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【映画レビュー】特殊能力があるからってヒーローになるとは限らない! こじらせ男子が街を恐怖に陥れる『ブライトバーン/恐

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【映画レビュー】特殊能力があるからってヒーローになるとは限らない! こじらせ男子が街を恐怖に陥れる『ブライトバーン/恐

今回ピックアップするのは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズ・ガンがプロデュースした映画『ブライトバーン/恐怖の拡散者』(2019年11月15日公開)。

主役はジャニーズみたいな可愛いルックスのティーンの男子。このネクラな美少年が大暴れするというアンチヒーロー映画です。では物語から。

【物語】

子供が授からないことに悩んでいたトーリ(エリザベス・バンクス)と夫のカイル(デヴィッド・デンマン)。ある日、納屋に落ちた小型の宇宙船の中に可愛い男の子の赤ちゃんを発見。2人はその子をブランドン(ジャクソン・A・ダン)と名付け、愛情をたっぷり注いで育てます。

やがて彼は賢い子に成長しますが、風変わりなところがありました。授業中、先生の質問に自分の知識を総動員して延々と答えたり、ものすごい怪力を発揮してクラスメイトに怪我を負わせたり。本人も知らないうちにスーパーパワーを身に付けていたブランドン。やがて彼は、その力を駆使して人々を恐怖に落としていくのです。

【ネクラないじめられっ子が特別な力を持ったら……】

ティーンの男の子が特別な力を発揮するといえば『スパイダーマン』を塑像しますが、本作のブランドンはスパイダーマンとは真逆のタイプ。クラスメイトには嫌われて、誕生日パーティを祝ってくれるのは家族と叔父叔母だけ。結構可愛い顔をしているのに、無口でいつもつまらなそうな顔をした残念男子なんですよ。

しかし、もともと宇宙船に乗ってやってきた赤ん坊ですから、普通じゃない。彼は重くて大きな芝刈り機を片手で遠方にすっ飛ばしたとき、自分の力に気づきます。最初は自分の力をコントロールできなかったブランドンですが、徐々にスーパーパワーを使って、自分の欲望と苛立ちの発散に利用し始めるのです。

人のためになることに使えば、ヒーローになれたのに、気に入らないヤツを成敗!みたいな使い方しちゃって……。でもそれが彼のねじれた性格を表しています。

【モンスターな息子を必死に守る母の気持ちに共感】

一方、モンスター化していく息子に対して、ブランドンの母のトーリは可愛かった頃の息子を取り戻そうと頑張ります。

ブランドンが暴れだした当初、怪我をさせたクラスメイトの母親から罵倒されたり、周囲の人からも変な目で見られたりしますが、彼女は息子を信じます。どんなに彼が反発しても、決して見捨てない姿は、思春期の子供を持つ親のあるあるかもしれません。「いいお母さんだな」と思ったりして。


本作は、こじらせ男子がモンスター化していく物語。ですが思春期の男女といえば、親から見たらモンスターみたいなもの。実は母親たちから共感を呼びそうな珍しいホラー映画でもあるんです。

【でも結局なんだったんだろう?】

宇宙から来て、人間の両親のもとで成長したブランドンですが、やっぱり気になるのは、彼の特殊な能力とは何なのか、誰が何の目的でブランドンを地球に派遣したのかということ。

でも本作は、彼の背景がいまひとつよくわからないのが難点。宇宙人の侵略というには、行動範囲が狭すぎるし。こじらせ男子が、スーパーパワーで良くも悪くも何かすごいことを成し遂げてくれたらよかったのですが、そういう目標設定もない。結果、何をしたいのかわからない。いくらでも面白くできそう題材だっただけに、すごく惜しいです!

ただラストシーンには含みを持たせており、もしや続編もあり? こじらせ男子のアンチヒーロー映画として、作品を追うごとに娯楽ホラーとしての成長を見せてくれたら、それはそれであり!だと思います。

執筆:斎藤香
ブライトバーン/恐怖の拡散者
(2019年11月15日より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国ロードショー)
監督:デヴィッド・ヤロヴェスキー
出演:エリザベス・バンクス、デヴィッド・デンマン、ジャクソン・A・ダン、マット・ジョーンズ、メレディス・ハグナー
© The H Collective

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