/13盗塁

2位:太田光(捕手/大阪商業大)
55試合/打率.219(96打数21安打)/1本塁打/6打点/1盗塁

3位:引地秀一郎(投手/倉敷商高)
1軍出場なし

4位:弓削隼人(投手/SUBARU)
8試合/3勝3敗/43.1回/奪三振34/与四球9/防御率3.74

5位:佐藤智輝(投手/山形中央高)
1軍出場なし

6位:渡邊佳明(内野手/明治大)
77試合/打率.225(218打数49安打)/1本塁打/26打点/0盗塁

7位:小郷裕哉(外野手/立正大)
22試合/打率.172(29打数5安打)/1本塁打/4打点/0盗塁

8位:鈴木翔天(投手/富士大)
1軍出場なし

育成1位:清宮虎多朗(投手/八千代松陰高)
1軍出場なし

育成2位:則本佳樹(投手/山岸ロジスターズ)
1軍出場なし

■楽天の日本人選手獲得/その他
浅村栄斗(内野手)※西武からFAで入団
143試合/打率.263(529打数139安打)/33本塁打/92打点/1盗塁

橋本到(外野手)※巨人からトレード
11試合/打率.000(9打数0安打)/0本塁打/0打点/1盗塁

福井優也(投手)※広島からトレード
8試合/3勝1敗/33回/奪三振20/与四球24/防御率5.18

由規(投手)※ヤクルトを自由契約
1試合/0勝0敗/1回/奪三振2/与四球0/防御率0.00

熊原健人(投手)※DeNAからトレード
1試合/0勝0敗/3.1回/奪三振3/与四球3/防御率5.40

和田恋(外野手)※シーズン開幕後に巨人からトレード
31試合/打率.252(107打数27安打)/2本塁打/11打点/0盗塁

下水流昂(外野手)※シーズン開幕後に広島からトレード
50試合/打率.250(88打数22安打)/2本塁打/6打点/0盗塁

◎外国人選手獲得:100点

 大砲候補のブラッシュ、セットアッパー候補のブセニッツが揃って結果を残した。ブラッシュは一時的な不振に陥ったものの、128試合に出場し33本塁打、95打点は文句ない。ブセニッツも54試合で防御率1.94は誇れる数字。

 2人とも「当たり」といっていい活躍だった。

 持木編集長は「ブラッシュ、ブセニッツと投打の主軸を獲得できました。大きく動いた石井(一久)GMの功績でしょうかね」と満点評価。

■楽天の外国人選手獲得
ブラッシュ(外野手)
128試合/打率.261(426打数111安打)/33本塁打/95打点/2盗塁

ブセニッツ(投手)
54試合/4勝3敗28H/51回/奪三振45/与四球20/防御率1.94

◎育成状況:75点

 ドラフト上位の辰己や太田が1年目から1軍で出場機会を与えられているなか、堀内謙伍や村林一輝など若手を育てようという気概は感じられる。長年の課題であるスラッガー系の内田靖人や岩見雅紀の台頭がそろそろほしい。

 一方で育てていたと見られていた楽天ジュニア出身の西巻賢二を高卒2年目にして戦力外とするなど、ちぐはぐな面も見られる。石井GMとなったことで、それまでの育成方針からガラリと変わった可能性が高い。

 持木編集長は「全体的にはちょっと微妙な感はあります。森(雄大)も戦力外になってしまいましたし。安樂(智大)や小野(郁)といった上位で獲った高校生がいまいち殻を破りきれないのが気がかりです。あとはオコエ(瑠偉)でしょうね。ポジションを用意してって感じではなく、辰己が割り込んできたことからもわかるように競争をうながしていますよね」と、懸案点を挙げながらも、オコエを例に出して競争のなかで若手を育てようとしている姿勢を認める。

 カバティ西山も「大砲候補の内田が出そうで出ないのがもどかしいですね。あとはソフトバンクとまでは言わないけれども、同じようなタイプをとって競い合わせているのが印象的です」と評価。

 育てようという気概は感じられる。それがどこまで2020年シーズン以降の結果に出てくるのかに期待といったところか。

文=勝田聡(かつた・さとし)

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