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巨人菅野投手が支援する全国にわずか58頭しかいない介助犬とは?

パラサポWEB

手や足に障がいのある人たちの日常生活をサポートする「介助犬」。盲導犬や聴導犬といった同じ身体障害者補助犬と比べると、まだまだその名はあまり知られていないが、読売巨人軍のエース・菅野智之投手が支援活動に取り組むことで、世の中での認知も徐々に拡大し、介助犬への理解や支援体制の輪も広まりつつあるという。

そこで今回は、5月22日の「ほじょ犬の日」に合わせて、肢体に障がいのある方たちのパートナーを務める介助犬とその介助犬を支援する菅野投手の活動にフォーカス。介助犬の育成や普及に務める社会福祉法人 日本介助犬協会の広報・後藤優花さんから「介助犬とはどんな犬?」といった基本的な情報を学びながら、菅野投手が介助犬を支援するようになったきっかけやこれまでに行ってきた取り組みについても紹介していきたい。

動作の手助けだけではなく、心の面からもサポートもしてくれる介助犬の存在

お願いをした携帯電話を拾ってきてくれる介助犬。一般的に動詞は英語で、名詞は日本語で指示が行われる

「Take(拾ってきて)携帯電話」 「Give(渡して )」「Good!(よくできたね!)」

そんなユーザーさんの掛け声に合わせて、落としてしまった携帯電話を拾って来る介助犬。指示された仕事を成し遂げて褒められると、満足そうにユーザーさんを見つめる。一方、介助犬から愛くるしい眼差しを送られたユーザーさんも笑みを浮かべ、なんだか嬉しそう。これは互いに支え合いながら日々の生活を送る、ユーザーさんと介助犬との日常風景だ。

まだまだ認知度が低いため、盲導犬と間違えられてしまうことも多いそうだが、介助犬とは手や足に障がいのある人の日常生活動作を手助けする犬のこと。同じ身体障害者補助犬には他にも盲導犬と聴導犬がいるが、盲導犬は視覚に障がいのある人を、聴導犬は聴覚に障がいのある人をサポートする犬なので、サポートする対象者が異なる。

手足に障がいのある人をサポートする「介助犬」、視覚に障がい者の人をサポートする「盲導犬」、聴覚に障がいのある人をサポートする「聴導犬」の3種類を総称して身体障害者補助犬(ほじょ犬)と呼ぶ

ユーザーさん一人ひとりに合わせて育成される介助犬。サポートも遊びの延長で楽しく

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先述の「落とした物を拾う」というサポートのほか、指示した物を持ってくる、緊急連絡手段を確保する、ドアを開閉する、衣服の脱衣を補助するなど、介助犬がサポートできる動作は実に幅広い。基本的にはユーザーさんの障がいの特性に合わせて育成され、その方の望むサポートができるようにトレーニングを積むので、担う仕事は一頭一頭違うのだ。

「まずはひと通り、代表的なサポート動作を教えたうえで、ユーザーとなる方とのマッチングを行います。そして、ペアが決まった段階でさらにその方に求められるサポート動作を追加訓練していきます。こうしたトレーニングで大事になるのは、犬たちにとっては遊びの延長となるように楽しみながら取り組んでもらうこと。例えば、靴下を脱がせるというサポートも、まずはおもちゃの引っ張り合いからはじめ、引っ張る対象をおもちゃから靴下へ変えていくような工夫をしています」(後藤さん)

そうしたトレーニングを経ることで、介助犬にとってユーザーさんのサポートは義務ではなく、むしろ喜びとなる。モノが落ちると、どの介助犬もみんな嬉しそうに走っていって拾い、それを満足気にユーザーさんのもとへ運んできてくれるが、介助犬にとってみれば、それは好奇心や探求心を満たすゲームのような遊びなのだ。

今回話を聞かせていただいた、日本介助犬協会で広報を務める後藤優花さん。日々、介助犬や協会の啓発活動に取り組んでいる。小学校高学年の頃に盲導犬に興味をもったことをきっかけに、この仕事に携わるようになったそう

そして、こうした介助犬の充足感はユーザーさんへも伝播し、動作面のサポートだけではなく、気持ちの面でも支えになってくれているという。

「肢体に障がいのある方たちにとって、人にサポートをお願いすることは自分のできない一面を再認識することにもつながるので、どうしても気持ちの面で塞ぎがちになります。ところが、介助犬にサポートしてもらうことは、『犬と一緒に自分でできた』と認識してもらえるので、ユーザーさんの自信につながるんです」(後藤さん)

それ以外にも、肢体に障がいのある人たちの中には、「人に迷惑をかけたくない」との思いから引きこもりがちになる人も多いというが、介助犬と暮らすことで自然と散歩などの外出の機会が生まれ、そこで「介助犬と一緒なら、思っていたよりも外出が不安じゃない」と自信を獲得するケースもあるという。こうした成功体験を積み重ねることで、「今度はあそこに行ってみよう!」とチャレンジするようになり、ユーザーさんの気持ちもだんだん明るくなっていくそうだ。

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