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平泉成×嘉島陸の父子シーン撮影秘話 『明日を綴る写真館』“父の日”場面カット公開

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©2024「明日を綴る写真館」製作委員会 ©あるた梨沙/KADOKAWA

 平泉成主演映画『明日を綴る写真館』より、父の日を記念した新場面写真が公開された。

参考:Aぇ! group 佐野晶哉が平泉成から受け継ぐ役者魂 “普通”で素敵な自分を築くために

 本作は、あるた梨沙による同名漫画を実写映画化した人間ドラマ。年齢も考え方も全く違う“自分に素直になれない”という共通点を持つ2人が、人々の抱える“想い残し”のために奔走し、自分自身と向き合い、互いに影響し合いながら成長し、やがて思いもよらない奇跡を起こしていく。

 80歳にして映画初主演となる平泉が、自身の趣味である写真撮影ともリンクするカメラマン役として、さびれた写真館を営む鮫島役を演じる。その鮫島に憧れるカメラマン・太一役には、Aぇ! groupの佐野晶哉が抜擢された。そのほか佐藤浩市、吉瀬美智子、高橋克典、田中健、美保純、赤井英和、黒木瞳、市毛良枝らがキャストに名を連ねている。

 さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)と妻・桜(市毛良枝)の間には、家を出た一人息子・直哉(嘉島陸)がいる。結婚することを決め、久しぶりに帰宅した直哉だが、結婚式はやらないと両親に告げる。「写真だけでも撮りましょう。お父さんに撮ってもらって」という桜に「それはない」とぴしゃり。父との深い確執が明らかになり、さらにヒートアップした直哉が「(写真館に)見込みがないんだからさっさと潰せよ」と言い放つ。自分の家族のことは後回しにして、他人の抱える悩みや問題のために必死に奔走する鮫島。子供の頃からそんな父親を寂しくも不満にも思っていた直哉。さらに赤字続きのさびれた写真館の経営のこともあって、2人はなにかと衝突してしまう。

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 その夜、ある“想い残し”の電話を受けた鮫島は、依頼主にとって大切なアルバムを届けるための夜通しの長距離運転をすることになり、太一(佐野晶哉)と直哉が同行することに。その途中で、疲れて寝てしまった鮫島に直哉がそっと毛布をかけるシーンは実は脚本には無く、嘉島をはじめ監督やスタッフたちが現場で考え出した演出だ。嘉島は「ふたりの間に亀裂はあるけれど、親子の温かさがとても伝わるシーンだ」と振り返る。

 そんな亀裂のある親子を演じるために、撮影現場ではスタンバイ中に平泉に話しかけられても、あえて距離を取ることもあったという嘉島。その時のことは「覚えてません(笑)」という平泉だが、嘉島の芝居には太鼓判。「芝居が上手で、見事だった。僕がその年齢の時にはとてもそんな演技はできなかった」と絶賛した。

 80年の人生を振り返る平泉は「想い残すことだらけだ」と語る。高校卒業後はホテルに勤め、先輩の紹介で市川雷蔵と知り合い、「大映フレッシュフェイス」のひとりに選ばれ、俳優人生をスタートさせた平泉。とんとん拍子に事が進んだように見えるが、早くに亡くなった母親には俳優としての活躍を見せることが出来なかった。「役者として活躍している姿を両親に見せて安心させたかった」と語る平泉だが、家族に対するもうひとつの大きな“想い残し”は本作で拭えたようだ。「妻が電話で嬉しそうに、今回初主演が出来たと誰かと話しているんです。自分が主役を張る姿を今までずっと見せてやれなかった」と平泉にとって本作が特別な一作になったことを明かした。

(文=リアルサウンド編集部)

 
   

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