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医療費を払えずホームレスになった女性。その素晴らしい歌声がSNSで拡散され支援の輪が広がる(アメリカ)

カラパイア

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image credit:LAPD HQ/Twitter

 いつでもどこでも、誰でも動画を撮影し、ソーシャルメディアにシェアできる時代。何気ない1本の動画が予想外以上に拡散し、撮影された人物の運命が大きく変わることもあり得る。

 アメリカのロサンゼルスの地下鉄駅内で歌声を披露するひとりの女性の映像が、LA警察のツイッターにシェアされ、各メディアでも大きく伝えるところとなった。

 ロシア出身のこの女性、アメリカでの医療費が払えずに家を失い、ホームレス生活を続けながら歌声を披露してきたという。

LA警察官がシェアしたツイッター動画が拡散


 9月26日、ロサンゼルスの地元警察官が、地下鉄駅構内にいるひとりの女性に目を留めた。

 その女性は、素晴らしいソプラノの歌声を披露しており、警官はその光景を動画に収め、LA警察のツイッターアカウントでシェアした。


LAには400万人が住んでいます。そして400万人分の様々なストーリがあり、400万人分の声も存在します。

時に、ただ足を止めて、その1人が発する美しい声に耳を傾けてみることも大切なのではないでしょうか。

 このツイートの閲覧数は、たった数日以内で100万回以上にものぼり、多くのユーザーが美しい歌声に魅了されただけでなく、一体この女性は誰なのかと大きな興味を抱いた。


美しい歌声を披露するのはロシア出身のホームレス女性


 多くのメディアでもこの女性を報じたことから、女性の名前はエミリー・ザモールカさん(52歳)で、ロシア出身のホームレスであることが判明した。

 エミリーさんは、24歳の時に音楽教師になる夢を持って、ロシアからアメリカ北部へと移住して来た。

 しかし、生活のために介護施設やレストランで働いていた時に体調を崩し、多額の医療費の支払いが残った。

 エミリーさんに医療費を全額払える余裕はなく、家賃も滞る事態となり、結局家を失ってホームレスになった。


ロサンゼルスでホームレス生活を送る日々


 ホームレスとしてロサンゼルスにやって来たエミリーさんは、最初路上でバイオリンを演奏し、毎日をなんとか凌いでいた。

 もともと音楽に興味があったエミリーさんは、子供の頃オペラパフォーマンスを見て、独学でオペラ音楽を学んだ。

 その後、バイオリンとピアノをマスターしたことから、ホームレス状態になっても唯一の財産ともいえる1万ドル(約108万円)のバイオリンを手放さなかった。

 ところが、その大切なバイオリンが盗まれるという悲劇に遭い、それ以降は自分の声をバイオリンの代わりに披露していたという。


エミリーさんに人生の転機が訪れる


 ツイッターで動画が拡散した後、エミリーさんのストーリーを知った人々によって、サポートのための寄付金アカウントがクラウドファンディングサイト『GoFundMe』で5つも設置され、再びエミリーさんが地に足をつけた生活ができるようにと寄付が呼びかけられた。

 次第にエミリーさんは地元で有名になり、中にはロサンゼルスでのイタリアの伝統を祝うリトルイタリーのオープニングで、オペラ音楽を披露してほしいという依頼まであり、10月5日に多くの人々が集まる中、エミリーさんは美しい歌声を披露した。

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image credit: youtube

 夢を持ってアメリカに来た時のように、いつか大好きな音楽を仕事にできるような人生を送りたいと願うエミリーさんにとって、ツイッターに投稿されたたった1本の動画は、人生を再生できる素晴らしいチャンスとなったようだ。


動画をシェアした警官と再会のハグ


 後に、名が知られることになったきっかけを作ってくれた警察官と再会したエミリーさん。2人は喜びのハグをしっかりと交し合った。


 殺到するメディア取材の中で、エミリーさんは涙ながらにホームレスになるまでに至った辛い過去を語ることもあるが、何より人生が変わる瞬間を経験している現在、多くのサポートや励ましを寄せてくれる人々に対して、大きな感謝の気持ちを伝えている。

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image credit: youtube

 一部メディアによると、エミリーさんは今でもホームレスとして日々を過ごし、ロサンゼルスにある地下鉄構内で歌声を披露し続けているということだが、再び地に足の着いた生活ができるようになる日が来るのは、そう遠くないかもしれない。


Emily Zamourka Singing
written by Scarlet / edited by parumo

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