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『366日』友達に戻る道を選んだ明日香と遥斗 お互いのための決断に胸が締め付けられる

Real Sound

『366日』©️フジテレビ

 〈叶いもしない この願い あなたがまた私を好きになる〉

参考:広瀬アリス、月9主演は「いまだに信じられない」 座長として挑む『366日』への意気込み

 事故で記憶を失った遥斗(眞栄田郷敦)を想う明日香(広瀬アリス)の目線で聴いていたこのフレーズ。それが今は、遥斗自身の気持ちに聴こえてくる。『366日』(フジテレビ系)第8話では、明日香と遥斗がお互いを思うがゆえに友達に戻る道を選んだ。

 花火大会の後、行方が分からなくなった遥斗。道に迷った遥斗を保護し、実家まで届けたのは偶然にも明日香たちの地元にいた看護師の宮辺(夏子)だった。今までできていたことが慣れない環境や疲労などの影響でできなくなることもある高次機能障害。ゆえに引き続き周りのサポートは必要だが、遥斗は少しずつ仕事に慣れ、明日香とも以前のような関係を取り戻しつつある。

 仕事復帰後、初の給料で明日香に夕飯をご馳走し、明日香がベンチに座る際にはさりげなくハンカチを置く遥斗。デートで張り切るその姿は花音(中田青渚)が言うように、また一から明日香に恋しているように見えた。けれど、「あの時も」と昔の遥斗と今の遥斗を重ねる明日香の発言に遥斗の表情は曇る。明日香が遥斗を思い出の場所に連れて行ったり、昔の話をしたりするのは、それが遥斗の症状回復に繋がると思ってのことだ。

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 でも、昔の自分と今の自分が繋がらない遥斗にとっては、元彼の話をされているみたいに感じるのではないだろうか。明日香が昔の自分の面影を探すそぶりを見せるたびに、遥斗の胸のなかに嫉妬のような感情が芽生える。それでも明日香の笑顔が見たくて、遥斗は過去のことを覚えているフリをするようになってしまった。

 そんな遥斗の優しい嘘が発覚したのは、明日香が企画運営に携わったクリスマスコンサートでのこと。そのコンサートでは、ラストにチャイコフスキー作曲の「花のワルツ」が演奏された。それは文化祭の実行委員である遥斗の直談判により、廃止を免れた後夜祭で明日香たち吹奏楽部が演奏した思い出の曲。遥斗は当時を思い出したように「楽しそうに吹いてた」と言ったが、実際にはサッカー部の喧嘩を止めに行っていて聴いていなかった。

 その一件で遥斗が自分のために嘘をついてくれていたことを知った明日香は罪悪感に苛まされる。好きな人の笑顔が見たいのは、遥斗だけじゃなく明日香も同じだ。明日香は昔も今もひっくるめて遥斗という一人の人間を愛している。だからこそ、一番近くで遥斗を支えてきたが、それが遥斗には“愛情”ではなく“同情”に思えてしまった。智也(坂東龍汰)、莉子(長濱ねる)、和樹(綱啓太)と訪れた別荘で2人は本音で語り合い、遥斗から友達に戻ることを提案する。

 遥斗がその結論に至ったのは、和樹(綱啓太)が芽美(高田里穂)と破局したことも関係しているのだろう。和樹の中にまだ明日香への未練が残っていることを知った芽美は、自分にはもう寄り道してる暇がないと別れを告げた。もうすぐ30歳という年齢に差し掛かっている明日香たち。多くの人が仕事盛りで、結婚や出産も意識し始める時期だ。そんな中で強制的に人生をリセットされ、新しく生き直そうとしている自分に明日香をこれ以上付き合わせるわけにはいかないと遥斗は思ったのではないか。

 そして、明日香も少しでも昔のことを思い出してくれたらと願う自分のエゴで遥斗を苦しめたくなくて、友達に戻る道を選ぶ。それが愛情じゃなくて、何だというのだろう。愛情という名のエゴを押し付けまいと相手から遠ざかるのもまた愛情。お互いのために辛い決断を下した明日香と遥斗の葛藤からくる涙に胸が締め付けられる。バックで流れるHY「366日 feat. 長田庄平」のエモーショナルな歌詞と歌声も相まって、切なさは倍増だ。明日香と遥斗が一緒に笑っているところが昔から好きだったと語った和樹も2人の別れを目の当たりにし、泣いている。どうか2人が泣き顔ではなく、笑顔で再び向き合える日が訪れますように。

(文=苫とり子)

 
   

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