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上の者にはヘコヘコ、患者や後輩には「教育」と称してボロクソに言う百九十センチ二十代半ばの男性看護師

ゴールドライフオンライン

本記事は、朝丘大介氏の書籍『オレンジ病棟』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

港口整形外科

「傷が深いだけだと皮膚科の先生が言っていましたが」

「彼はまだ若いから……」

石橋院長は口ごもると、視線を逸(そ)らした。

「ダメなんだよ、お前は!」

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膝の処置をする若い小さな看護師を院長が怒鳴った。どうやら機嫌を損ねたようだ。

院長が直々(じきじき)に肘の創処置をする。

「……あの……そんなにきつく擦(こす)られると痛いのですが」

「わかってるんだよ、そんなことは!」

今度はこっちが怒鳴られた。だったら、痛くないようにやれよな。心の中で僕はぼやいた。続いて、小さな看護師がアイスの棒のようなヘラで傷口に軟膏を塗りはじめた。

僕は自分の左肘を見た。細長い毛が数本、ホッチキスで留められた傷口を覆うように生えていた。人間の体は大切な所を毛で守ろうとするものなのか。それとも、毎日塗ってもらっている薬が関係しているのか。看護師が塗っている薬の容器を見ると、〈亜鉛華軟膏〉と書いてある。

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