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満員電車からの解放!鉄道会社の有料サービス

日刊ホントの話

2018年の東京圏主要区間の平均混雑率は163%で、1980年代の200%レベルからは緩和されてきましたが、まだまだ快適とはとても言えない状況です。仕事を始める前からもうクタクタという方も多いのではないでしょうか。

 そんな「痛勤」から解放される手段として注目を集めているのが、列車の有料着席サービスです。これは、定期券のほかに追加料金を支払うことで列車乗車時の着席が保障されるサービス。多くの場合、500円程度で利用できるため、「少し多めに料金がかかっても快適に通勤したい」というビジネスパーソンを中心に大好評で、列車によっては満席になるほどの人気です。

 通勤利用への対応を意図した有料着席サービスの原型は、1967年に小田急が関東で初めて開始したといわれます。当時は認められていなかった特急の定期券利用を可能にしたことで利用客が増え、他の私鉄各社もこれにならって同様のサービスを始めました。2018年12月には東急が座席指定列車・Qシートを導入し、現在は都内の大手私鉄全社が有料着席サービスを行っています。

●鉄道各社の狙いとは

 つらい通勤ラッシュを回避できる有料着席サービスは、利用客にメリットがあるのはもちろんのこと、鉄道会社にもメリットがあります。着席保障の追加料金によって収益を増やせるだけでなく、沿線のブランド化にも一役買ってくれるからです。

 有料着席サービスを実施する路線が通っていれば、都心から離れたベッドタウンでも通勤地獄に苦しむことはありません。通勤時間を勉強や読書にあてて有効利用もできます。また毎日利用するわけではなくても、体調が悪いときや荷物が多いときに座れるとわかっていれば安心ですよね。このような通勤への優しさをアピールして、沿線住民を獲得しようというわけです。

 私鉄各社が有料着席サービスに力を入れているのは、自社の不動産部門が沿線の開発を行っているからなのです。小田急は小田急多摩センター駅をはじめとする他社との競合が激しいベッドタウンで始発を増やし、他社ユーザーの取り込みまで狙っています。これに対し小田急のライバル筆頭である京王も、座り心地の快適さを追求したシートを設置している新型車両を開発するなどして差別化をはかっており、鉄道会社間での有料着席サービス競争に拍車がかかっています。

●今後は企業の枠を超えた広がりも

 この一連の動向に遅れを取るまいと、JR東日本も2019年3月から、中央線特急「あずさ・かいじ・富士 回遊・はちおうじ・おうめ」の普通車は全席指定可能とする着席保障サービスを開始しました。このシステムはすでに常磐線特急ひたち・ときわで実施されていたもので、着席保障サービスの広がりを受けて新たに中央線への導入が決まったものです。

 JR東日本の着席保障サービスは私鉄各社の同様のサービスと少し異なり、特急料金が必要で座席指定の追加料金は不要。指定が入っているかは座席上方のランプの色でわかるので、空席なら座席未指定でも座ってもよいシステムです。JR東日本では2023年に中央線快速へのグリーン車導入も予定しており、現在急ピッチで駅の拡張工事が行われています。

 さらに東武と東京メトロは、2020年に東武スカイツリーラインと日比谷線の相互直通列車への有料着席サービスを開始すると発表しました。運行区間や停車駅、料金などはこれから追って明らかになります。首都圏では複数の会社が乗り入れて長距離区間を運行していることが多いので、会社が異なってもまとめて席を指定し、決済できれば便利ですよね。

 「通勤はつらくて当たり前」という考え方はもう過去のもの。今後も有料着席サービスのような通勤を快適にする取り組みは、さらに広がっていくでしょう。

<参考サイト>
・国土交通省 東京圏で混雑率180%超の路線が12路線から11路線へ
http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo04_hh_000068.html
・【公式サイト】京王ライナー 開発秘話
https://www.keio.co.jp/zasekishitei/special/story/story2.html
・中央線が、変わる。│JR東日本
https://www.jreast.co.jp/change_chuo-line/
・中央快速線等へのグリーン車サービス開始時期および車内トイレの設置について│JR東日本
https://www.jreast.co.jp/press/2018/20180402.pdf
・東武線・東京メトロ日比谷線相互直通列車に有料着席サービスを新たに導入します!│東京メトロ
https://www.tokyometro.jp/news/2019/200801.html

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