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そらる インタビュー “リアル”を描いた新シングル「ユーリカ」誕生の背景に迫る

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10th Anniversary Year第2弾シングル「ユーリカ」を3月6日にリリースする“そらる”。今作は、初のドラマオープニングであり表題曲の「ユーリカ」、“じん”とのコラボ曲「群青のムジカ」、そらる作詞・作曲の卒業ソング「長い坂道」が収録されている。
「前回のシングル「銀の祈誓」は3曲全部ファンタジーに寄せた作品だったんですけど、今回は全曲リアルに寄せていて」と話す新シングル「ユーリカ」誕生の背景を語る。

――3月6日にリリースされる10th Anniversary Year第2弾シングル「ユーリカ」表題曲は、1月より放送のドラマ『ゆうべはお楽しみでしたね』のオープニングテーマでもありますが、そらるさんにとって初となるドラマタイアップの話をいただいたタイミングと、そのときのお気持ちを教えてください。

お話をいただいたのは去年の9月くらいだったと思います。『ゆうべはお楽しみでしたね』の原作漫画は、存在を知っていたものの読んだことがなかったんですけど、タイアップをいただいてすぐに読み始めてみたら、すごく面白くて。最新の6巻まで、すでに5回くらい読み返しているんですよ。

――その“好き”の想いがあってこそ、素敵な「ユーリカ」という曲が生まれたのですね。それに、『ゆうべはお楽しみでしたね』は“『ドラゴンクエストX』から始まるシェアハウスラブコメ”なわけですが、そらるさんはドラクエ大好きだったりもしますよね。

そうなんです。ドラクエは本当に大好きで、これまでで一番やりこんだゲーム。それがテーマになっている作品がドラマ化されて、ありがたいことにオープニングテーマを依頼していただけたわけですから、喜んでやらせてください!という感じでした。

――ドラマの制作サイドからは、なにか要望はあったのでしょうか。

細かい要望は、今回の「ユーリカ」に関してはあまりなくて。「自由に書いてください」ということだったので、自分なりに作品をイメージしながら曲作りをしていきました。

――そんな「ユーリカ」、イントロや曲中には懐かしの8bitサウンドがちりばめられているし、歌詞にもゲーム用語が見られたりしますね。

『ゆうべはお楽しみでしたね』にはメインキャストの“おかもとみやこ”と“さつきたくみ”が2人で並んでゲームをするシーンも多いので、曲の中にゲーム的な要素を入れたいな、と思ったんですよ。だから、ゲーム的なサウンドを使っている部分には、<ゲームオーバー>とか<ファンファーレ>といった言葉を入れてみたんです。

――そして、ストリングスやピアノの音色、そらるさんの歌声も美しいドラマティックなナンバーは、感動的だったりもします。

原作漫画がすごく幸せになれる作品なので、聴いていてハッピーになれるような曲にしたいなと。中でもサビは、メロディにしてもサウンドにしても歌にしても、幸せになれるようなものにしよう、ということを強く意識したので。そう感じてもらえたならよかったです。

――歌詞に関してはいかがですか?

今回、めちゃめちゃ悩んだんですよ。なかなかうまくまとまらなくて、原型がなくなるくらい何回も手直しをして。時間をかけてなんとかすることができました……。

――そうやって真摯に向き合って生まれた歌詞の言葉たちは、心を動かすもので。<君>との運命的な出会いと恋物語を空想的に、幻想的に描いているところはそらるさんらしいなと思いつつ、現実世界での孤独感や閉塞感から目をそらしていない歌詞は共感度が高いな、とも感じます。

<星降る夜の輝き>や<竜の背で知った恋>は、あくまでも曲の主人公の空想でしかなく、六畳一間で日々を過ごしているというのが現実なわけですけど……原作漫画に、最初は傍観者でしかなくて夢見ることを諦めていたさつきたくみが、<君>と出会うことでやっと自分の世界、物語の主人公になれたよ、というシーンがあって。それがすごく印象的だったので、歌詞もそういうテーマで書こうと思ったんです。

――たとえば少年時代の自分だったり、気持ちが重なるところもあったりするのでしょうか。

ゲームやファンタジックな物語が大好きな、夢見がちの子どもではあったので……うん、そういう憧れる気持ちっていうはすごくわかりますね。

――<夢を忘れた僕の空に 君が理由をくれたんだ>というフレーズのように、そらるさん自身、誰かの発言や行動、存在が自分を変えるきっかけになった、という経験はありますか?

運命的だな、とまで感じたような出会いは正直言ってないかもしれないですけど……だからこそ憧れているのかな、とは思いますね。あと、現実はドラマティックじゃないわけで、フィクションだからこそ最高の結末にしたい、せめて自分が作る作品くらいは受け取る方に救われてほしいな、という想いもあります。

――本当に、聴くたびに救われます。なお、ドラマ『ゆうべはお楽しみでしたね』の収録現場に出向かれたそうですね!

撮影の最終日におじゃましてあいさつをさせていただいたくらいなんですけど、先ほども言ったようにすっかり原作漫画のファンになってしまった身としては、ここがあの2人が住んでいる家なんだ!とかそういった楽しみ方をさせていただきました(笑)。

――それは思わず高まってしまいますね(笑)。これまでアニメのタイアップはいくつも経験されてきましたが、初めてのドラマタイアップでより自分の音楽が多くの人に届いているという実感もあったりして?

そうですね。自分が好きだなと思える作品に関われるというのも幸せなことだし、想いを込めて作った曲がこれからより多くの方に届くといいなとも思っています。


 

――それから、カップリング曲のひとつ、「群青のムジカ」は疾走感あふれるエモーショナルなロックナンバーですが、作曲をじんさんにお願いした経緯というのは?

もともと僕はじんさんの楽曲のファンで、何曲も歌わせてもらっていて。初めてのソロアルバム『そらあい』をリリースしたとき(2012年)には、「キミノメヲ」という曲を書き下ろしていただいたんですよ。で、今回どなたかに曲を書き下ろしていただこうという話になったときに、じんさんに再びお願いしたいと思ったんです。じんさんらしいワクワクするような楽曲にしていただけて、本当に嬉しいです。

――胸がチクりとするような過去を辿りながらも、希望を見出そうとする歌詞も刺さります。

お互いに活動してきた中で経験してきたたくさんの出会いや別れ、抱えてきた葛藤やエゴ……じんさんとお話しして、それをテーマに歌詞を書いていこうと思ったんです。前回のシングル「銀の祈誓」は3曲全部ファンタジーに寄せた作品だったんですけど、今回は全曲リアルに寄せていて。中でも、「群青のムジカ」は自分の中高生くらいから今に至るまでの自分の経験や思い出に基づいて書いた、等身大な歌詞になっています。

――その道を今現在歩んでいる人にも、かつて歩んだ人にも、響く言葉たちです。もう1曲、そらるさん作詞・作曲の「長い坂道」は、卒業式にみんなで歌声を重ねるのにも相応しい曲で。

もともと卒業ソングを書きたいと思っていて、今回はリリースタイミング的にもちょうどいいんじゃないかなと。自分のメロディやポップスっぽい展開は添えつつ、いろんな合唱曲を聴いて参考にしながら、シンプルなピアノの伴奏と歌から始まる合唱曲的な雰囲気は大事にしました。

――<長い坂道が今日はこんなに嬉しいんだ>というフレーズはじめ、歌詞にもグっときてしまいます。

普段は授業が終わるとみんなあっという間に教室からいなくなってしまうのに、卒業式のあとだけはみんななかなか帰らなかったりとか、いつもは長くて面倒くさいなと思っていた坂道も、友だちと一緒に長くいられると思うと嬉しかったりとか……最後の日ばかりは、そういうひとつひとつのことを愛しく感じるわけで。この曲を聴いてくれる人たちそれぞれの人生に訪れる坂道も、時が経てば良い思い出になるんだよっていうことに気づくきっかけになればいいなと思っています。

――さて、『SORARU LIVE TOUR 2019-10th Anniversary Parade-』と題し、3月10日の地元・宮城公演からソロツアーが始まります。前回のインタビューでは「ずっと応援してくれている人たちに喜んでもらえて、新しく僕を知ってくれた人にはこれまでの歴史を知ってもらえるような、活動10周年の集大成的なツアーにできたらいいな」とおっしゃっていましたが、開催が迫ってきた今、さらに言えることはありますか?

前もって募集した“あなたが聴きたい”楽曲のリクエストを基に、期待値の高い曲をセットリストに組み込んだりとか、その土地でしか歌わない限定曲もあったりとかするので。「銀の祈誓」、それから今回の「ユーリカ」といった新規の曲も含めて、よりみなさんに喜んでもらえる構成になると思うし、僕自身もすごく楽しみにしています。


文=杉江優花

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