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指で丸をつくる「OK」のジェスチャーに要注意。白人至上主義のヘイトシンボルに公式指定される(アメリカ)

カラパイア

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RobinHiggins/pixabay

 日本やアメリカでは通常、親指と人差し指で丸を作り、残りの3本指を立てるジェスチャーは、「オッケー」という承諾を現すOKサインとして認識している人が多い。

 しかし、今やそのジェスチャーは別の意味を含むようになったようだ。

 数年前、アメリカのオルタナ右翼らは、3本指の部分”W”で、丸を作った指が”P”を現す「WP(ホワイトパワー)」であると主張し、白人至上主義のシンボルとして浸透していった。

 実際に、OKジェスチャーが白人ナショナリズムの象徴として使用されるケースが増えたため、今回、このジェスチャーは公式に「ヘイトシンボル」に指定されることとなったのである。

「オッケー」の意味だけではないOKサイン


 9月26日、反差別を掲げる米国最大の名誉棄損防止連盟(Anti-Defamation League 以下ADL)は、親指と人差し指で丸を作り、残り3本の指を上に立てる「OK」サインを、公式なヘイトシンボルとして指定したことを発表した。


 これまでアメリカでは、多くの人々がこのOKジェスチャーを「オッケー」という承認の意味として使用していた(ただしフランス、トルコ、ブラジル、ベネズエラなどでは侮辱の意味をあらわす)

 しかし今後は、OKジェスチャーを使用する人により、その意味は大きく変わることが明確にされた。

 ADLのデータベース『ヘイト・オン・ディスプレイ』には、過激派が使用するスローガンとシンボルのOKサインが、「ヘイトシンボル」として追加されることになったのだ。


「2017年のデマ騒動が発端」とADL


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caitlynnmcconnellsmit/pixabay

 ADLによると、きっかけは2017年にネットの匿名掲示板『4Chan』で、「OKジェスチャーは、ホワイト・パワー(White Power 白人至上主義)のサイン」と吹聴する、オルタナ右翼によるデマ投稿だということだ。

 単なる悪ふざけに対して、リベラルな発想を持つメディアや人々に過剰反応を促し、一般的に不快な兆候を非難するのは馬鹿げているという声があがっていた一方で、やがて悪ふざけや冗談などではなく、実際に白人ナショナリズムの象徴となっていったようだ。

 ADLは、OKジェスチャーが白人至上主義とリンクしているというデマ投稿の後、実際にその意味で使用されるようになったと主張している。

少なくとも、一部の白人至上主義者は、当初の悪ふざけのキャンペーンの背後にある皮肉や風刺的な意図を放棄し、そのシンボルを白人の優位性を示す誠実な表現として使用することを決めたようだ。


オーストラリアの白人テロリストを例として指摘


 また、ADLは今年3月にニュージーランドのクライストチャーチにあるイスラム教徒信者が集まるモスクで乱射事件を起こし、51人を殺害した罪に問われているオーストラリア人の白人至上主義者ブレントン・タラントを例に挙げている。

 同被告は、裁判所への初出廷の際、笑顔でOKサインのジェスチャーをしていたからだ。


 ADLの最高責任者ジョナサン・グリーンブラット氏は、特定のシンボルの背後にある否定的な意味を認識する必要性を、次のように説明した。

過激派は、数年もしくは数十年前のシンボルを使用し続けているが、同時に自分たちの憎悪感情の表現として、近年は定期的に新しいシンボルやミーム、スローガンをネット上で作成している。

法執行機関と一般市民は、これらのサインの意味を十分に知る必要があると我々は考えている。コミュニティーや学校で、ヘイター(憎しみを向け攻撃的になる者)の存在への最初の警告サインとして役立つからだ。


OKジェスチャーの意味変更は一部で問題か


 ADLのデータベースには、白人至上主義を示す「燃えている十字架」や、KKK(クー・クラックス・クラン)の「白のローブ」、ドイツのナチ党シンボルを示す「スワスチカ(鉤十字)」などが含まれている。

 しかし、今回のOKジェスチャーのステイタスについての変更は、一部の人々に問題を引き起こす可能性があるのではと、ネット上では物議を醸している。

 例えば、スキューバダイバーはこのハンドサインを頻繁に使用する。彼らにとっては、言葉を交わすことができない水中での「異常なし」サインは非常に重要だ。

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radiusg/pixabay

 ダイバーのように職業上OKサインを使用することが必要な人々にとっては、公式にこのジェスチャーがヘイトクライムのデータベースになると、多かれ少なかれ問題を引き起こす可能性が出てくるのではという懸念があるようだ。


 多くのソーシャルメディアユーザーらは、OKジェスチャーのステイタスに対する分類は不必要と主張しているが、ADLの過激主義センターの管理責任者オレン・セーガル氏は、「このOKシンボルが、悪意あるものか否かを解釈するための前後関係は重要だ」と述べている。

References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo

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