香川真司、鈴木武蔵、鎌田大地らをどう生かすか? ポスト大迫探しではない森保監督の意図を読む

香川真司、鈴木武蔵、鎌田大地らをどう生かすか? ポスト大迫探しではない森保監督の意図を読む
“大迫タイプ”にこだわった選考をしない 日本代表に香川真司が復帰し、前線では鈴木武蔵と鎌田大地が初選出された。不動のセンターFWといえる大迫勇也は負傷離脱中であり、コパ・アメリカの参戦も困難な状況とな…

“大迫タイプ”にこだわった選考をしない

 日本代表に香川真司が復帰し、前線では鈴木武蔵と鎌田大地が初選出された。不動のセンターFWといえる大迫勇也は負傷離脱中であり、コパ・アメリカの参戦も困難な状況となっている。周囲は「ポスト大迫探し」を求めているが、森保一監督は異なる視点で課題を解決しようとしている。(取材・文:河治良幸)

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 森保一監督はコロンビア戦、ボリビア戦に臨む23人のメンバーを発表。アジアカップから13人の選手を入れ替え、そのうち4人が初選出となった。

 FWはアジアカップ後も怪我の影響でブレーメンでの欠場が続く大迫勇也が外れ、札幌でJリーグ開幕から3試合3得点の鈴木武蔵とベルギーのシント=トロイデンで12得点を記録している鎌田大地が初選出された。

 もっとも鎌田は基本的にセカンドトップの位置からチャンスの起点を作り、タイミングを見てミドルシュートやクロスに飛び込んで合わせるタイプであるため、メンバー構成的には1トップの選手が鈴木のみで、メンバーリストではMFの南野拓実が必要に応じて、そのポジションを担う可能性が高い。

 そもそも185cmの鈴木も相手のディフェンスを背負いながらボールをおさめ、味方のために時間とスペースを作るような典型的なポストプレーヤーではない。ディフェンスの裏を狙いながら来たボールを迫力ある競り合いで味方に落とすようなフィニッシュに直結するアシストはできるが、その前の攻撃を引き出すところで大迫と同じような仕事は期待できないし、するべきではない。

「大迫頼みの攻撃の戦術というところは私も質問を受け、色んなところで見聞きしている。彼が日本代表にとって非常に重要な選手であることは、これまでの活動の中で彼が示している通り、チームの戦いの通り間違いない。ただ、これは大迫だけじゃなく、誰が抜けてもその時のメンバー、出ている選手でベストな戦いをすることを常に考えていきたい」

 会見でそう語った森保監督だが今回は“大迫タイプ”にこだわった選考をしないことで、逆に別の解決策を探ろうとしているかもしれない。

南野と香川の縦関係が基本か

 昨年11月に招集しながら怪我で辞退となった鈴木優磨は未だ回復途上にあるが、同じ鹿島で良いパフォーマンスを見せている伊藤翔、長身ではないもののポストプレーに定評のある興梠慎三といった選手は入らず、もともとセカンドトップや2トップが本職ながらアジアカップ後には清水でもドウグラスが離脱中の状況で、主に1トップで奮闘する北川航也も今回は外れた。

 欧州主要リーグで前線に張る日本人FWがおらず、Jリーグでも大半のクラブで外国人FWがその役割を担っている状況であり、日本代表はもとより日本サッカーの課題とも言えるが、全体のオーガナイズを調整しながら課題を解決して行く必要がある。その場合に少なくともコロンビア戦とボリビア戦の2試合でどういう組み合わせをファーストセットに考えるか。

 基本的には森保ジャパンで招集され続けている南野と経験豊富な香川が縦関係を作る組み合わせか。南野が相手の裏を狙い、その後ろで香川がボールを集めてサイドの堂安律や中島翔哉と流動的な距離感でチャンスの起点を作って行く。そこから時に南野を追い越す動きを加えることで最終的に南野がシュートを狙うスペースも生まれて来ると行った形だ。

いない前提の大迫。幻影を追う必要はない

 香川がトップ下に入ることでボランチとともに中盤に起点を作りやすくなるため、そこに堂安や中島が絡んで行く場合はアウトサイドから左右のサイドバックが追い越してゴール方向に仕掛けるような形も出せる。そう考えると西大伍や初選出の安西幸輝といった攻撃センスの高いサイドバックを招集した意味も出て来る。

 前線に長身の鈴木が入れば大迫とは異なるものの、ロングボールを織り交ぜる戦い方は使えるし、クロスに飛び込んで行く形も効果的になる。鎌田も香川とはまた違ったボールキープ力でタメを作れる選手で、南野や鈴木が裏を狙う分、その手前のスペースを活用しながらプレッシャーを吸収し、周囲により決定的な時間とスペースを作るという仕事は可能だ。

 そこから最も重要なのはゴールという結果に繋げることだが、”大迫頼み”というのは大迫がいる前提があるから出て来るもので、いない前提であればその中で良い方法を探って行くしかない。そのために無理に大迫の幻影を追う必要はない。

 当面の目標となる6月のコパ・アメリカでも大迫の不在は決定的となっている中で、森保監督がどういうソリューションを見出すのか。誰がアピールに成功するのか。一つの大きな注目点になる。

(取材・文:河治良幸)

(更新日:2019年3月15日)

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