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ユニゾンが旅立つ人へ送る春風の名前は「春が来てぼくら」

UtaTen

UNISON SQUARE GARDENの”ポップ”



今年、結成15周年を迎えたUNISON SQUARE GARDENが2018年3月にリリースした『春が来てぼくら』。

この楽曲は、テレビアニメ『3月のライオン』のオープニングテーマに起用されたことでも話題となった。

生粋の“ロック”バンドであるUNISON SQUARE GARDEN。

その道のりの中で得た“ポップ”の要素を集結させた、“ポップなユニゾン”の最高傑作ともいえる『春が来てぼくら』には、どんなメッセージが込められているのか?

春が来てぼくらは、どこへ向かい、どうなっていくのか?歌詞を中心に考察した。

春の日差しに近づくように前に進む




春という季節は、様々な出会いと別れが交錯する季節だ。

否応なしに訪れる別れもあれば、自分の手で選び取った出会いもあるだろう。

卒業や入学、入社、それ以外にも目まぐるしく出会いと別れが繰り広げられる春に、必死についていこうとする誰かが、きっとどこかにいる。

朗らかな季節の中で、手放してしまったもの、もう会いに行けない誰かのことを密かに想って、どこかで人知れず涙を流す人。

この『春が来てぼくら』という曲は、そんな人の葛藤を歌った曲だ。

冬と春の境目で、進むべき方向が分からなくなってしまっても、出来るだけ優しい選択肢だけを選び取って、一歩一歩進んでいく。

たまに、まっすぐ進めなくなることがあったとしても、春の日差しに少しずつ近づいていくように、前に進む。そんな、歩き方を『春が来てぼくら』は私たちに提示してくれる。

冬があるから春が来る




思い出や記憶の中に残っている、“今はもう出会えないもの”の数々は、時にひどく輝かしく見えるものだ。

また、今をどれだけ輝かしいものだと感じていても、今もいつか過去になる。

私たちは、輝かしい今をどうにかして写真や記録に残したがってしまう。

けれど、フレームの外にはみ出てしまったものも全て、輝かしい今を構築している一部であり、レンズ越しに見る今よりも、360度自分の目で確かめられる今を感じていたい。

そして、冬があって春があるように、過去があって今がある。

「今じゃなきゃわからない答がある」

このフレーズは、数多の出会いを別れを繰り返して来た「今」のあなただからこそ見える「今」がある、と伝えてくれる。

旅立つ人の背中に吹いた、暖かい風の正体は




“今はもう出会えないもの”だとしても、大切な思い出を捨ててしまうことは、誰にでもできることではない。

たとえ、捨てて荷物が軽くなるのだとしても、それを手放し難いと感じる人は、確かにいるだろう。

過去にあったことも、今あることも、一つも捨てずに未来へ向かう。


それは、もしかしたら理想論のようなものかもしれないが、この曲は捨てられないまま歩き続けることを選んだ人への、いっとう優しくて力強いエールになっている。

重い荷物を一緒に運んでくれるわけでもなければ、捨てるのを手伝ってくれるわけでもない。

隣で一緒に歩いてくれるわけでもなければ、手を取ってくれるわけでもない。

それぞれが、自分の信じる「理由」を胸に、別れ、そして出会っていく。

それは、脆くて儚い道を歩んでいくようだけれど、その優しい春風は確かに、旅立つ人の背中を押してくれる一曲になるだろう。

TEXT DĀ

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