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漫泊的に『ゴールデンカムイ』は漫画をアートに昇華する神漫画であることを説明します。

マンガ新聞

こんにちは。神保町にある「漫泊=一晩中マンガ体験」MANGA ART HOTEL代表の御子柴です。

 

MANGA ART HOTEL では、「装丁のアート性」と「内容のアート性」という二つの軸で漫画作品をキュレーション(選書)しているのですが、「内容のアート性」というのはなんぞやといったところですよね。


我々としては、何かしらひとつでも感情を揺さぶってくれる作品を「内容がアートな作品」という定義にしています。

 

そして、読者ごとにその漫画を読むことで得られる「期待する感情」は様々(キュンキュンしたい、熱い気持ちになりたい、泣きたい、笑いたい、など)で、その「感情の数」を多く含むということは、感情をいろいろな方向から揺さぶることになるため、結果として作品そのものの人気につながるのです。

 

しかし、ひとつのお話のなかで、そんなたくさん感情を揺さぶってくれるような作品はなかなか存在しません。

 

そこで今回は、そんな滅多にない「たくさんの感情を揺さぶりまくる」作品として超人気の『ゴールデンカムイ』の紹介をさせてください。

 

この『ゴールデンカムイ』を漫泊コンセプト的に推したい理由として、「感情の数」がめっちゃくちゃ多いにもかかわらず、メインストリームであるお話の背骨がしっかりとして、どこを切り取っても「感情」と「ストーリー」が見事に折り合いながら進んでいくところにあります。

 

『ゴールデンカムイ』は、謎解き要素があり、学習要素もあり、グルメ要素もあり、もふもふ要素もあり、スリル要素もあり、ギャグ要素ありなのです。


一般的に考えると、グルメ知識に特化すると、ウンチクに力が入り、物語の展開にワクワク感を持たせることが難しくなります。また、サスペンスに特化すると笑いの要素を効果的に入れるのは難しくなります。一般的には、です。

 

しかし、この『ゴールデンカムイ』が神漫画なのは、こうした一般論をとっくに超えているからなのです。

では『ゴールデンカムイ』とは何なのでしょうか? 以下の6つがこの作品の肝です(肝が6つもあるということが、そもそも神がかっている)。

 

1.謎を解きたくなる

  • 金塊はいずこに?
  • 囚人たちの皮をつなぐとどうなる?
  • アシパさんのオトンは何者?

 

 

2.「日露戦争」直後を多角的に学ぶことができる

  • 教科書では知りえなかった日本
  • 今まで考えたこともなかった北海道
  • もしかしたら一生知らないままかもしれなかったアイヌ文化
  • 漠然としていたロシア

 

 

©野田サトル/集英社

 

3. 食べたくなる

  • アイヌの食文化(チタタチタタ……はクセになる)
  • 数々の料理シーン
  • 毎回のヒンナヒンナ

 

©野田サトル/集英社

 

 

©野田サトル/集英社

 

 

4. 愛らしくなる

  • 北海道のもふもふのアニマルたちの絵が上手すぎる
  • アシパさんかわいい

 

 

©野田サトル/集英社

 

 

5. ハラハラする

  • ヒグマが怖すぎる
  • 囚人たちがマッドネスすぎる
  • 無茶をしない人がいない

 

 

6. 笑える

  • 脱獄王白石がおいしい
  • 顔芸が皆さん得意
  • キメ細かなネタ(その代表、ウコチャヌㇷ゚コㇿ)

 

 

 

©野田サトル/集英社

 

 


これだけの数多くの感情を揺さぶりながらも、テンポ良くメインのストーリーは核心へと迫っていきます。

 

つまり、感情を揺さぶる「種類」が多いため刺さるポイントが増えて、その結果として「数」多くの人に受けて、名作になっていくのかなぁと思うのです。やはり、誰もが虜になる作品というのは、読んだときに得られる感情が複数あるものが多いと感じます。

 

ある程度までその作品を読むと、続きや結末が気になって読むのを止めることできなくなるものです。

そこまで飽きさせず、いろいろな感情を刺激しながらもメインのストーリーがしっかりと進んでいくことがヒット作になる秘訣かな……と、あらゆる人気作を見ていて思います。

 

さすがにまったく中だるみせずにメインストーリーをずっと続けられる作品というのはない気がしますので、「ヒット要素の感情とは別の感情を刺激しながら物語を続けること」が重要な気がしました。感情も多様化が必要ということですね。

 

MANGA ART HOTELでは『ゴールデンカムイ』のような「感情を揺さぶってくれるアートな作品」を頑張って選書しつつ、真っ白のカプセルの中で漫画と自分だけが向き合える空間を設けています。

 

漫画は読む際の環境も大事です。大英博物館「マンガ展」に展示されているアシパさんの原画に会いにいくため、渡英の飛行機移動中にKindleでの『ゴールデンカムイ』一気読みが、wifiオフライン環境のため最高に集中できたように、すばらしい漫画のためには読む場所や時間の確保というのは重要なのです! 

 

可処分時間に漫画を読む!と決めて、感情を揺さぶられる名作達でぜひ漫泊をしてみてください。

(『ゴールデンカムイ』 は MANGA ART HOTEL に日本語全巻と英語版も置いてあります)

 

 

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