フレデリック・三原康司 EP「VISION」に込めた未来への思い

フレデリック・三原康司 EP「VISION」に込めた未来への思い
4人組ロックバンドのフレデリックが10月9日に、EP『VISION』をリリース!今回UtaTenでは、メンバーを代表して作詞・作曲を務める三原康司(Ba)にインタビューを敢行。中毒性溢れる彼らの音楽について、たっぷり語ってもらいました。

双子の兄弟で、ボーカル・ギターの三原健司と、作詞/作曲を担当するベースの三原康司を中心に、独特の歌詞と、親しみやすい楽曲センスで独自の世界観を作り出し、ロックシーンでも注目を集めているフレデリック。

現在行われている全国ツアー『FREDERHYTHM TOUR 2019-2020』も折り返しに入り、来年二月に行われる2度目のアリーナライブに向けてますます盛り上がりを見せている彼らですが、『VISION』はタイトル通り、これからの自身の目指す方向を示したものとなっています。

今回は、フレデリックの三原康司さんに、フレデリックの目指す未来の姿とともに、新たなEP『VISION』やツアー、そして来年2月に開催される横浜アリーナでのライブに向けた思いや、今後への意気込みを語っていただきました。

▼2nd Full Album『フレデリズム2』のインタビューもおススメ!!

「いいアーティスト」「いいバンド」になりたい


──フレデリックの活動として、今後こうしていこうという思いや今後の目標を、たとえばメンバー間で話をされることはありますか?


三原康司:今明確になっている目標としては2回目のアリーナ、来年の横浜アリーナでのライブなんですが、アリーナが決まって僕ら自身の活動内容としても、どんどん視野が広がって「次はこうしていきたいね」ということを話すことがあります。

これまで大きな目標はその都度に決まっていく感じはあったし、今は横浜アリーナに向けてというところで皆の思いが通じている感じです。


──具体的に「こうしたい」「こうなりたい」みたいなことは、自分たちとしてもあまり決めていかない感じですか?

三原康司:当然「こうなりたい」という思いは、個人としてもバンドメンバーとしてもそれぞれあると思うんですけど、具体的というよりは、自分たちも「いいアーティスト」「いいバンド」になりたい、という大まかな気持ちのほうが強いと思います。

みんなに評価されるというか、ロールモデルになれるようなアーティストになりたいという思いは、常に目標としてありますし。


──「いいバンド」ですか。それをどう達成するかは難しいですよね。そもそも「いいバンド」って、なんだろう?って…。

三原康司:確かに。アーティストによっては長く続けて、本当にカッコいいと思えるアーティストさんもいます、音楽的にすごい技術を持っていたりとか、演奏面や歌詞の言葉選びという面とか。

いろんなところでバンドのよさ、尊敬する部分というものを、自分たちも様々なことを経験していく際に見てきて、自分たちの伸ばせるところを考えながら伸ばしていくことが、自分たちもいいアーティストという目標にたどり着ける道筋になると思っているので。

▲フレデリック 『VISION』通常版ジャケット

──メンバーとの話の中で気になったことなどはありますか?

三原康司:最近、健司が言っていたんですが、僕らがもうすぐ30歳になることに対して「30代を、一番楽しい年にしたいよね」って。学生のころなんかは、20代であることが一番楽しいと思っていましたが、それに対して年をとっていくごとに若返っていくというか。

さっき、まさしく「そういうバンドでありたいよね」ということを言っていました。だから本当にそんな年を過ごしていけるようになりたい、と思ったんです。


──30代というと、人生の中でも一番いい年齢ですもんね。具体的な目標としては、評価としては最もわかりやすい進歩の表し方として「大きなところでプレーし、多くの人に認めてもらう」ということを考えている、ということですかね?

三原康司:実際に立ったことのない場所に立ったときに言える言葉もあると思っていますし。その視野でわかっていくことも自分たちで実感して次を決めていけたほうが説得力もあるし、等身大の自分でいられると思うので、そういう活動をしていきたいと思っています。


──今回リリースされるEP「VISION」ですが、詞には非常に自発的に前を向くイメージがあり、また新しい方向に進んでいこうとしているのか、目標を見据えたところがあるのではと思いました。


三原康司:一度アリーナを経験して、また次の横浜アリーナに向けて…と僕らがライブ活動をしていく中で、同じ場所でライブをすることもあるけど、同じ感覚は全くないんです。

一つ一つの活動に意味があって、会場がどんどん大きくなるごとに、いろんな見方や演出、音楽的な挑戦とかいろんなことができるようになるし、そういう意味ではすごく自分たち自身も成長していかないと、面白いものを見せられないと思うんです。

その意味では、健司がさっき言っていたような「30代を楽しい年にしていく」ということを自分たち自身で築き上げていくことが一番大事だと思っているし、前を向いて精力的にいいものをちゃんと見せていこうという意識がすごく強かったので、今回はストレートに未来を見据えるテーマにしました。


──一方でできることが増えると逆に、やることを躊躇することはありませんか?

三原康司:まあ幅が広ければ広いほど、なにを選ぶかという選択肢も増えますから。ただ常に広く自由に、という方針は、以前からバンド自身が持ち続けてきたことではありました。

基本的には健司が決めたことなどに対して「こうしていこう」というターゲットを決めていくので、そのときに指針はもう決まっている感じもあります。今回に関しては選曲、どの曲を出していくかということをいろいろ話し合った上で一番いい形、一番これが面白くなっていくだろうという選択が、今回もできました。



──カップリングの「イマジネーション」「終わらないMUSIC」もこの「VISION」というイメージの方向につながるものを感じました。

三原康司:今回は横浜アリーナに向けた音楽を意識した感じもよりありましたし、音の感じとかシンプルさ、という点で結構アリーナロック、みたいな感じをイメージしましたし、そういう形にはなったと思います。またその形が、フレデリックの新しい進化の形だとも思いました。


「なにかを得ようとすると、絶対犠牲がある」


──「VISION」「終わらないMUSIC」と、EPの曲名は現在行われているツアーのサブタイトルにもされていますが、こういったテーマを今回取り上げようと思われたきっかけは、やはり横浜アリーナという場所に向けての思いがあったのでしょうか。

三原康司:ありました主に健司からそういったものをテーマとしてリード曲にしたい、と言ってきたんですが、そこから僕は「だったら、未来について歌った曲がいいな」ということを思い、テーマを未来として「VISION」を書き始めました。

「終わらないMUSIC」も、横浜アリーナで鳴らすライブのイメージ、ステージに向けての気持ちみたいなものを言葉にして作っていったんです。


──フレデリックとしての今後に向けての宣言のようでもありますよね。”やめないよ!”と(笑)


三原康司:“おじいちゃんになってもやる”ってね(笑)。でも自分たちの目指す目標というだけでなく、お客さんも同じような気持ちで見に来ていると思うんです。

だから僕らとしては横浜アリーナ、そして他の人にとってはやっぱり目指すものを持って頑張っている、という格好で同じ気持ちを持っている人に少しでも寄り添ってあげられることが、やっぱり横浜アリーナでプレーする意味じゃないかと思っているんです。そんなこともすごく考えながら作りましたね。


──こういうタイトルをつけると、自分たちの思いというところが出過ぎるというところもあると思いますが、聴く人がどう考えるかということも確かに大事ですよね。

三原康司:逆にやっぱり、そうやって自分たちのことを見てもらえたほうが、今なにをしているか、どういう行動をしているかというのが、すごく明確にわかってくるというのもあるんですよね。実際にそれを見て私も頑張ろうと思えたら、素敵なことだと思うし。自分に置き換えないとまずは言えないなと思うんです。


──ちなみに先程、「VISION」という曲を作られたときに、健司さんの意見から、というお話をいただいたのですが、そういうものをいつも曲作りのインプットとしている感じですかね?

三原康司:みんなと話し合わずとも、行動で僕が感じることもあって、そういうものをインプットとしていることがあります。たとえば今健司はこう作っていることを歌ってなにかを伝えること、目の前にいる人と話す。

そこでいろんなことを一番感じ取っているのは、実際にそういうことをしている健司自身なんです。その意味では健司にしか見えないところって絶対にあるし、そこが今回はすごく重要になってくる部分だと感じていましたし。



──では、恒例の「ピックアップフレーズ」を教えていただければと思います。

三原康司:「VISION」の「さようなら 古びたプライドは捨てて」というところですね、サビの部分。自分で経験してきた中ですごく感じることが「なにかを得ようとすると、絶対犠牲がある」ということ。それってホントにつきものだなと言葉だけでなく身を感じていろいろ思ったこともありました。

そんなことって、誰もが感じていると思うんです。でも、そんなことを見せずに頑張っている人たちもいっぱいいるし、そういう人って本当に強いと思うんです。

だから固くならず後ろ向きにならずに視野を持って、前を向く人のカッコよさみたいなところを大事にするには、なにかを捨てなければいけない。そんな思いが大切だと考えながら作ったところであり、強く印象としても持っているところなので、ここをピックアップしました。


──ちなみに康司さんとして、ご自身が「捨てた」、最も強い印象のあるものはなんでしょうか?


三原康司:歌詞の形に対して、固執していた思いではないかと。昔はすごく意味がない歌詞を書くことに専念していた時期がありました。でもそんな詞を書いていることが自分の中で「これだったら俺、ずっとこのままでいるんだな」と思ったんです。

ただ一方で自分がやり続けたことを変えることの恐怖のようなことも結構前に抱いていて、なかなかその思いを変えることができないままでいました。でもそのときにフレデリックとしてこう新しい音楽を書いていこう、それが、フレデリックが新しいことに挑戦していくことだと思ったんです。今は昔書いていた歌詞の形に比べて、すごくストレートになったんです。


──でもふと思い出したときに「時には昔みたいなことをやってみよう」と考えたりすることもあるかもしれませんよね?

三原康司:確かに。今活動し続けている中で、また新しい挑戦とかいろんな変化をしていくうちに、それが正しかったかと考える時期があると思うんです。この前それを感じた日があったんですが、それは今回っているツアーのSEASON2のことでした。

このときは昔のライブハウスを回ったツアーで昔の曲もやったんですが、昔の曲と今の曲が共存してライブをやったときに、それぞれの曲を演奏しながら、昔の曲でも新しい曲でもそれぞれでフレデリックらしさを感じて「あ、これでよかったんだな」と思ったんです。



なんでもできて楽しめるのが自分のロック


──たとえば今回の「VISION」は、すごくダンサブルな感じで、そんなイメージは康司さんご自身で思っているものが、一番大きく反映されていると思いますが、そんな思いのような部分でメンバーとの間で衝突することはありませんか?

三原康司:そうでもないです、みんな柔軟なので。それぞれやりたいことがあって、でもそれをやるにあたって相手のバランスをすごく考えられるメンバーなので、毎回すごく助かっています。僕が一番うるさく言うんですが、それを柔らかく一番いい形で戻してくれるというか(笑)


──その意味では、たとえば他のメンバーが曲を作るということになったら、大変な感じですよね?(笑)

三原康司:いや、でも多分そこも結構大丈夫な気がしています。実際には僕が書いた曲だけがリリースされていますが、いろんな試みみたいなことはしていて、そういう形でも進めたことはあるんです。


──でも他の人が書いた曲に対して、康司さんがうるさく言うと…(笑)

三原康司:確かに僕はうるさいと思います(笑)。気になるところは、絶対なにかを言うと思うし。


──ちなみに、そういうところをやってみたいというところもあるのでしょうか?

三原康司:今後やってみたいとは思います。時間があるときとかには詰めて、いい形になればそれがフレデリックらしくなったりするかもしれないし。面白そうだなとは思いますし。

▲フレデリック「VISION」Music Video / frederic “VISION”

──ちなみにシングルやEPでリリースされる楽曲って、わりとダンスビートの曲が多い印象がありますが、これはなんらかのこだわりみたいなものもあるのでしょうか?

三原康司:まあ、僕自身が得意だということで…(笑)。バンド自体、みんながそれぞれ聴く音楽はそういうものが多い傾向もあります。たとえば昔のブラック系のダンスミュージックなんかもすごく好きで、最近でもドラムの武くんと二人でシェリル・リンをビルボード・トーキョーに見に行ったんですが、もう本当に最高でした!

昔のそんな音楽も好きですし、それを今やっている洋楽のアーティストさんも好きで、今は日本でも結構そういうアーティストも多くなって、そういうのもみんな好きで、本当にいろいろ聴いたりしています。


──幅広いですね。昔に比べると近年のロックやポップスは、どちらかというと16ビートとか四つ打ちのリズムなんかが主流で、昔に比べるとかなり変わったなという印象もありますが、その中でフレデリックはそれよりさらにダンサブルなイメージがあります。


三原康司:日本で四つ打ちシーンが出てきたときに、僕はすごく面白いなと思っていました。四つ打ちってもともとダンスミュージックの中にあったものですが、それが日本の中だけで派生されて、あんな形になったじゃないですか。これってすごく特別なことだと思うんです。

海外を見ると、実はそういうシーンって見られないんですよね。洋楽の中でBPMが速い中でああいうことをやっているアーティストって本当に少なくて、トゥー・ドア・シネマ・クラブくらいじゃないでしょうか?そんな風に掘り下げていくのもすごく面白いし、いろいろ話していくうちに「もしかしたらこういうところからきたのかな」という話をしたりすることもあります。


──かなりこだわりがありますね。では、次のリリースもダンスビートで…「次もダンスで」とは言いづらい?(笑)

三原康司:(笑)まあどうでしょうかね。ただやり方次第だと思うんです、どう聴こえるかは。その言葉でやっても全然違う意味で聞こえるような楽曲も数多くありますし、躍らせ方の提案として、どうアイデアを出していくかという中で、書いていきますし。


──今やられているツアーは現在SEASON2まで終わり、これからSEASON3、SEASON4となりますが、東京公演が無くてちょっと寂しいですよね(笑)

三原康司:いやいや、最終公演に横浜アリーナがありますから(笑)


──で、SEASON4の「VISION」編、そしてラストの横浜アリーナ公演には「終わらないMUSIC」というサブタイトルをつけられており、EPもここをメインターゲットとされていると思います。たとえば今まで新しく変わっていくことを考えている、という話をうかがいましたが、逆に受動的に、思ってもなかったところから自分自身や自分たちの新しいところに気が付いたり、思ったりしたことはありませんでしたか?


三原康司:僕自身に一つあります。昔はロックって頑固なほうが好きで、ロックってそういうものだと思っていて。それは誰かの意志の強さだったりとか、頑なに他を否定して自分の強さを持つ、みたいな感じでイメージをしていたんです。

たとえばその音楽をやっているだけの人は、他の音楽とかを全く聴かない、みたいな。

でも今、自分自身のロック観って全然変わったと思っています。俺の求めていたもの、好きなアーティストが一番大事にしていたものって、自由なんだな、と。自由で広くて、本当になんでもできて楽しめるのが自分のロックなんだということを、最近特に思っているんです。


──そういう意味では、まさしくフレデリックって自由な音楽を奏でているけど、それはすなわちロックだ、という感じで。では、横浜アリーナは盛り上がり必至ですね。

三原康司:いい形で迎えられると思います、本当に。


──それは楽しみです。では最後に一言、ツアーのSEASON3、SEASON4、そしてSEASON5と題した横浜アリーナに向けての意気込みをお願いします。

三原康司:実際に自分たちの感じている今のモチベーションを、自分たちだけじゃなくみんなと共有したら、絶対楽しくなると思うんです。

だからそれをすごく感じ取ってもらうことを心掛けていろんなツアー、いろんなライブをひたすら回っているので、そこにちょっとでも気にかかる方たちがいるのであれば、やっぱりライブに是非足を運んでもらいたいです。

そうすれば、今の雰囲気や楽しさを感じ取ってもらえると思うし。是非ライブに遊びに来ていただきたいと思います!



TEXT 桂伸也
PHOTO 片山拓

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更新日:2019年10月10日
提供元:歌詞検索・音楽メディアUtaTen

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