大谷翔平は「甲腸連動」を使えてはいるが……

大谷翔平は「甲腸連動」を使えてはいるが……
股関節と肩甲骨の両側からアプローチを さてここからひとつ、皆さんが驚くような話をしておきましょう。大谷は肩甲骨側からのアプローチに優れているため、そのおかげで「甲腸連動」を起こし、メジャーリーグの中で…

股関節と肩甲骨の両側からアプローチを

 さてここからひとつ、皆さんが驚くような話をしておきましょう。大谷は肩甲骨側からのアプローチに優れているため、そのおかげで「甲腸連動」を起こし、メジャーリーグの中でもかなり走力のある選手として注目されたわけですが、股関節側からのアプローチはまだまだ不足しているのです。
 
 このような話をすると、「えっ、肩甲骨側から十分アプローチできていれば、甲腸同調性があるから、実際にバッティングでも走るにしても、甲腸連動によって腸骨もそれなりに使えていて、練習をしたり試合に出たりするたびに、甲腸連動の繰り返しで、腸骨の開発も進むのでは?」と疑問に思うかもしれません。
 
 それは確かに、その通りです。
 
 しかし、スポーツのトップアスリートの世界では、あらゆる可能性を開発しないと、本当のトップにはなれません。つまり、開発の不足している部分があるうちは、トップオブトップには届かないのです。
 
 メジャーリーグでは中堅クラスの球団でも、チームの中にトップ選手が1~3人はいるでしょう。それが優勝するようなチームとなると、5~6人は揃っています。ということは、メジャーリーグ全体で少なくとも数十人のトップ選手がいるわけです。その数十人の枠の中なら、甲腸連動で肩甲骨側から開発し、下半身もよくなっていれば、トップ選手として十分通用します。
 
 しかし大谷には、開発できていない大きな方向性が残っています。それは股関節自体を開発し、股関節から全身を変えていくというアプローチです。
 
 それがなくてもメジャーリーグのトップクラスの仲間入りはできますが、そのトップクラスを抜け出して、真にメジャーナンバーワンのピッチャーやバッターになれるかと言うと、そういう選手は間違いなく肩甲骨と股関節の両側から開発ができている人です。
 
当然、トップクラスと言っても差があって、松竹梅といろいろな選手がいるわけです。最近の日本のプロ野球で言えば、ピッチャーなら巨人の菅野智之が目立っています。バッターでは、ヤクルトの山田哲人が打率・本塁打・盗塁のトリプルスリーを3度達成して騒がれましたが、彼の場合は少々波があります。
 
 いずれにせよ、トップの中でも抜きんでた選手は、両方からの開発ができている選手で、それ以外の選手の大半は「上」ではあっても「上の下」レベルなのです。

大谷の優れた肩甲骨でもまだ60%ほど

 一方、「上の上」、トップオブトップの選手は開発の余地があるのでしょうか?
 
 これは皆さんも気になるところでしょうし、それを知ることで肚が決まり、アスリートとして生きる上で軸がぶれなくなるはずなので、その疑問にハッキリとお答えしておきましょう。
 
 実はトップオブトップの選手でも、開発の余地はいくらでもあるのです。
 
 科学者としての立場から見れば、まだまだ開発は半ばといったところです。
 
 たとえば、テニスの錦織圭。彼はテニスという身体の大きさが重要な種目で、小柄な体格ながら大健闘しています。しかし、男子のプロテニスの世界でトップを目指すのなら、身長で190センチは欲しいところです。
 
 錦織は180センチ弱ですから、大変厳しい戦いが続いています。世界ランキングはシングルスで一時4位まで行きましたが、いまは落ちてしまいました。しかし、あそこまで活躍できるということは、あの身体の小ささから考えると、かなり開発は進んでいる選手と言えます。
 
 そんな錦織でも、肩甲骨、肩関節、腸骨、股関節と見ていくと、まだまだ開発する余地は残っています。
 
 ましてや世界のトップクラスに入っていないような選手だと、肩甲骨、肩関節、腸骨、股関節について、いくらでも開発の余地があると言えるのです。
 
 大谷翔平の肩甲骨も、「肩甲骨本」でかなり褒めていますが、科学的に推測できる究極の開発度で言えば60パーセント前後でしょう。
 
 また肩甲骨と股関節の開発度は、種目によってもある程度違ってきます。
 
 サッカーのような競技は、肩甲骨の開発が低い傾向にあります。だから肩甲骨の開発に取り組むと、選手のパフォーマンスはグンとよくなります。他の選手が注目していない分、チャンスが大きいとも言えるでしょう。
 
 
高岡英夫(たかおか・ひでお)
運動科学者、高度能力学者、「ゆる」開発者。運動科学総合研究所所長、NPO法人日本ゆる協会理事長。
東京大学卒業後、同大学院教育学研究科を修了。東大大学院時代に西洋科学と東洋哲学を統合した「運動科学」を創始し、
人間の高度能力と身体意識の研究にたずさわる。オリンピック選手、企業経営者、芸術家などを指導しながら、年齢・性別を問わず幅広い人々の身体・脳機能を高める「ゆる体操」をはじめ「身体意識開発法」「総合呼吸法」「ゆるケアサイズ」など、多くの「YURUPRACTICE(ゆるプラクティス)」を開発。多くの人々に支持されている。
 

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更新日:2019年6月12日
提供元:ベースボールチャンネル

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