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セルルックとリアルルックを両立させるコツは? 3DCGアニメ「ULTRAMAN」制作秘話をトーク

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セルルックとリアルルックを両立させるコツは? 3DCGアニメ「ULTRAMAN」制作秘話をトーク

9月28日、アニメ制作技術に関する総合イベント「あにつく2019」がUDX GALLERYにて行われた。「『ULTRAMAN』コンポジットセッション セルルック+リアルルックの合成 混ぜるな危険をやってみた」では、3DCG制作会社・SOLA DIGITAL ARTSから、CGプロデューサー・ディレクターの八木下浩史氏と、デザインエンジニアの笹倉逸郎氏が登壇。2019年4月に配信された『ULTRAMAN』をテーマに制作秘話を披露した。



SOLA DIGITAL ARTSは劇場作品をメインに手がけてきたスタジオだが、『ULTRAMAN』ではシリーズ作品を初めて制作した。劇場作品であれば尺は90分から120分、ショット数は1000から2000ほどになるが、本作は全13話のため作業量は各段に増える。
さらにフォトリアル系のCGだけではなく、2Dアニメの質感を出したセルルックにも挑戦したため、作業は多岐にわたった。

そのために今回は、ライティング、レンダリング、コンポジットのセクションを一つのチームとして作ることで作業の効率化を図った。
プロジェクト全体の進捗管理には映像業界でよく使用されるSHOTGUNを用いたが、このチームだけは一般的な企業でも使われるタスク管理ツール・ASANAを採用。ASANAはシンプルなUIで扱いやすいため学習コストが低く、タスクを持つスタッフも明確になるため、エラー対応やアップデート確認などに役立った。





とくに難しかったのはキャラクターの表現だ。キャラがセル調ということもあり、光源の位置やグラデーションの入り方によっては、ビジュアルが映えなかったり、印象が違って見えたりすることも多く、各カットごとの調整に時間を要した。

その中でルックのバランスが良かったのは、ミステリアスな異星人・アダドである。スポットライトを浴びているような調整が難しいシーンでも、彼らしい妖しげな雰囲気が充分に醸し出されており、神山健治監督や荒牧伸志監督も「アダドはどんな状態でも最高のルックだ」と太鼓判を押したという。

キャラクター毎にMasterCompと呼ばれるテンプレートが存在するが、『ULTRAMAN』に関してはマスターと呼ばれるテンプレートデータが存在し、回を重ねるごとに立体的な質感へと変化していった。
最終話近くになると、ダメージや壊れの表現が3Dモデルに加わり、より立体的なルックになったが、あまりリアルになり過ぎると世界観と合わなくなるため、アウトラインをあえて強めに出したり、世界観に馴染むようバランスを調整している。



質疑応答のコーナーでは現役の3DCGアニメーターから「主人公の着ている服が自然に揺れていたが、動きのタイミングは手作業で決めているのか?」という質問が飛んだ。『ULTRAMAN』の服の処理は、通常のシーンはセットアップされたものに多少手を加える程度だが、アクションなど大きく動かすシーンはクロスシミュレーションで処理をしている。そのメリハリが効いているので自然に感じられたのではないかとコメントを返した。

『ULTRAMAN』はシーズン2の制作がすでに決定済み。3DCGで描かれるULTRAMANたちが今度はどんな進化を見せるのか、その一端が垣間見られるセッションとなった。

[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]

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